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SAAIの会員紹介 ~”会社員 兼 CEO”

「SAAIの会員紹介」、今回は、副業ワーカー110人の組織である一般社団法人Work Design Lab(ワークデザインラボ)代表理事の石川 貴志氏にインタビューを行いました。

①プロフィール

石川 貴志 氏

一般社団法人Work Design Lab代表理事/複業家
リクルートエージェント(現リクルートキャリア)の事業開発部門のマネージャーを経て現在、都内の大手事業会社にて勤務。2012年より社会起業家に対して投資協働を行うSVP東京のパートナーとしても活動。2013年にWork Design Labを設立し「働き方をリデザインする」をテーマにした対話の場づくりや、企業横断の新規事業担当者コミュニティの運営、また地方の企業や行政と連携したプロジェクトを複数手掛ける。2017年に経済産業省「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」選出。2018年にAERA「生きづらさを仕事に変えた社会起業家54人」選出。2020年には経済同友会の政策提言にて「望ましい兼業・副業のあり方」の具体事例として唯一紹介される。総務省 地域力創造アドバイザーや (独)中小企業基盤整備機構が運営するTIP*S(ティップス)アンバサダー、順天堂大学 国際教養学部グローバル・ヘルスプロモーション・リサーチセンターの客員研究員なども務める。1978年生まれ、広島県出身。三児の父。

【一般社団法人Work Design Lab】https://work-redesign.com/

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②Work Design Labのミッション

Work Design Labのミッションは、「ひとりひとりの創造性を解放し、ワクワクする未来をつくる」。Work Design Labホームページのトップ画像に、我々の目指していることがよく表れていると思います。大きな川に架かる、細くて手すりも心許ないような橋を、子どもたち3人が並んで渡っている写真。一人では怖いようなちょっと危ない橋を、子どもたちが誘い合って一緒に行ってみる。興味と不安感が入り混じる感じや、危ない橋を一緒に渡るドキドキ・ワクワク感。

この感覚は、大人も一緒だと思います。経験のないことに対しては不安や怖さもありますが、行ってみたい好奇心がある。一人では怖いけれど誰か誘って一緒に行ってみたい。ワクワク・ドキドキするような興味があることに対して、もっと楽に足を踏み出せるようなサポートがあったらいいと思いました。

Work Design Labは、2013年に設立しました。きっかけとなったのは、僕自身が2011年に震災復興で東北にボランティアに行ったことです。それが会社の外での活動の始まりでした。会社の外に行ってみると、当然ですが、ボランティアは人の命令で来ている人はいない。やりたいことをやっています。自らの意思で、内から湧き上がる発動においてボランティアに来ているので、「何で来ているのか?」そんな個人の本質的な会話が自然にありました。
しかし、ボランティア活動は、経済性が伴わないと持続可能性が下がってしまう。価値ある活動だからこそ、経済性と社会性が融合していったらいいという発想からWork Design Labの設立に至りました。

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③副業ワーカー110人の組織

Work Design Labは、首都圏人材と地方をつないで、全国各地でプロジェクトを作って活動しており、現在、全国47都道府県中、25の都道府県において、60~70件のプロジェクトが動いています。それぞれチームになってプロジェクトで活動しています。

特徴的なのは、メンバー全員が副業ワーカーで構成されている110人の組織であるということ。その内75名が、本業は会社員。そして35人が経営者、士業、フリーランス等。110人にもグラデーションがあり、本業の事情で半年間休むことも普通にあります。好きなことに適宜自然体で無理ない範囲でやる。

株式会社でもなく、コミュニティとの間の、”コミュニティ型組織”を目指しています。そこで一番大切なのは強要しないということ。強要しないということはつまり期待しないということ。期待しないと言うと冷たい感触があるかもしれませんが、期待しないって実はとてもフラットなことだと思うんです。
副業人材でたまに瞬間的に爆発的な力を発揮するけど、あくまで副業ワーカーであるがゆえに、常に力を出すわけではない。休む時もあります。その期待値をずらしてしまうと苦しい組織になる。副業ワーカーの人たちが気持ちよく働ける空間を作るために必要なことを考えています。


