『黒い羊のいる世界』第13回
第四章 生き急いでいるね。と、言われることがままある。僕自身、早まった行動が多いことは自覚している。
最近では入学する高校を間違えた。できるだけ家から近いところがいいと言ったらとんでもない進学校で、母親に騙されたりおだてられたりしながら必死で勉強する羽目になって、記念のつもりで受けたら合格してしまった。
――頭のいい学校は放任主義が多いの。意外と校則もゆるいのよ。
母の言葉を信じて青春を謳歌するつもりだったのに、僕は入学してから何度も職員室に呼び出されている。
「外見と