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行政書士の『あえて』の超アナログ営業術!

※注 この記事はコロナ前の2019年1月に書かれたものです。

この時代だからこそ、あえてのアナログ営業が求められている!?もはや流行らない死んだコンテンツのように言う人もたくさんいますが、本当にそうでしょうか?
私はこう思います。
『今だからこそ、アリ』だと。
ただ、これには必須の追加事項があって、それは『アナログ営業にデジタルの要素を組み込む』ことです。

アナログ営業しか出来ないのでは、ある一定の業界、ある一定の層には刺さりますが、それ以外には通用しません。
また、デジタル営業しか出来ないのでは、よほどの努力と知識か資金を投下しなければ多くの強豪に埋もれてしまいがちです。

もちろんデジタル営業の素晴らしさは言わずもがななので、アナログ営業を頑張るよりもそちらの方が向いているという人はわざわざ苦手なアナログ営業を克服しようとする必要はありません。
デジタル営業だけをガチって頑張った方が良いです。

私からひとつ言えることとしては、アナログ営業は大変そうだからデジタル営業にする!というのは大間違いだということだけです。
デジタル営業が楽なんて、大量に資金を投下できる人でもない限り、そんなことは絶対にありません。


私が実際に行なっていて思う利点

私自身のことでいえば営業内容はアナログとデジタルの比率はおおよそ8:2ぐらい。
しかし、業務の進め方や提案に関しての比率は6:4ぐらいになります。
本当は業務の進め方はもっともっとシステム化していきたいと思っていますし、提案にしてもせめて7:3ぐらいにまでは有効にデジタルツールを利用して進められるのが理想だと考えています。

現在そこに至っていない理由としては簡単で、お客様の中にまだまだITが浸透していない、あるいは積極的に避けている人が多いからです。
役所から届いた手紙の内容がわからないから見て欲しいと言われ、スキャンしてメールで送ってくださいと伝えても、それが出来ないから現物を郵送、もしくはFAXで・・・という人は一定数いるのです。

私は基本的にはこの層の人が新人士業にとってのメインターゲット層であると考えます。
実際に当事務所の顧客の中でもITアレルギーの依頼者さまの方がLTVは圧倒的に高いです。
その理由と、私がこれまで実際に行なってきた提案の方法を書いていきたいと思います。


売上が高くなる理由

①そもそも情報を探し選択するという事が苦手なので、ネットでひな形を探してまで自分でやろうという発想がない。

②工数がかかるお客様にはその分の時給を報酬にONしているので根本的に請求総額が上がる。

つまり、アナログ営業の良さはアナログ営業でしか出会えないITアレルギーの人を見つけ出し、高単価で業務が出来るということです。
そして、こういう層の人はとにかく手続きが嫌いなので、手続き屋としての顧問契約も狙えます。

奥様が経理をやってはいるけど手書き台帳とか、なんとなく誰かが作ってくれた表に事務員さんが入力処理をしているけど社長さまも事務員さんもパソコンが苦手って思っている事業所様等は手続き顧問契約に至りやすいです。


私が実際に行なっている提案の流れ

アナログ層のお客様は、とにかく自分が知らない事、新しい事を取り入れるのを嫌がります。
簡単だから教えるのでやってみましょう!と言っても基本的に勉強したがりません。
せっかく事務所には立派な複合機があるのにスキャンでメール添付せず、慣れ親しんだFAXを送り続けてくるのです。

連絡にしてもメールを面倒がり、とにかく電話です。
書類の受け渡しは面談か郵送。
ここまで書けばわかると思いますが、報酬単価を上げなくてはとても対応出来ないレベルで工数が増え、時間がかかります。

この手間を許容して高単価請求を続けるか、訪問している時に少しずつでもデジタルツールを使えるようになるまで根気よく教えるのかでスポット高単価の道か、安定の顧問への道かが分かれます。

スポット対応で提案する場合

まず肝心の値決めですが、私はその顧客のITリテラシーレベルによって個別に価格設定をしています。
「基本報酬額+そのお客様に必要な工数及び対応時間」
を基準に考えて、スポット業務として手続き代行をします。

当然のことですが、わざと工数を増やしたり時間を長めに設定する等というバカな真似はしません。
もし自分がこの依頼者さまの従業員だと仮定して、面倒事を処理するならばこの方法が最善と思う工程を考え、そこから実際にその依頼者さま自身でご対応いただけそうな基準までアナログに落とします。
シンプルな事例で簡単に説明すると、以下のようなことです。

例:役所から届いた書類をチェックして欲しい(FAXで書類を送信してきて、電話での回答を求められている)
⇒書類をスキャンしてデータをメールで送信頂き、メールで回答したい。

①1度事務所訪問をし、依頼者さま事務所の複合機とPCの設定を行ない、スキャンの仕方を教える。
②口頭で教えるだけでは無理そう(覚える気が無さそう)であれば、簡単なマニュアルを作ってお渡しする。
③それでもやっぱりスキャンは面倒だからFAX送信したいと言われた場合は回答をメールで行なうことにご了承いただく。

