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【自己紹介】シナリオライターという仕事

はじめまして、元ゲームシナリオライターのさーくんと申します。

「シナリオライターの知り合いがいる」という方はそんなに多くはないと思いますので、これから私が話すことはけっこうレアな内容です。

・業界の入り方
・業界裏話
・仕事内容

などなど、私の知っている限りの情報を公開していきます。

それにあわせて、自己紹介もしていきますのでぜひ最後までお付き合いください。

1.さーくんについて

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まずは、私(さーくん)について簡単に自己紹介をします。

〇名前  :さーくん(ペンネームは別)
〇年齢  :20代後半
〇性別  :男
〇経験年数:3年間
〇実績  :PCゲーム、ソーシャルゲーム20作品以上のシナリオ執筆

ざっとこんな感じになります。

では、シナリオライターになる前はどんなことをしていたのかを次の項目で説明していきます。

1-1.シナリオライターになる前

私は大学1年生(19歳)の頃にシナリオライターになったものの、決して特別な才能に恵まれていたわけではありませんでした。

もともとはラノベ作家を目指していましたが、応募作品はだいたい一次審査落ちです。よくても二次審査止まりでした。

当時、『小説家になろう』の全盛期だったこともあり私も作品を投稿していましたが、そこでもさほど評価はされていませんでした。

さすがに、何かを変えないといけないと考えた結果が次です。

・小説と親和性の高いゲームシナリオを0から学んだ

ゲームシナリオは、会話中心で物語を組み立てるため印象的な掛け合いやセリフを作ることができるようになります。

また、ゲームシナリオは選択肢によるルート分岐が発生するためストーリーを緻密に練り上げる必要があり、ストーリー構成に磨きがかかります

このようにしてゲームシナリオの奥深さに触れるうちに、「シナリオライターになりたい」と思うようになりました。

では、そこから先の話は次の項目で話していきます。

1-2.どうやってシナリオライターになったのか

では、そんな私がどのようにしてシナリオライターになったのか。

答えはとてもシンプルで、ゲーム会社にひたすら応募しました。

とは言っても、シナリオライターの募集がかかることはめったにないため会社HPのお問い合わせから無理やり送り付ける形です。

1社、2社といった程度ではなく、30社近くに応募しました。

その結果、複数の会社から連絡をもらうことができたため、条件の良かった1社を選びシナリオライターとしてのデビューを飾りました。

ちなみに、応募にあたって添付した作品リストは次の通りです。

・企画書
・プロット
・絵コンテ/字コンテ
・シナリオ(ラノベ1冊分ぐらいの内容)
・ショートシナリオ(短編小説ぐらいの内容)

