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『大学教授こそこそ日記』オススメです。

話題の(?)『大学教授こそこそ日記』を読みました。

面白い!!!!そうそう!!とうなずきながら、笑いながら、一気に読みました。
大学教員の仕事について知るためにも、面白い読み物としてもお勧めします。

これまで、大学教員の仕事を知るという意味では、

をお勧めしてきました。
前者は、体系的に、少し真面目に大学教員の仕事を理解できる本。
後者は、特に学生指導や学生募集について書かれた本で、ユーモアもあるので、とても面白い。
あとは、工学部ヒラノ先生シリーズも大好きですが、少し古典的になってきているかもしれません。

そのような中で、近年出版され、Amazonレビューでも好評なのが、多井学『大学教授こそこそ日記』です。


面白い!本を読みながら声を出して笑ったのは久しぶりで、家族に不審がられました(笑)

筆者のキャリアアップの軌跡という性格もあり、
S短大→T国立大→そして、関西の有力大であるKG大、それぞれの現場のリアルを伝えています。

私が特に面白いと感じたのが、初任校のS短大についての様子です。

・安すぎる給料:あるある!私もさすがに小学校教員よりいいでしょ。との思いが打ち砕かれたあの頃を思い出します。私の旧所属も給与額が書かれた任命書(賞状のような)を年度はじめに理事長から受け取るのですが、初めに受け取った時の冷や汗。隣の先生の任命書を内緒で覗き込んだこと。2年目にもあまり昇給していなかった絶望。そして著者同様、新任の先生が受け取った時にどのような表情をみせるのかに注目していた過去があります。

・「悲惨な授業」:あるある!大学って、これでいいんだっけ? を思い出します。

・「営業活動」:(学生募集の広報):あるある。「進学校」で煙たがられるあの感じ。特に手当はつかないあの感じ。(私の場合は、著者と違ってさすがに交通費はでましたが、逆に昼食手当のようなものはありませんでした。)

・教職員旅行:旅行は経験したことがないのですが、飲み会が頻繁にあった、あのころ、あの大学。楽しかったのですが、それで結束を強めて、安い給料で納得させていた面、あると思います。思い出します。

・教員主導の学園祭:学生に任せとくと、なにも進まないですからねぇ。思い出します。

と、現任校というよりは、旧所属の大学や専門学校での私の思い出とつながります……。

「最高裁にもちこまれても」大丈夫なように成績を提出しているとか、入試の苦労 などは、現任校、しかも最近の気持ちともつながりました。

さて、著者のS短大勤務のころと同等かそれ以下の、大学(もちろん短大・専門学校も)が現代には多くあると思います。大学教員になることを考えている皆様は多くは、少し(~結構)前の、ある程度名のある大学の 出身だと思うので、この本を読んで、様々な高等教育の現場を、知っていただくと、職業選択のミスマッチが防げるのではないかと思います。

また、著者のように、はじめは厳しい条件の大学(短大)であっても、その中で研究をはじめとした業績をつめば、次の大学へとつながるキャリアが期待できると思えます。(私も同様の経験をしています)
前にも書いたと思うのですが、私は大学教員になりたいならば、初任校はどんな大学でも行くべきだと思っています。その中で実績を積んで、嫌ならば移籍すればよいのです。

もちろん、「厳しい条件の」高等教育機関で一生懸命、学生教育にあたられている先生がいらっしゃることもわかっていますし、それもやりがいのあることだと思います。私もあの頃、あの大学、楽しかったな(特に学生や同僚とのかかわりが)と思う時もあります。

さて多井学はペンネームとのこと。しかし、Amazonレビューでも指摘されている通り、手掛かりが多すぎて、私もちょっと検索すれば著者が誰だかは分かりました。(知り合いではないです)

わたくし、とある大学教員 も、すごい検索力があればわかるかもしれません。あと、一緒に働いたことがある人とかは。

いやいや、多井学先生より、かなり実績が少ないので相当難易度高めとは思いますが(笑)分かってもここでは言わないでくださいね(笑)

是非、面白いので『大学教員こそこそ日記』、お読みください。

本noteのメインコンテンツ「学校教員から大学教員になった私の方法」もよろしければお読みください。



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