こういう依頼者さまは「イヤな事、面倒な事をやらなくて済むようになった」と思えば基本的に値交渉はしてきませんし、そこの信頼を勝ち取ることが出来ればずっと依頼し続けてくれます。
親しい人からの紹介の横槍でも入らない限り、わざわざ他の行政書士を探して相見積もりをとるような面倒な事もしません。

どれぐらいその作業が業務の中で負担だと感じているか?という部分の見極めをし、その嫌がり度合いに応じてちょうどいいタイミングで、「それ、もし良かったら私がやりましょうか?」とスマートに提案するのがキモです。
「え?先生こんなんもやってくれんの!?」
と言ってもらえたら勝ちです。


顧問契約を提案する場合

スポットで何件か依頼を請けてから、「何度も振り込んでいただくと振込手数料も勿体ないと思うので顧問契約にしますか?」と提案します。
この提案をこちらからする前に先方から「顧問になって面倒見てくれへんかな?」と仰っていただけるパターンも多々あります。

この段階で既に、どの程度の作業があるかは分っている状態なので、「ここからここまででしたらこの金額でやります」と依頼の範囲を決めて金額を提示しましょう。
月額で考えた時にスポットで頼み続けるよりちょっとお得という値段にしていればほぼそっちで頼むと言ってくれます。

こちらから提案するタイミングは、依頼者さまの会社における面倒事、及び、依頼者さまと事務員さんのITリテラシーをおおよそ把握できた時です。

ここを把握できていない段階で顧問契約を行なうと、思っているより時間をとられてご契約いただいた顧問料での対応範疇を越えてマイナスになってしまうというトラブルが起こる可能性があるので注意しましょう。

また、顧問になる場合は少しでもこちらの工数を減らしたいので単純な作業代行をするのではなく、便利なツールの使い方を教える、日報などの面倒な作業はこちらで渡したフォーマットに指定した通りに入力出来るようになってもらう等のように、依頼者さま及び事務員さんを研修することに注力します。

そうすると最初は時給が合わないかもしれませんが、3か月もあればスポットより割安でも数字が合うようになります。
付き合いが長くなればなるほど対応時間は少なくなっていきますので、空いた時間で次の見込み客さまに対し提案や研修を行ないます。

こうして顧問先を少しずつ増やしていけば、開業からの第一段階としては安定したストック収入源となってくれます。


行政書士1.0→2.0へ向けて

最初は時間がかかるものの、アナログでしか出会えないお客様はとっても有難いお客様であることには変わりはないので、とにかく依頼の範囲とそれに合う値段設定の提案さえ自分が間違えなければいいお付き合いが出来ます。

特に売上がまだ十分に立っていない間は、こういう依頼者様から高単価で選んで頂くクセをつけたり、手続き屋として顧問になるのはどういうことか?というのを一度経験してみると、今後のためにとてもいい勉強になると思います。

THE行政書士!という感じがして、なんとなく楽しくなったりもします。
少なくとも開業当初の私には、これらの経験はとてもいい勉強になりました。

現在私は手続き屋としての顧問ご依頼は全てお断りしていて、定期面談対応0のスポット対応のみしかしていません。
理由としては単純で、今は私自身が顧問先様を定期訪問するための時間が作れないからです。

メールでご依頼を頂き、こちらから請求書を送り、お振込を頂いたら作業代行、完了納品はメール添付か郵送という形をとっています。
つまり、全て補助者で代替可能にしてあり、実際に現在は補助者が行なっています。

ある程度状況が進んだ行政書士はこうして、アナログタイプの顧問のお客様を手放すタイミングが出てきますので、そこにするりと入り込み、ちゃんとコミュニケーションをとれば乗り替えてもらえるチャンスは十分にあります!

今思えば、数年先に開業している近隣の先輩行政書士と仲良くできていれば、こういうお客様を引き継ぐという提案を先輩行政書士に対して行なうことも可能だったのではないかと思います。
実際私が顧問を外れる際も、引き継いでくれる新人さんをご紹介したりしましたので。

行政書士の基礎である、手続き屋・代書屋・外部事務員としての行政書士業務を新人のうちにぜひ1度どっぷりと経験した上で、この業務内容は自分には合わないな、もう違うかなと思った時に脱労働集約型事業へ進んで欲しいと思います。

その頃には経験値も知識も備わり、少なくとも商談の場面では物怖じせずに適正な価格を相談者さまに提示出来る自分になっていることと思います。

現在私は脱労働集約型事業化にむけての仕組みを作っている真っ最中ですが、最初に労働集約型業務をしっかり経験したからこそハッキリ見えているものがあり、それはとても現在役に立っています。

行政書士1.0を知った上でそれを越え、行政書士2.0を目指していく。
これからの新人さんには、この1.0を知るまでのムダな失敗を出来るだけ排除して、可能な限り最速で、行政書士3.0を切り開いて新時代を見せてくれることを期待しています。
もちろん私もそこを目指して努力を続けます!

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