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ははが がん になりました。~味覚障害って?〜

吐き気が落ち着いたころ
「コーヒーの味しないんだよね。まんじゅうが甘だるくて食べれなかったの。何これ?」とLINEがきた。

味覚障害が始まったようだ。

味覚障害とは?
甘味、酸味、塩味、苦味、旨味などの味覚(味の感じ方)が変化することです。
症状には、味覚が低下するまたは濃く感じる、異なって感じるなどがあります。
また口の中に何もないのに塩味や苦味を感じることや、何を食べても不味く感じてしまう場合もあります。
がん治療での抗がん剤による影響や放射線照射(特に頭頸部がん)によって生じやすく、食事の楽しみの低下に繋がります。

出典:国立がん研究センター東病院

食事を、食べるのも作るのも好きな母。
(調理師免許あり)
料理の味付けは、自分の舌が頼りだったので死活問題…
やっと吐き気が落ち着いて美味しいものを沢山食べよう!と意気込んでいた矢先だった。


味覚障害の原因は様々あると言われている。

味覚障害の要因と症状
1.味蕾(みらい)細胞の障害
 味を感じる味蕾細胞が生まれ変わりにくい
2.神経障害
 脳に信号が上手に伝わらない
3.口腔内の荒れ・炎症
 口腔内の味蕾の働きが低下、食事摂取量の低下を招く
4.口腔内乾燥
 粘膜が荒れやすく、味物質を運びにくい
5.亜鉛吸収阻害の薬剤による亜鉛の欠乏
 味蕾細胞が生まれ変わりにくくなる、慢性的な食欲不振
6.心理的な緊張・不安

出典:国立がん研究センター東病院

こんなに沢山原因がある…!
そして、原因は1つではないことが多い。

母の場合、口内炎や粘膜の炎症はなかったので、味蕾細胞の障害や、亜鉛不足が原因として考えられた。
でも、実際、亜鉛が不足しているのかどうかは、採血をすることで知ることができるが、外注検査(うちの病院だけかもしれないが…)で行うため、結果が分かるまで数日かかることもある。
結局、細胞の障害であれば、細胞が回復するまでは症状がすっかり改善することが難しい…。

なので、自宅でできる食事の工夫について伝えることにした。

抗がん剤・放射線治療と食事のくふう (がんよろず相談Q&Aシリーズ) | 山口 建 |本 | 通販 | Amazon

この本は、味覚障害だけでなく、抗がん剤や放射線治療を受けている方の、吐き気・下痢・食欲不振などの症状の原因や対策、そして食べやすい食事のレシピについて細かく記載されている。
レシピは複雑なものではなく、手軽に作れるものが多いので、普段料理をあまりしない家族でも、作れそうなものがある!

この本のメニューなら、継父も作れるものがあるかな~と思い、Amazonで購入して早速発送した。


母の味覚障害は、点滴治療後1週間ほどで回復した。
途中、「砂を噛むような感じ」という症状も味わったが、それも徐々に回復。
いつも通り”おいしい”と感じる食事が摂れるようになったことに感動していた。

継父は、あの本の中から茶わん蒸しをセレクトして作ってくれたそう。
料理が苦手は継父も、試行錯誤して母のために食事を作ってくれた。
ぶっきらぼうな継父だが、母のことをしっかり支えてくれている…
とてもありがたい。


あと1週間で2クール目の治療。
母は、体調が回復するとともに、2クール目の治療を控え、憂鬱な思いを抱いていた。





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