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ゼネラル系行政書士の初回面談から業務完了までの全て。

前回のnote、『ゼネラル系行政書士の、最初の相談電話の受け方と面談までに行なう事』にて面談までの流れを書きましたので、今回は完結編として初回面談から業務完了までの流れについて書いていきたいと思います。

新人さんからよくご質問をいただく、「実際に問合せがきちゃったらどうしよう?」についての私の思う答えがこの2つのnoteに集約されています。
これらを読んでもまだ初回面談に対する疑問や不安に思うことがあるよ!という方は、今後のnoteにて回答していきたいと思いますのでご連絡ください。

1、待ち合わせの基本行動。

まずは面談に向かう時間ですが、私の場合は相手の会社に訪問する時と、外で待ち合わせの時で到着時刻を変えています。
相手の事務所にお伺いさせていただくときは5分前にインターホンを鳴らしますが、外での待ち合わせの場合は遅くても10分前には待ち合わせ場所に到着しているようにします。

遅刻をしちゃいけないのは当然のことですが、特に初回面談時の遅刻は絶対にいけません。
ルーズな人だと思われて悪い印象を与えます。時間を守れない=仕事が出来ない奴と認定する人は多い
ので気を付けましょう。
5分の遅刻でも遅刻は遅刻です。やんごとなき理由でどうしても遅れる場合は連絡を入れるようにします。

初めての訪問先であれば、入り口がわかりづらい等の問題が起こる場合もあるので、出来るだけ早めに現地には到着し、一度しっかり打ち合わせ場所を確認してから他の場所で時間を潰して面談に向かいます。

私はこのタイミングでもう一度頭の中で全体の流れをシミュレーションをしてみたり、イレギュラーな質問が飛んできた場合の想定問答を行なったりします。
調子がいい時や逆にすこぶる悪い時は、ただただ心を無にして面談に挑むこともあります。

2、いざ、ご対面。

相手の会社に訪問した場合、応接に通されるまでの間にすれ違った人には全て挨拶をしています。
初めて訪れる会社なので、誰がどんな立場の人かがわからないため、全員に対してにこやかに挨拶をしていればまずトラブルは起きないと考えているからです。

代表の奥様っぽい人や、お局っぽい人がもしいた場合には、一段と丁寧にご挨拶するようにします。
女性の方は特にここはちゃんとしておいた方が余計な横槍が入らなくなりスムースに商談に進みやすくなります。同性からの評価が低いと社長自身が気に入っていたとしても、仕事を頼むのはやめておこうかなと考える場合があります。)

応接に通されたらまずは名刺交換とともに、改めて自己紹介を行ないます。
本来業務を行なっている時間にお時間をいただいているので、ここでは名前を言う程度に留めて自己アピールはしません。

着席したら用意してきたヒアリングシートを基に、サクサクと聞き取りを開始します。
場を和ませるためにまずは小話を~なんていうのは相手がしてきた場合以外は基本的にしません。
忙しい代表者さまは私と話をしたいのではなく仕事の打ち合わせを望んでいますので、何よりまずは仕事の話を進めます。

3、ヒアリングの内容と順番。

ヒアリングシートの内容は、概ねこのような順番に並んでいます。

①申請に必要な絶対要件(人・モノ・金)
②①を証明するために必要な書類一覧
③申請に必要な付帯要件やローカルルール
④申請者の身分関係や会社の状況について

まずは絶対に必要な許可要件を満たしているかどうかの確認をします。
ここが整わないようであれば申請すること自体が不可能なので、他の何を聞いても時間の無駄になります。
初対面の人にお会いして早々お金のことを聞いたりするので一番聞きにくい部分でもありますが、無駄な時間を省くためにまずここから確認していきます。

要件が全て整っていれば万々歳ですが、そんなことはほぼありません。
基本的には要件が整っていない部分をどのようにして解消していくか?というところからのお付き合いになります。

人が足りないのであればどんな人(資格や学歴等)を雇用すれば良いのか、モノは営業許可の場合はどういう建物を探さなければならないか、お金がおよそいくら必要で、足りない分は融資を受けるのか等々・・・ここを1つ1つ確認していくだけでかなりの時間を使います。

①と同じぐらい、もしくはそれ以上に大変なのが②の確認作業です。
①の要件を満たしていることを証明するために求められる添付書類は役所によって決められているものがほとんどです。

つまりその書類が揃えられなければ、本当に要件を満たしている人であっても満たしていないものとみなされ、申請が出来なくなってしまうのです。

ここがもしかすると行政書士の腕の見せ所かもしれません。
添付書類が用意できないと判明した時には、根拠法令を読み解き、求められている要綱を理解し、その添付書類に代わる公的な証明書は無いかを考えます。

代わりになりうるかもしれない書類であれば用意出来るとのことであれば、その内容にて申請してみるかどうかの判断を代表者さまに委ねますが、ほとんどの代表者さまはその場で、先生にお任せしますと言ってくださいます。
(余所では申請不可能と断られて取り合って貰えなかったというような人もいらっしゃったりします)

①及び②をクリアできるメドが立てば、③はそんなに難しいものではないことの方が多いです。(それだけ①と②が大変というだけかも・・・)
④に関しては代表者さまご本人は問題なくても、役員に欠格要件該当者になってしまった人が居る場合もありますので、ここは面倒でもしっかり代表者さまから全ての役員へ確認して頂くようにします。

4、クロージング!

