人が嫌いになった。起業をして大好きだったパートナーも嫌いになった。そして自分も。
私は大学を卒業すると同時に、友人(以下パートナー)と滋賀県長浜市に移住して教育系の会社を起業しました。
学生時代から考えていた事業は全くうまくいかず、移住初月から家賃が払えないほど追い込まれました。
怒った。
明日が来るのが怖くてものや人に当たりました。
朝6時に起きて早朝4時に寝る生活。
ほとんど寝ていなかったことも相まって、せっかく一緒に移住までしてくれたパートナーに怒りをぶつけてしまっていました。
とまあこんな感じです。
同じ会社のパートナーとしては最悪でしょ?
怒っている自分に嫌気が差して「アンガーマネジメント」の本を読み漁ったり、病院に行った方がいいかなと、病院を探したりしました。
でもね、一番の要因は「他責」だったんです。
もしも今、どうしようもなくイライラしたり、心に余裕がなくて、でもそんな自分に嫌気が差してしまう…そんな方にこの記事が届けば。その方の心の救いになればと思い、私は全てを書きます。
情けない。自分が嫌になるほどに。
私は起業をしたり、移住をしたりするために両親から多額の借金をしています。
幸いにも(?)両親がお金を貸してくださっているから、両親以外からは借金をせずに済んでいます。
本当は情けなくてしょうがないんです。
2つ上の兄は社会人1年目から、私が両親にしている借金と同額を貯金しました。
たまに実家へ帰ると、兄は高級なお肉をお土産に買ってきてくれます。
私は…何もお土産を買っていけない。むしろ親のスネをかじりにかじって生活をしています。
情けないんです。もう。本当に。心から。
妹や弟は「お姉ちゃんお仕事頑張っているね。かっこいいね。」って言ってくれます。でも、お姉ちゃん、かっこよくないんだ。情けない。
社会人になったら両親に仕送りしたいな。
社会人になったら誕生日や父の日、母の日には豪華なプレゼントを買ってあげたいな。
社会人になって最初のお給料で、家族全員を美味しいご飯に連れて行ってあげたいな。
小学生からの夢は儚く散っています。
小学生の時の私。ごめん。
起業しているから。なんてのは言い訳で、実際は能力がないだけなんです。
私にうまく資金繰りをする能力があれば両親に借金をすることはなかった。
小学生の時の夢を叶えることができた。
会社のパートナーともっとクリエイティブに振り切った挑戦をすることができた。
そう思えば思うほど、胃がキリキリして、吐きそうで、涙が止まらなくなります。
でもね。いくら胃をキリキリさせて、吐いて、涙を流したところで、自分達の「教育で起業をする」という選択を正解にしてくれる人は周りにいなくて。
最後は自分達自身で、「起業してよかった!」って思える正解に持っていかなくてはいけないわけです。
とりあえずやる。手を動かす。
若いうちは「量より質」!
とりあえずやれ!
これを信じて突き進んできました。
睡眠、食事、プライベート、全てを削ってしゃかりきに働きました。
移住してから10kg痩せました。
移住してすぐの時は、動画編集をしながら学童でアルバイト。
夕方は学童でアルバイトをさせていただいていたので、早朝〜夕方、夜〜早朝までは動画編集をしました。
ココナラや、大学時代のクライアントさんからお仕事をいただき、元動画2時間の動画をフルテロップ、効果音とBGMも全部に入れてくれ!アニメーションもちょっとつけて…
これ、明日までで!
こういうお仕事は単価が超いいので、会社のパートナーにも編集ソフトの使い方を覚えてもらって、
パートナー→カット編集 私→睡眠
私→残りの編集 パートナー→睡眠
セルフ夜勤交代制を作り毎日毎日この繰り返し。
お金はないから、付き合ってもいない男女2人が同じ屋根の下で生活をして(シェアハウス)。
なれないお互いの生活スタイルにイライラもしました。
そんなイライラもしている暇なく学童のアルバイトへ!
帰ったら動画の編集!!
ここまでしてやっと追加借金なしで暮らすことができました。
でもね。これでよかったっけ。って。
動画編集とアルバイトがしたくて、長浜に移住したんだっけ。って。
このまま手を動かし続けるのはやめよう。
教育で起業するんだろ!!!!
自分達に言い聞かせて方向転換。
まずは自分達が得意なことは何か。できることは何かを知ってもらわなきゃ!
