からっぽ
人生そのものや、生きるということに意味はない。正解もない。規則もなければ、目標もない。
命が枯れたら無になるとしても。
命が枯れたら違う世界に行くとしても。
いまここを重ね続けることは、虚ろにしかなり得ない。
それに気付いたのが、5年前くらい。
怖くて、逃げたくて、目を逸らす術を探した。虚ろを忘れる術。
必死になろうとした。熱中しようとした。我を忘れようとした。
その盲目さは、些末な刺激でひびが入る。「それは違うんじゃない?」のひとことですら。
目を瞑って走り抜けようとしているのに、足が止まってしまうから。目を開けてしまうと、気付かざるを得ないから。
怖くて、逃げたくて。分厚い鎧を着る。吠える。
いまここを重ね続けることは、虚ろにしかなり得ない。
その虚ろさから目を背けるのではなく、正面からじっと見つめ、「だけど…」を付け加えられる日は来るのだろうか。
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