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30代で、一人暮らしを始めた話


実家で暮らし続けた話

私はずっと実家で暮らしていました。
学校も高校までは近場。大学は、片道約1時間半かけて通学していました。
職場も実家から近かったので、そのまま実家で暮らしていました。

"独り立ちすべき年齢"で実家に住まうことに賛否はありますが、家族も了承し、家族仲が良いなら別に良いと考えています。
ただ、一方におんぶに抱っこには賛成できない派なので(健康上などの理由を除き)そうなると話は変わりますが、お互いを助け合える関係であれば、良い事なんじゃないかなと思います。

家族仲の話

我が家は4人暮らし。
亡くなっていますが、以前は祖父母とも暮らし、幼少期には曽祖父母も一緒に暮らしていました。
代々一緒に暮らしていたからでしょうか。
出て行こうと思う事はなく、一人暮らしは寂しいだろうし、自信もありませんでした。また、母は心配性な上に一人暮らしをした事がなかった為、出ていくよう勧められることもありませんでした。

普段、私は母としか会話しません。
父とは挨拶するくらい。父は基本、母としか会話しません。
兄と私の仲は最悪。
我が家の仲は、良いとは言えません。

出て行こうと思った話

30代になり、出て行こうと決めた理由です。

①兄がいる

我が家は家業があり、私以外全員家で働いています。
兄は外で働いていましたが、家で働くようになりました。
きっと継ぐのでしょう。
兄もずっと実家暮らしですが、私と生活リズムが違った為さほど顔を合わせず生活できていたので、何とか暮らせていました。
しかし、今はいつでも兄がいる。それが大きい出来事でした。

気が短く威圧的、攻撃的。
自分が気に入らないとキレる。不機嫌を態度に大放出。
私が居るだけで舌打ちされたり、クソと言われたり、聞こえるように私に向けた溜息をつく。
小さい頃から、暴言言われたり乱暴な態度を受けていたので、言葉にされなくても、自分の存在を否定されている、そんな気持ちになるのです。

兄に怯え、恐怖で心拍数が上がる事もよくありました。
直接怒られる事は減りましたが、不機嫌です!と大きな音を立て、私宛の悪口を聞こえるように言い、収まらない時は母に怒るという感じでした。
昔からそんな人だったけど、同じ家にいる事が増えたのがとてもストレスで、どうしようもなくイライラする事が増えました。

ウザい、嫌い、居なくなれ。
そんなメッセージが態度でストレートに伝わってくる日常。

こんなにも、お互いにストレスな存在です。
私が出ていけば解決するというか、もはやそれしか選択肢はない。
私は家業に関わらない部外者。
この気持ちが確信にかわり、家を出ようと決断しました。

②1ミリも家事をしないなんて

父と兄は、家事など身の回りのことを一切しません。
母も一緒にフルタイムで働いています。
それなのに、食事を作る、買い物、片付け、ゴミ出し、掃除、洗濯、洗濯物をしまう、家の管理…。
何から何まで、母がやっています。

全て母にやらせる姿を見るのが耐えられなくなりました。
何でもやってあげてしまう事も良くないとは言え、なんか思うことは無いのか。不思議です。
母が骨折した時でさえ何も手伝わないのは絶句でした。

私が出ていくことで、完全に母一人負担になってしまうけど、その様子を見て、気づいて行動してくれればいいなと願っています…。

③将来を考えて

私は結婚していません。
いずれ親とは死別します。これは避けられない現実。
まだ少し先かもしれないけれど、突然来るかもしれない。
実家に居たら兄と二人…命の危機を感じます。
その時は流石に家を出ますが、そうなってからでは遅いのです。
一人暮らしの経験がなくては、物件の探し方、自分一人の生活費の把握、何にどうお金がかかるか、一人で暮らすとはどんなものか。
何もわからない状態では、心配性で行動が遅い私がすぐに出ていけるとは思えません。
独りになる将来を考え、出ていくなら今だと思いました。

そして冒頭に挙げた「家族の了承・仲が良い」という条件に、私は当てはまらないのです。
「家族なんだから」と思う派の母に気を遣い、嫌いなんて理由で出ちゃいけないと思っていましたが、そもそも巣立てる人間が、不満に思いながら実家に住むなんて。
「イヤなら出ていけ」とはこの事。
私は、住まわせてもらっていたのですから。

私が私を守る

手伝うのは私だけなのに、出て行ったら母の負担はどうなるのだ。
母の愚痴相手がいなくなってしまう。
そう思っていましたが、きっと出ていくのがイヤであれこれ言い訳をしていたんです。
私が実家で暮らすことは、誰の為にもならない。
この環境にいると、私なんか生まれてこなければよかった。
そう気持ちが流れてしまうのです。

私はとても気持ちが沈みやすいです。
病院に行こうか悩んだこともありました。
でも結局動けるし、大丈夫なんだろう。そう思って過ごしています。
兄は「働かざる者食うべからず」というタイプなので、万が一私の心が崩れた時、仕事を辞めて自宅で療養…という選択ができないのです。
やるのは私の自由でも、あの脅迫態度に耐えられる自信はありません。

あれこれ家族の愚痴を書きましたが、私も良くないところはたくさんあります。追い出されなかったのは家族の優しさ。
兄から逃げて避ける態度が、逆撫でしていたのもわかっています。

母は、私がこんなにも兄に怯えてるとは思っていないし、どうして嫌いなのかよく分からないようです。
「仲良くしようとする気があるのか」聞かれたことがありましたが、これは私だけでどうこうできる問題じゃないと思うのです。
長年ヘイト感情をぶつけられ、今や完全体となった恐怖心や嫌悪感は、簡単に拭えるものではありません。
家族の仲が良いのは理想的ですが、家族なんだからと無理して仲良くするものでもないし、1人の努力でできるものではないのです。

もう私は私のことしか考えていません。
母に全部押し付けたような気持ちになりますが、私は私を守るために、家を出ました。

30代、働いている、実家を出る。
世間的に考えても「当たり前」のこと。
当たり前のはずなのに、「面倒なことから逃れて一人で自由を手にする」と思われていそうな気がしてしまいます。
まあ、そんなこと言ったって。という話です。

これから

私は、イヤだと思う環境でも我慢しがちな傾向があります。
逃げれば良いのに、環境を変えれば良いのに、動くのも怖い。
自分の気持ちに正直に生きる、というのをしてきませんでした。
私を守れるのは私だけ。
きっとこれから、私は私を許せるようになってゆける。
自分の声に耳を傾けられるはず。
そんな一歩だと思っています。

長く住まわせてくれてありがとう。
仲良くできないのに、いつまでも居てすみませんでした。
今までお世話になりました。


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