要件はおおよそ整うメドがたった、証明書類もなんとか集まりそうだ!となればあとはご依頼いただくだけです。
この勢いのまま成約までもっていきましょう。
依頼するかどうかの返答は後日に・・・というのは絶対ダメです。
情報だけ抜かれて自己申請される可能性が高くなる一方です。

というわけで、私は初回面談の日に『業務委任契約書』も自分の職印も持っていきます。
以上のことを踏まえた上で、クロージングの導線をお読みください。

最初に私は自己紹介時に自己アピールはしない、ヒアリング開始時にもアイドリングトークはしないと言いました。
これはその通りで、前項の③までのヒアリングをとにかく丁寧に行ない、この間は申請の組み立てのことだけを真剣に考えています。

私がクロージングの準備に入るのは④の項目に入ってからです。
最初からクロージングを意識しても、そもそも営業許可申請に関しては申請要件を満たしていない人にいくら営業しても無駄なので、申請の土台に乗ると判断出来るまではひたすらヒアリングと調査に徹します。

④の項目に入ったタイミングでようやく会社の現状や代表者さまや役員さまのことを雑談を交えながら伺っていきます。
特に会社の現状についてしっかりヒアリングしていくと、相談された許可申請とは関係ないことに思えても、より適切な許可がある場合や、他の許可と複合的に取得することで広がりを持つ場合があったりします。

もちろん、事業を広げる事が常に代表者さまの理想に適うとは限らないので、その辺りもしっかりヒアリングする前提ですが、事業の長期的ビジョンによっては先に準備をしておいた方が有利になることや、今から取り組んでおくべきことを提案します。

この提案は『私に依頼すること・私と今後付き合っていくこと』について相談者さまに判断していただく強みの部分になるので積極的に行ないます。
また、ここでヒアリングしていた事が、申請受付時の役所担当者に聞かれる思わぬ質問対策になったりもしますので、相談者様の事業に関することは聞けるだけ聞いておいた方がいいというのが持論です。

当該申請に関することだけでなく、既に行なっている事業において、相談者が気付いていなかった本来出さなければならない届出の未提出などが見つかるのもよくある話です。
それらに気が付いて伝える事が出来れば相談者さまも助かりますし、自分も信頼を得ることが出来て両者にとって得なことしかありません。

5、申請と業務完了報告!

申請を行なう際はおおよそのスケジュール感や、協力してもらうべきことがあればそれも合わせて、メール等の形に残るものでお伝えします。

その際にはこの期日を超えると次のスケジュールがどれだけずれ込むかについても明記します。
しっかり書いておかないとすごく簡単な気持ちで期日を超えてくる依頼者さまもいますので、申請期日が決まっているものの場合は特に強めに言うようにしています。

申請を行なって受理されればその段階で一度ご報告し、標準待機期間を再度ご説明、その間に何か気になることや質問があればメールや電話での対応はさせていただいています。

許可によって申請者住所に直接送付されるもの、申請者が取りに行かなくてはならないものなど、いくつかのパターンがありますので、それに応じて完了報告のパターンは異なりますが、報告もしくは許可証の納品をもって晴れて業務完了となります。

業務完了の際に、これからの運営において必要な書類や気を付けるべきこと、自分がお手伝いできることについて少しお話し、定期的に報告義務がある業務等はそこで今後どのように行政書士としてお付き合いしていくかを決めたりします。

そういったものがない業種に関しては、他に考えられるお困りごとについて私が出来る事のご提案だけして、いつでもご連絡くださいという形で終わることが多いです。

6、その他の提案!

ここまで読み進めていただいて、おそらく最後の業務完了報告の部分が一番ピンとこなかったことと思います。
というのは、『他に考えられるお困りごとについて私が出来る事のご提案』について具体的に触れていないからですが、当事務所の場合はここで行政書士業務以外のことを行なっているので前項では詳しくは書きませんでした。

前職が起業支援系の営業会社だったので、その時のメーカーさんとのツテ等により、会社やお店を行なう上で必要な様々なモノについて提供できるルートを今も持っています。

散々ヒアリングをして事業主さまのビジョンや情報を既に共有させていただいている私がその他の業者さまとの橋渡しをすることで、事業主さまのお手を煩わせることなくスムースに様々なことを進められます。
ご要望があれば、事業主様が新たに作るホームページの原稿作成を行なったりもします。

新しく事業を始めるときは本当に忙しいので、こういった行政書士業務外のサポートが当事務所ではとても喜ばれています。

前職での経験、既にある人脈やスキルを使って、『自分ならどのようなサポートが出来るか?』というところを、行政書士業務にこだわらずに広い視野をもって考えてみることをお勧めします。



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