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SAAI × micro FOOD&IDEA market

「最初に読むSAAI note」第7弾、今回はmicro FOOD&IDEA marketについてご紹介します。micro FOOD&IDEA marketを運営する、株式会社インターローカルパートナーズ代表取締役・山本桂司氏にインタビューを行いました。


①プロフィール

山本桂司氏
株式会社インターローカルパートナーズ
代表取締役
大学卒業後、愛媛県今治市のタオル美術館にて企画、展示キュレーターを担当。その後、山口県長門市の地域商社「ながと物産合同会社」の執行責任者C.O.O.に就任。地域食振興団体「焼鳥聖地化プロジェクト」発起や「長門湯本未来プロジェクト」参画。「地域の台所」をコンセプトとした交流型直売所「センザキッチン」のプロデュース。全国の地域プロデューサー出資による地域ビジネスプロデュース会社、株式会社インターローカルパートナーズを立ち上げる。

山本桂司


②「micro FOOD&IDEA market」の位置づけ

「Micro STARs Dev.」(以下MSD)における、「micro FOOD&IDEA market」(以下micro)は、SAAIで生まれた発想を形にして実験してみよう!という場所になっています。microは有楽町・仲通りに面するビジネスエリアにあり、一般に広く開かれた場所であるという点がポイント。SAAIで思いついた小さな発想を実際に形にし、ビジネスエリアの中心で市場の反応を見る絶好の場所。まだ世に知られていないマイクロなものが次々とここから広く社会に知れ渡っていくことを期待しています。

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③面白いことが生まれる環境

多種多様な者たちが集まり、見知らぬモノ同士の偶発的な交流を生み出したい。そこから新たに面白い企画やマイクロなスターが生まれること狙っています。そこから面白いことが生まれるためにはまずはたくさんの人が出入りするようになる必要があると思っていて、microはそれができる場所と思っています。どんな方でもご来店し飲食することができますからね。普段使いする人がたくさんいて、そこではいつも何かしら誰かが面白いことをやっていると認識してもらうことが最初かなと思います。そして、これを面白いと思える人がどんどん深く長く関わるようになっていく。そんな環境を意識しています。

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④ユーザー感情を意識する

microの外観は、横を通りかかると”ここは一体何屋さんなんだろう?”と思うようなデザインになっています。グレーの壁で覆われて一見お店の表情がよくわからない。けれど”ここ何屋なんだろう?”って思わせることは、microにとっては間違いなく一つの勲章となっている。あえてわかりやすいコンセプトを示さないことで、その人にとってここはなんなのか考えてもらうことは重要な仕掛けです。それぞれのユーザーが捉える”ここは〇〇だ”という瞬間的な認識と、それぞれの差異が面白いことを作り上げていく気がしています。そういう意味で、microのデザインはユーザーに対して”今までに見たのとはなんか違う””これってなんなんだろう”と思わせるのに成功していると思います。そういう”違和感”をユーザーはその場で体験していくことで埋めようとする。それを楽しめる人が残っていきます。逆に言えば、場のコンセプトが明確に規定されていないと居心地が悪いという人は飲食店として利用したとしても次第に離れていくでしょう。実際そうだと思いますし、結果的に、microの場のデザインがうまくスクリーニング機能を果たしていると言えます。

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⑤どんな風に使ってもらいたいか

マイクロなもの(小さなもの)に光を当てていきたいので、まだ世の中には価値が定まっていないモノやコトをここでローンチしたいという方にぜひ使っていただきたい。予算だけの観点ではなくて、ここでやる価値があると思うものはやっていきたいと考えています。企業の社会実験だとかモニタリングとかそういうのもありだと思います。
ただ、逆にどんなにお金を積まれても、ここじゃなくてもできるだろうということはやりたくないですね。たとえば既に有名になっているブランドの新作発表会みたいなものは他でやってほしい。何か新しいものといった、ここでやる価値のあることをやる積み重ねで、ユーザーにとってはmicroに来たら何か面白いことをやっていそう、誰か面白い人に巡り会えそうという期待になっていきます。何かに巡り会えそうという期待を持って、多様な感性の人たちが集まってきたらいいなと思うんですよね。

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⑥実際に生まれた出会い

この間も一人で飲んでいる女性がいて、やけに店内をしげしげと見ているなと思って声をかけてみました。そうしたら鎌倉で飲食店をやっている方で、どうも友人から噂を聞いて見に来ていたようなんですね。それで色々と話してみたら息が合って、一緒に何かやりたいですね!なんて話も生まれています。こういうランダムな出会いによって予期しなかった面白いことが生まれるのってすごくいいですよね。最近の世の中的には積極的に声をかけるのは難しいところもありますが、行き過ぎないようにしつつ、こういう予想外の出会いを作っていきたいですね。microではフロア責任者を「女将」という名称で呼んでいますが、単なる飲食店経営ではない、ご縁を紡ぐような役割が担えたらいいなと思っています。

⑦どんな場所にしたいか?

立地や価格といったイベント会場を決める要素はたくさんありますが、それとは別の軸として、イベント会場として使う人たちに「あのmicroでやらせてもらえるんですか!?」って思われる場所にしたいですね。「え?あのmicroで開催したの!?」とポジティブな意味で驚かれるような場所を作っていけたらいいなと思っています。つまり、microでやった実績=絶対面白いもの!という認知が確立したらいいなと思います。さらに言えば、ここで働いているアルバイトの人たちや女将まで含めてここに携わった人たちが「あのmicroにいらっしゃったんですか」と言われるくらい、魅力的な場所にしていきたい。
microが成功したかを測る指標の一つとして、特定の業界では議論の余地のないスターを生み出せたかというのはあると思います。一般的に広く有名になるということではなく、ある一部では誰もが知るカリスマみたいな、そういうことでいいんですけど、そんなマイクロスターを生み出していきたい。microからその道では知る人ぞ知るみたいなスターがたくさん生まれて、世に出て輝いていくことを期待しています。

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