④”会社員で経営者”という肩書

始めは任意団体から始まりましたが、呼ばれるように法人設立に至った感覚です。時代が副業を推進してきたので、時代の波が後から大きく動いた感じです。

単純に、やりたいことがあるんだったら、やったほうがいいよね、と思っていて、そのやりたいことが会社を使ってできないのであれば外でやればいい。Work Design Labはそのための仕組みです。
もともと、会社員という働き方が変わっていくことに関心がありました。日本では、被雇用者が87パーセントいます。その人たちがやりたいことができるとなれば、社会の様相が変わる。そういう意味で、”会社員の再開発”に関心があるのです。個人と組織の関係性においてもう少し柔軟に変化させていくようなことをやりたいと思っています。

自分自身がそうなのですが、”会社員で経営者”みたいな肩書は面白いと思います。CEOだと特に誰かに説明する理由は必要なく、ひらめきで動ける、感覚値で不確定要素に飛び込めるという面白さ。動きやすいし、行ってみると新しいことが始まったりする。不確定要素に飛び込める時間やリソースを、87パーセントの会社員の人たちが装備していくと、色んなものが起き始めるという感覚があります。会社員兼CEOが増えていくとワクワクする未来が見えてくる。

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⑤未来に溢れてきた興味を対象にして

Work Design Labのビジョンは、「イキイキと働く大人であふれる社会、そんな大人を見て、子どもが未来に夢を描ける社会」。子どもは大人を見て社会を見ているので、パパ・ママが楽しそうにしているのが伝わると、この世は興味に溢れてるものだと、子どもに思ってもらえたらいいと思っています。

無理がないようにやることが大事だと思っています。無理に働き方をチェンジするのはやめた方がいい。究極は自然体で働くこと。自分の働き方をチェンジするときに、例えば次の大陸に移るときに真ん中に足場があると渡りやすい、そういう感じで、Work Design Labをみなさんの中で使ってもらっています。

リクルートで人材領域で働いていた中でよく見てきましたが、転職という活動を通じて自分自身の働き方をチェンジしようとすると、過去を理由にしか未来を選べない。例えば人事一本でキャリアを積んできていたら、営業で転職しようとしてもできないですよね。

子どもたちを見ると興味に溢れていますよね。何歳になっても過去を理由にじゃなく、未来に溢れてきた興味を対象にして自分の働き方をチェンジできればいい。だけど現状では職業体験はほぼ会社を通じてしか得られない社会環境です。そこで、うまくWork Design Labで、やったことのない職業経験の機会を作れたらいい。学びの機会であり、自分自身をチェンジするときの足場になるもの。色んなものを獲得するのにうまく使ってもらえるといいと思っています。

ある人がこの組織をうまく使えるということは、また同じタイプの人がきたら使いやすい組織だと思ってもらえるし、むしろ使いにくいと否定力をかけてもらえるとWork Design Lab自体が変化していく入口に立てる。多様な人がいて、一人新しい人が入ってくると、その人の個性が入るので組織の輪郭が変わります。輪郭は常に変化している。組織も個人も実験中です。


⑥SAAIで仕事をしていると

SAAIには色々な方がいらして、会社員で独立・起業を考えている方や、副業兼業されている方も多く、面白い場所だと思います。個人がこれから起業・法人化していくのは時代の流れだと思いますし、法人化していく個人にとっては、SAAIはとても使い勝手がいい場所だと思います。

SAAIで仕事をしていると、色んな人を紹介してくださって、昨日たまたま別のところで一緒した人とSAAIで会ったりと、つながり始めました。自分から積極的に入ってくことはしなかったのですが、それでも色んな人とつながり始めたところが僕にはとてもメリットあることで、色んなつながりがここから創られるといいなと思っています。

創造性には、内なる創造性と外の創造性があると考えています。順番としては、心が変わって行動が変わる。つまり、まず内なる創造性を発動することが、自分自身を変化・進化させるのにいいのではないか。
内から湧き上がる興味があることに対して、不確定要素に飛び込んでみる。ドキドキ・ワクワクする未来に誘い合って楽に踏み出して行けたらいいと思っています。

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