割って入ったナンバー2こそ実質ナンバー1説

何を言ってるのか自分でもわからないけど最後まで読めばわかる(ようにしなくてはいけない)。

私が長いこと愛してやまない歌手・スキマスイッチが、11年前、デビュー10周年直前に「楽曲人気投票」の企画を行った。それまでにリリースされた全曲の中からファンが1人5曲、1〜5位を決めて投票する。1位の曲に5ポイント、2位の曲に4ポイント…とそれぞれ票が入って、票を多く集めた上位の曲をリアレンジして収録したアルバムをリリースするというもの。12曲だった。

その12曲はランキングも公表された。

企画が発表された当時はライブツアーの最中だった。私が参加した公演で、係員からフライヤーが配られた。

「あなたはどの曲?奏?全力少年?

公式が具体的に曲名を言っちゃうんかい!と思ったけど、納得の2曲ではある。スキマスイッチをその2曲しか知らないという人も大勢いるだろうし、知名度だけでなく人気的にも必ず上位に入る曲だというのは予想がついていた。

人気投票の結果が出た。

1位 奏
2位 藍
3位 全力少年

『藍』は3rdアルバムにのみ収録されていた曲。シングルでもなければMVもない。
しかし私は、『藍』に投票はしなかったものの、元々好きではあったし、他のファンとあまり交流はしていなかったけど『藍』は人気なんだろうなと思っていた。
クオリティの高い恋愛バラード。

察した。これが"ガチ"ってやつだ…!

知名度を跳ね返してその2曲に割って入る『藍』の凄さを実感した。リアレンジアルバムは元曲の雰囲気をガラッと変えている曲もあったけど、『藍』は元曲に近い雰囲気と世界観だった。2位ということもあって大切にリアレンジしたというのをインタビューで読んだ。

結果発表直前の時期にファンサイトを見ていたら「人気投票の結果予想」というスレッドがあって、スレッド主が「1位と2位はきっと奏と全力少年なので、みなさん3位を予想しましょう!」と書いていた。他の人の書き込みは覚えていないけど、あの中に「3位 全力少年」という予想を書き込んだ人はいたのだろうか…。

『藍』がファン人気の強い曲ということが証明され、10周年のベストアルバムにも、20周年のベストアルバムにはまた別のリアレンジバージョンが収録された。


嵐が「ミュージックステーション」に出演していた頃の話。

出演が100回を超え、視聴者が過去100回のうちもう一度見たいパフォーマンスに1人1票投票して、上位のパフォーマンスの映像を放送するという企画が行われた。

にわかの私でも、上位2つは予想がついた。

1つは初登場の回。上半身がスケスケの衣装でデビュー曲の『A・RA・SHI』を踊ったもの。一度は見たことのある人も多いのでは。

もう1つは99回目でのスペシャル回。デビューして10年以上経っている嵐が久々に初登場時のスケスケ衣装で登場。『A・RA・SHI』を踊って、再度着替えて人気曲などのメドレーを披露した。視聴者的に記憶にも新しいし、盛りだくさんな回なので絶対上位だろうと思った。

「嵐、これからランキング発表されますが、何が1位だと思う?」とタモリさん。
「そうですね〜。あれかあれだとは思うんですけど」メンバーもきっと同じ2つを予想していたのだろう。

ランキングは10位から発表されていった。
3位が初登場回だった。
ワイプにいるメンバーも少し驚いた様子だった。
後に発表された1位は99回目だった。

2位は『Lai-Lai-Lai』という曲が披露された回だった。私も知っている曲ではあったけど、驚いた。メンバーもへぇ〜これなんだという表情だった。私が驚いたのは2位ということにももちろんだけど、嵐の大ファンだった姉がその回に投票していたからだった。

投票する時に姉は「この曲はアルバムのライブでやっただけで、しかもそのライブが円盤化されていなくて、MVもないアルバム曲だからダンス見れるのめっちゃ貴重」的なことを言っていて、放送時に流れる視聴者の投票理由のコメントにも同じことが書いてあった。

やっぱりファンが求めるものってそういうことだ。『藍』も『Lai-Lai-Lai』も、メディアは「隠れた名曲」と評すのだろうけどファン的にはまったく隠れてない「名曲」なのだ。
そういうものこそ、人気だろうと予想されるものに割って入って2位という結果を得る。


そして話は変わり、今年も季節がやってきた。
そう、M-1GP。

M-1GPで投票といえば、敗者復活戦。
今年は視聴者投票ではないらしいけどそれは置いておく。
過去に私が"ガチ2位"と感じたのが、4組いた。

敗者復活戦が視聴者投票制になった初回、第11回。
1位 トレンディエンジェル
2位 とろサーモン
3位 ナイツ
トレンディエンジェルは優勝する前から人気は上昇していて、勢いそのまま決勝戦でも優勝。ナイツは決勝常連で敗者復活戦にいること自体が珍しくて、上位に入るのは予想できていた。