ここまで揃えることが出来れば上出来です。

ほとんどの人は企画書やコンテを作った経験がなく、作ろうともしないため、ここまで揃えることが出来たら間違いなく誰かの目にとまります。

応募する際はぜひとも企画書、コンテを提出してみてください。

1-3.新人シナリオライター時代

さて、ここからはシナリオライターになった後の話をしていきます。

私の場合は会社に所属する形でライターになりましたが、最初は見習いとして先輩ライターのサポートをしました。

具体的には、次のようになります。

・一部のシナリオのライティング

「え、それだけ?」と思うかもしれませんが、それだけです。

新人だからあまり仕事を割り振ってもらえないというわけではありません。

つい最近まで素人だったライターでは、シナリオの一部をライティングするだけで精一杯になります。

プロとして仕事をすると、それ相応のクオリティを求められます

そのため、何度もリテイク(書き直し)指示が飛び、5000文字程度を書き終えるのに1か月近く要してしまいます

こうして一部分のみのライティングを約3か月ほど続け、クオリティにムラがなくなると、ようやく新しい仕事を任せてもらえるようになりました。

・分岐ルートの1つを担当

ゲームには選択肢が発生し、その選択によって物語が分岐していくことになりますが、そのうちの1つの分岐ルートを担当することになります。

作品によってまちまちですが、1つの分岐ルートは文字数にすると10万文字程度あります。

小説1本より文章量は少ないものの、シビアなのは納期です。

10万文字ぐらいなら、2週間以内に仕上げる必要があります。

ゲームとして売り物になるくらいのクオリティを維持しながら、1日あたり6000文字ぐらいは書かないといけません。

私はどうにか締め切りに間に合わせることができましたが、担当シナリオが完成した頃にはぶっ倒れそうになるくらい疲れました。

ただ、疲労感とともに強烈な達成感があったのも事実です。

「シナリオライターとして生きていこう」

こうして、私のライター人生が幕開けたのでした。

1-4.半年過ぎたらもうベテラン

クリエイティブな世界では、新人時代はあっという間に終わります

半年が過ぎた頃には完全に独り立ちをし、0からの作品づくりに携わるようになりました。

業界的には、新人時代はサブライターと呼ばれてあくまでもサポートすることが仕事ですが、新人を卒業するとメインライターという立場になります。

メインライターという肩書を背負うと、やることが格段に増えます。

・プロット作成
・コンテ作成
・キャラクター設定書作成
・ライター陣営の統率
・メインシナリオ執筆
・声優のボイス収録に同行
・商品のキャッチフレーズ作成

プロデューサーとしての仕事も任されているライターは、これに加えて企画書等々も作成する必要があります。

私の場合は、「色んなことができる!」と嬉々として仕事していましたが、それも最初のうちだけでした。

メインライターは仕事が増えるだけではなく、当然ながら責任も重くなります。

サブライターや、共同メインライターの誰かの仕事が遅れていればヘルプに入ることになります。つまり執筆量が倍近くになります。

また、締め切りに間に合わないことを悟って飛ぶ(=音質不通になる)ライターも少なからずいるため、その尻拭いもします。

そして、開発したゲームが売れなければ上の人間から詰められます

想像以上にストレスがかかるため、メインライターになってしばらくはまったく生きた心地がしませんでした。

しかし、人間とは恐ろしいもので、どれだけ過酷な労働環境でも慣れてしまうものです。

ライターとして入社後、1年が経過した頃にはこの環境が当たり前として受け入れられるようになりました。

1-5.プロデューサー補助業務も兼任

メインライターとしての仕事にも慣れ始め、入社から1年が経過した頃。

プロデューサーの補助をする仕事も振られるようになりました。

・企画書作成のサポート
・開発チームの人材選定のサポート
・声優キャスティングについてのサポート

他にもいろいろとありましたが、この3つが主な仕事です。

補助とは言え、「自分の考えたゲームが世の中に出る!」と最初はワクワクしました。

しかし、これが想像とは大きくかけ離れていました。その理由が次になります。

・売上を考えたとき、いま流行っているもののマネをするのが一番手っ取り早いため目新しい作品が生まれない

ここでは詳しく説明しませんが、私が所属している会社は決してゲーム業界大手ではなかったため、挑戦的な作品は作れないのが実情でした。

すでに人気になっているものの後追い、といっても過言ではありません。

売上を考えるとその戦略は決して責められないですし、会社が売れるものを作るのは当たり前です。

「会社とはそういうものだ」と自分に言い聞かせながら、淡々と仕事をこなす日々。

しかし、クリエイターとして何か画期的なものを作りたいという衝動が日に日に大きくなっていました。

そして、私は大きな決断をすることにしたのです。

1-6.3年目での引退

大学に通いながらライターとして活動し、大学4年生になりました。

ちょうど就活の時期とぶつかったため、このままゲーム業界に残るか、他の業界に移るかの選択を迫られます。

当時の私は、仕事として執筆をするのが嫌になっていたこともあり、決断までに時間はかかりませんでした。

ゲーム業界に入って3年目、早々に引退を決めたのです。

これからは普通の仕事をしながら、趣味として創作活動する。

そのほうがよほど幸せになれると思ったわけですね。

そうして、就活を進めて某商社から内定をもらい大学を卒業しました。

2.現在

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一般企業に入社後、創作活動はどうなったのかという話になります。

結論から言うと、日々の仕事に忙殺されてしまい創作とは縁遠い生活をすることになりました

ヘロヘロになって帰ってきたらもう創作意欲などわかず、死んだように眠る日々です。

「これで本当に良かったのか」という後悔がないわけではありません。

ただ、あのままシナリオライターとして仕事をしていても上手くはいっていなかったでしょう。

しかし、最近ではまた違うことを考えるようになりました。

・自分がこれまでに教わってきたシナリオライティング技術を、このまま腐らせてしまうのはもったいない

創作活動をする余力はなくとも、誰かに技術を教えることなら出来るかもしれないと思ったわけですね。

そして、現在に至ります。

こうして、ゲームシナリオに興味のある方に向けて記事を書いています。

私からあなたに教えられるものはそんなに多くはないのかもしれません。

しかし、少しでも伝えられることがあるのなら伝えたいと思います。

あなたがこれからクリエイターとして羽ばたいてくれるのであれば、それは私にとっても嬉しいことです

・シナリオに関すること
・業界に関すること

なんでも聞いてください。

また、声優との接点も多かったため声優志望の方にもアドバイスができることがあります。

・シナリオ/脚本の解釈の仕方
・キャラクターを演じるにあたって大事なこと

まずは、お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ先:Twitter または LINE公式アカウント

余談ですが、クリエイター向けマーケティング支援も行っています。

詳しくはWEBサイトにてご説明していますので、よければご確認ください。

それでは、長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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