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共に創る

横浜市では、かれこれ10年以上「共創」という取り組みをしています。

元々は職員アントレプレナーシップ事業で提案された「広告事業」がコトの始まりですが、今でこそあちこちでやられている「Webサイトとかの空き領域を広告として売っちゃおうYO!」というのを日本で最初に始めた自治体として、当時は有り得ないほどの視察が殺到し、とうとう有料化したというのは今でも語り草になるほどです。

なんで広告事業が共創に繋がっているかというと「行政が保有する資産を提供することで、行政は対価を、企業などは効果的な広告を打てる」というWin-Winの関係性を明確にしたことに端を発しており、そのスキームを使えば他のことに適用できるんじゃね?ということで様々な「共創」の形が生み出されることとなりました。

私はリアルタイムでそうした経緯を見聞きしていたので、なんとなくそういう取組みがあるんだなーと知ってはいましたが、決定的に「そういうことか!」というのを実感したのは、自分が2012年に職員アントレプレナーシップ事業で子育てポータルを職員提案すべく仲間達と検討をしていた時でした。

横浜市の公民連携提案窓口である共創フロントは、当時かなり実績を上げている状況でしたが、企業→横浜市への提案だけではなく、横浜市が民間の力を借りたいテーマを提示して提案を受け付けるという「テーマ型共創フロント」を始めるというタイミングで、私たちのプロジェクトを募集第一号テーマとしてアップすることになったのです。(以下のPDFの1番下「横浜市子育て情報ポータルサイト構想への協力」を参照)

そこでプレゼンの内容を詰めていた時に、共創の神・K村さんから放たれた一言がこちら。

「で?キミたちは協力してくれる民間企業とかにどんな価値を提供してあげられんの?」

行政ではついぞ耳にしないであろう「民間企業にどんな価値を提供できんのよ?」というセリフ。
これにはガチで雷に打たれたような気持ちになったことを今でもよく覚えています。

少子高齢化の時代におカネというリソースはどんどん苦しくなることは目に見えている。
かと言って住民サービスを止める訳にはいかない。
だとしたら、お金以外に交換出来る「価値」を使っていくしかない。

「横浜市の名前を使えばどこも喜んで食いついてくるでしょ」なんて思ってる人はさっさとその意識を捨て去ることをオススメします。

結局、この子育てポータル提案募集の時は横浜市内にいる14歳以下の人口約19万人、ターゲットとなる保護者はその1.5倍として、そこに対して子どもの月年齢ごとにミルクやらオムツやらランドセルやらというターゲット広告を打てる環境が手に入るという価値を設定して、いくつかの企業がコンソーシアムを組んだ団体からスポンサー申込みがあったのですが、結局プロジェクト提案は通らなかったのでそこで終わりになってしまいました。

その後、育なび.net自体は横浜市金沢区役所の自主事業として産声を上げることとなるのですが、この時に学んだ「価値交換の本質的」は、私が色々な人と活動をする上でとても役に立っています。

どこの自治体でもそこにしかない価値は必ずあります。
お金が無いと嘆いたり、補助金の当てはないかと探す時間があれば、そういう「価値」を探す時間にあててみてはいかがでしょうか。

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