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育なび.netのはなし 1/3

知る人ぞ知る話ですが、私はいくつかシステムの企画・構築を手がけています。

その1番最初である「育なび.net」について、生まれた経緯など書き残しておこうと思います。

キッカケ

オープンガバメントの実現の第一歩であるオープンデータを推進したかった。
動機の大半はこれに尽きます。

いまだに辛口の評価をつけられている2009年の「開港博Y150」のヒルサイドエリアで展開された日本初の「市民創発プロジェクト」。
サポートスタッフとして参加した2年間で横浜の市民力の爆発を目の当たりにして、行政の役割ってなんだろうと考えていた時に出会ったオープンガバメントとオープンデータの概念。
そして東日本大震災。
失われていく生命がある一方で、日本中のエンジニアがテクノロジーを使って多くの生命を救おうと懸命にキーボードを叩いている光景を見て、行政は「伴走役」であるべきだと悟ったあの瞬間に全てが始まりました。

当時横浜市がやっていた庁内アントレプレナーシップ事業に応募することを決めて、無事採択→公募で集まったメンバーを加え、4人で検討を始めたのが7月のこと。
アントレプレナーシップ事業とは、職員からの提案をプロジェクト化して、採択されると週一回半日を業務時間内でプロジェクトのために使え、無事に事業化できた時には予算と人が付くという制度です。(今は休止中)
オープンデータをやりたいんだー!という想い先行で具体策がないダメダメな私の案を、メンバーやアドバイザーの人達が良い方向に汲み取ってくれて、それはなにかメリットを見える化した方がいいねということになり、テーマは何にするか?と考えた時に女性メンバー2人が子育て中だったことから「子育て」に決めて、オープンデータを使ってどんな事が実現できるかということを検討していきました。

市長プレゼン

そして生まれた「こそだて.net構想」を市長にプレゼンしたのが12月のこと。
4分という時間をどう最大限に活用するかを考えた結果、メンバーから出てきたのが「ペープサートでPVを作ろう!」という案。
ICTとか言ってるのにペープサートかよ!という点が確実にウケを狙えるということで、厚紙と割り箸で作ったペープサートを使って、このツールによってユーザーにどんな価値提供を行いたいかということを映像にしてプレゼン。
私達の深淵(?)な戦略が功を奏して、市長からは「これいいじゃない!」というお言葉をいただくことができました。👏🏼👏🏼👏🏼
本来はその年度内にプロジェクト化するかどうかが決まるのですが、このシステムはやり方次第では広告費などで自律運用が可能になるんじゃないかということで、アントレプレナーシップ事業初の年度をまたいだプロジェクト継続という結果をもらい、9月に向けて宿題部分の検討を開始しました。

実は・・・

プロジェクト継続になり嬉しい気持ちがある反面、延長が決まった瞬間に、私は「たぶんこのプロジェクトは事業化されないだろうな」と感じてました。(他のメンバーがどう思っていたかは聞きませんでしたが)
そう思う最大の理由として、以前のアントレプレナーシップは、事業化された後には人と予算がついて新規部署立ち上げが行われていたのですが、私たちの時は、採択された事業をどこか既存の部署に付加するスキームであったため、相手の部署にしてみたら単に仕事が増えるだけという構図だったこと&この予算も人も厳しい時代に人なんか着くわけないだろうなぁと諸々の情報から判断できたことなどがあります。

そうは言ってもやらなければそこで試合終了。
メンバー全員で、そのプロセス自体を楽しむつもりで、残りの期間精一杯の検討を行い、9月に再プレゼンに臨んだ結果、予想通りの採択なしとの判定をもらいました。

2/3へ続く