いわゆる実績ってやつですね。
と思って初めにチャレンジしたのは「SDGsのお教室」でした。
(今もステップラボのインスタグラムにSDGsの文字が入っているのは、これの名残です。)
SDGsを通して自分が生きる街について考えるプロジェクト型のお教室が作りたいと思ったんです。
よし!これで収益を立てていくぞ〜!
学童のアルバイトを継続させていただきながら、動画編集のお仕事を減らし、追加借金をしながら自分達でチラシをデザインして3,000枚印刷しました。
その3,000枚のチラシは長浜中のお家にポスティング。
公園で遊んでいる保護者様に怪しまれながらも、チラシを持ってご説明をして、教室について聞いてもらって…
そんなこんなで望んだ無料保護者説明会。
3,000枚配った。感触の良い保護者様もいた。
さぁ、全5回ある無料の説明会。参加者は何名だったでしょう…?
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0名。
0名ですよ。
3、4ヶ月走って、全力疾走して、0名。
これで食べていこうと思っていたのに。不発弾で終わりました。
やばい。
原因追求できないまま、お互い他責でぶつかり合いの日々が続きました。
他責
なんて言い合いの日々。
そりゃそうですよね。
お互い起業なんて初めてで、お互い教室を立ち上げるのが初めてで、2人しかいなかったらお互いに当たるしかないもんね。
きっとね、誰のせいでもないんですよ。
集客なんてもんはどんな企業も悩むことで、いつになっても悩み続けるものなんですよ。
良いものだから集客がたくさんできるわけでもなくね、見せ方も大事だし、運も大事だし、人脈も大事なんですよ。
(まあ、SDGsのお教室は今やってもコンセプト的に集客大変そうですが…)
「これもいいチャレンジだった!さあ次々!今回のフォードバックを生かしてやっていこう!」
そう2人で前を向けたら良いんですけどね。
お互い命をかけてしている起業というチャレンジで、そう前をむける訳もなく。
まあ醜い言い争いをよくしました。
たくさんパートナーに当たってしまいました。
謝っても謝りきれないほど、酷いことも言ったと思います。
それでも、今も一緒に会社を切り盛りしてくれているパートナーには感謝しかありません。
ありがとう。
学生時代のご縁でお仕事を…初めての委託事業
そんなこんなで大滑り教室を立ち上げ撃沈した私たちですが、運がいい。
有難いことに、学生時代お世話になっていた団体から委託事業を頂戴したのです。
小学生へ向けたイベントを企画して、去年の夏休みは月曜日から金曜日まで車で2時間かけて毎朝「守山」まで通いました。
運転中眠いからコンビニで買った水を手に出して、顔にかけて目を覚まし、パートナーと企画の方向性で揉めて車を降りて田んぼ道を彷徨ったり…
帰り道に虹が出て涙が出るほど感動したり…
本当に色々なことがありました。
でもしっかりお仕事としてやらしていただけたので、お金もいただけました。
起業して初めて、自分達の会社としてお仕事ができました。
嬉しかった。このまま続けたいと思ったこともありました。
長浜に移住した。
これがよぎるんです。
長浜コミット宣言「ステップラボ誕生」
私は、委託事業をいただいて有難い反面、とっても悔しかったんです。
せっかく起業したのに、長浜に移住したのに、自分達は何もできていないと。
SDGsのお教室を突き詰めると、たくさんの体験の中から自分で考えるきっかけを作りたかったなと…
じゃあ、たくさんの体験の中から自分で考えることのできるお教室に変換すれば需要が生まれるかも?必要としていただけるかも?
会社のパートナーに説明したがあまり乗り気ではなかったので、悔しいしやけになっていた私は独断で、体験型のお教室を作りました。
それが今のステップラボです。
イベントぽく打ち出していたので、市場を見て最初は安いワークショップとして¥1,000で集客を開始!
集客方法はSDGsのお教室と全く一緒です。
ポスティング。
さぁ、今回は無料の説明会ではなく¥1,000のワークショップだぞ。
この前よりハードル上がってるが、きてくれるか…?
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5名!!!!!
初めてのステップラボは5名参加してくれました!!