とろサーモンは、決勝戦未経験で、毎年準決勝で負け、敗者復活戦で負けて苦しんでいたコンビ。知名度は低くはないけど人気コンビというわけではなく、2位に食い込んだのは間違いなく実力でだ。翌年は再び敗者復活戦で4位に敗れるも、翌々年に決勝戦へストレート進出。決勝戦結果の三連単予想では全然上位に入ってなかったけど、上位に入っていたコンビを跳ね除けて、ラストイヤーでの優勝を果たした。

第12回。
1位 和牛
2位 ミキ
3位 メイプル超合金
和牛、メイプルは前年度のファイナリストでどちらも人気の高いコンビ。和牛は準決勝9位でギリギリ決勝進出できなかったことが公表されていたし、出番順もトリだった。
ミキは関西では実力派と言われていたけど全国区的には無名な中2位に食い込んだ。お互いにまくしたてるしゃべくり漫才は印象に残りやすく、自分も投票はしなかったけど納得だった。翌年の決勝進出、そして現在に至るまでのブレイクに繋がる。

そんなミキが第14回では敗者復活戦を制した。
1位 ミキ
2位 プラスマイナス
3位 インディアンス
ミキは言わずもがな、インディアンスはブレイク必至と言われていたコンビだった。
プラスマイナスはラストイヤー、決勝未経験で、敗者復活戦も久々で視聴者投票制下では初だった。2年前のミキと似ていて、全国区的にはあまり人気はなく、ここも声が大きめで印象に残りやすいネタだった。票数も公表されていたけど、歴代で最も僅差の1位と2位だった。ラストイヤーということもあって、決勝進出してほしかったなぁという気持ちが今でも私の中にある。


そして昨年の第18回。
敗者復活戦出場者の中に、決勝常連の2組、オズワルドとミキがいた。特にオズワルドは前年準優勝。
その2組のどっちかだろうな、たぶんオズワルドかな。始まる前はそんなふうに思っていた。

名前は知ってるし見たこともある、なんとなく面白い人達だったなくらいに思っていたコンビがいた。
そのコンビのドラえもんのネタは私にものすごく刺さり、迷わず投票した。


1位 オズワルド
2位 令和ロマン
3位 ミキ
そのコンビも惜しくも2位だった。敗者復活戦は初めてだったけど、会場をも爆笑の渦にしていた。ミキの勢いと知名度を上回ったけど、オズワルドの安定と実績に及ばずという結果だった。
これぞ"ガチ2位"…!

視聴者投票で比較的無名なコンビが上位に入ると、市民権を得るというか、全国の視聴者から強く応援されていく、という感覚になる。第12回のミキの時も同じく感じていた。

今年のM-1は、令和ロマンが来る!!
決勝に、という意味だけではなくいろんな意味で!!
そう思う根拠がもう一つある。

私は2019年の中頃、ルミネtheよしもとに漫才を見に行った。なんとなく見に行きたいなという理由だった。
トップバッターはインディアンスだった。前に敗者復活戦で見たことがあったけど、え!こんなに面白いんだ!と衝撃すらあった。生の劇場の空気、観客席との一体感がそう感じさせたのかもしれないけど、それを差し引いても十分面白いと感じた。
その年、インディアンスはM-1GP決勝戦に進出した。

そして今年も、私はルミネtheよしもとを訪れた。今回も特段理由はなく気まぐれで。
トップバッターが令和ロマンだった。前年の敗者復活戦での印象があったから私の中でハードルが上がっていたけど、それでもすごく面白かったのだ。(例によって劇場で見たことを考慮しても)

令和ロマンよ、ジンクスは揃った。
今年も準決勝まで残っている。ベスト30組だ。

ここまで、準決勝前の記述。


12月7日。準決勝。結果発表を配信で見た。

令和ロマンは決勝進出を決めた。おめでとう。
(配信を見ている最中の私はこんなに落ち着いてなかったです。キタ━(゚∀゚)━!みたいになってた)

ただこれまで、私が初の決勝進出を願って待っていて、決勝進出してくれて、その瞬間私がガッツポーズをしたコンビはというと…

第8回   ザ・パンチ 9位(最下位)
第13回 マヂカルラブリー 10位(最下位)
第15回 インディアンス 9位
第16回 東京ホテイソン 10位(最下位)
第17回 モグライダー 8位
第18回 カベポスター 8位
     ダイヤモンド 10位(最下位)

なんでやねん。

令和ロマンよ、ジンクスを破ってくれ!(どっちだよ)

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