7名、8名と続き、予想以上の大盛況。
会員制度をつけて、会員様は基本的に1ヶ月にたくさんの体験に参加してもらう仕組みを作ろう。そんな話から…
委託事業はやめて、ステップラボに力を入れて、長浜にコミットしていこう。
パートナーと同じ方向を向いて長浜コミット宣言をしました。
またまた他責。
会員数も有難いことに増え、ステップラボで食べていくことは難しいが、なんとかお金をいただきながら事業をすることができていました。
でもね。食べていくことは難しい訳です。
団体を会社にするにはお金が必要なんです。
弊社は合同会社なので、社員になろうと思うとお金を払わないといけません。(出資金)株式会社でいうところの株主が社員みたいなものです。
それに加えて、私たちは生きているだけで膨大なお金がかかるんです。
会社じゃなかったあの頃は国民保険。
年金も払って、ケータイ代も払って、光熱費も、家賃も…
生きているだけで軽く20万円は消えます。
生きているだけで。
委託事業でいただいたお金はすぐに生活費へ溶けました。
始まったばかりのステップラボだけで食べていける訳もなく、またまた他責の日々。
悪夢再来です。
心の余裕がないとぜーんぶ嫌になるんです。
ちょっとしたことで声を荒げてしまうほど、ぜーんぶ嫌なんです。
ずっとひどい時の生理前みたいな…苦笑
ものにあたってベッドに穴が空いたことも多々。
今も私が持ってきたベッドは穴だらけです。
これまでどんなにイライラしてもモノに当たることはなかったな。
そう、ふと思ったんです。
何かきっかけがあったわけでもなく。夜中仕事をしていて、隣にあるベッドの穴が目に入って、ふとそんなことを思ったんです。
移住してからどんどん自分を嫌いになっていて。
どんどん自分を嫌いになっていく自分も嫌で。
これでよかったのかな。普通に就職していたら今頃どうなっていたんだろう。
そう考える日が続きました。
子供たちの挑戦する姿
ステップラボでは子供たちがこれまでの自分にできなかったことへ、たくさんチャレンジをしています。
時には涙を流しながら。
時には分かち合えない友達と対話をしながら。
時には喧嘩もしながら。
それでもチームになって毎回試練を乗り越えています。
今では「〇〇くん最近よく喋るねぇ」というと「ステップラボのおかげでたくさん喋れるようになったんだよ!僕きっと喋るのうまいねん」なんて自信満々な姿も…笑
そんな日々日々挑戦して、成長し続ける子供たちを身近で見させてもらって、ハッとしたんです。
私が他責にしてイライラしている子供たちを見ていたら、「それ大丈夫?本当にその子のせいかな?」って声かけるなって。
自分は夢中だから気が付かなかったけど、めちゃくちゃ他責じゃんって。
こんなんじゃ子供たちに見せる顔ないぞ!さな先生!
と心の中の私が言ってきたんです。
私は、思い通りにならないことを他責にしまくって、パートナーのせいにして逃げまくっていたのだなと。
自分自身の非は何も認めず、他責にしまくっていたなと気がつきました。
私も日々日々子供たちから学ばせてもらっています。
もう他責はやめる。自分ができることをやる。
そう思ってからは心が超軽くなりました。
やっぱりね。他人と人生をかけてチャレンジしているわけですから、イライラすることもあるし、許せないこともあるんですよ。それは今でも。
でもね。自分の非を探すようにしてからイライラがすっとひくんです。
長くても次の日のはケロッとしています。
もちろん。今もお金はありません!!!!
それが情けないと思っていることも変わりません。
でも、チャレンジを楽しむことができています。
チャレンジしたくてたまりません。
毎日頭は痛いし、胃はキリキリするし、会社のパートナーにイラッとすることも、許せないこともあるけど。
でも、どんなにイラッとしても私は彼なしでこの会社をやっていくことはできないし、彼がいるからここまでやってこれました。
もう彼はうんざりしているかもしれないけど。
でも私はパートナーとして、彼が大好きです。
彼のことでどうしようもなく悩む日もあるけど。
でも、彼がいるから頑張れているなと思います。
そう思えるようになると、私は私を好きになることができました。
私自身、思想が強くて、気が強くて、どうしようもなくわがままで傲慢だけど、でもええところあるよな。と自分を許せるようになりました。
今はすっごく楽しいです。
去年の私に早くこの記事を読んでもらって、早く気づいてもらいたいです。
こんなにも挑戦って楽しいんだぞって。
最後まで読んでくださった皆様も、自分が好きな自分でいてもらいたい。
そう思ったので、私は全て嘘なしで起業伝を書きました笑
くっちゃくちゃな文章でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。
これからも情けなくも、熱く、泥臭い挑戦を続けるつもりです。
今後ともよろしくお願いいたします。
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