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「びじゅチューン!」が開いてくれた日本美術の扉 ~日曜美術館を見て~

6月7日~21日の3週にわたって、日曜美術館で「蔵出し!日本絵画傑作15選」という3回シリーズを放映している。

7日の第1回を見ようと思ったのは、同じEテレの番組「びじゅチューン!」を手掛ける井上涼さんが、「チラッと出ますよ~」とツイートしたからだ。

そして15選として取り扱う作品を見て、「」 と海原雄山のように唸った。「主を呼べ
15作品中8作品が、びじゅチューンで取り上げられ「私でも知っている」からだ。

最初「さすがはびじゅチューン」と思ったがいや違う、私の知識が乏しかっただけで、「びじゅ」に取り上げられている作品は日本美術の傑作中の傑作ばかりだったのだ。
具体的に言うと「伝源頼朝像(国宝)」「山水長巻(国宝)」「唐獅子図屏風」「松林図屏風(国宝)」「洛中洛外図屏風(国宝)」「風神雷神図屏風(国宝)」「紅白梅図屏風(国宝)」「富岳三十六景 神奈川沖浪裏」

私のPCには「松林図」ではなく「松林ズ」が最初に出てきてしまう

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話がそれた。
上に挙げた8つの作品のうち、「びじゅチューン!」を見るまで全く知らなかったのが長谷川等伯の描いた「松林図屏風」だ。等伯の名さえ知らなかった。それと「山水長巻」。さすがに雪舟の名は知っていたが、その代表作も知らなかったのだ。

その他の作品は、「何となく」のレベルから、まあまあ作者名まで言えるぐらいまでのレベルで知ってはいた。

しかしびじゅチューン!の虜となった今、私は作品名も作者名も、分かる!分かるのだ!!!
「びじゅチューン!」の作品として・・・・・・・・・・

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けれど今回、「蔵出し!傑作選」の第2回をみて、ぶっ飛んだ。本物の作品たちの凄さに!
5作品中4作品が「びじゅチューン!」で取り上げられている。
それらの実物がきれいな画質で丁寧に映され、過去の「日曜美術館」などから、様々なジャンルの方々のコメントが引用された。

すごい!

我ながら語彙がない。
そして素人の悲しさ、今まで自分だけでは作品の良さがよくわからなかった。どんなにきれいな画像でも、たとえ本物を前にしても、私だけでは「ぼーっと」見て、「ほー、これが国宝か」で終わった気がする。
西洋絵画はカラフルだし、有名作品が話題になることも多くて興味があったのだが、何となく地味~な日本の絵画をスルーしてきた一因が、鑑賞スキルの無さだった。

けれども番組に出演された方々(しかも芸術分野の超一流と言われるような)の作品についての語りを聞くと、途端に作品が違ったものとして見える、というかコメントが「本当にその通り!」と腑に落ちる。
すとん!

圧倒的な鑑賞力と的確に表現する言葉の力。
もちろんそれは口先だけの言葉ではない。発する人の心の深いところから出てきた言葉だ。
そして私にもほんのちょっぴりかもしれないが、作品のどこがどうすごいかが分かった。
そして興奮した。
せっかくなのだから私の今後の目標は、オーソリティの見方に頼るだけでなくもっと「自分なりの見方で自分なりに良さを感じる」ことができるようになることだ。

でも私は美術を専門に学んだこともないし知識も少ない。だから、超一流の先達の目を借りられる日曜美術館は、取り掛かりとしてとてもありがたい。
司会の小野正嗣さんの、私たちが作品に向き合うことについてのコメントにも感銘を受けた。
自分なりの見方ができるためには、やはり本物を見たい。早く自由に鑑賞旅行ができるようになればいい。

14日の「日曜美術館」がすごいぞ!と思って書き始めたが、日美はゴールではなく今後の私の美術鑑賞のとっかかりに過ぎなかった。
そしてさらに「とっかかり」への入り口を開いてくれたのが「びじゅチューン!」だ。

手掛ける井上さんの、作品の見方のなんと独創的なことよ!
ワタクシもあのような境地に達したいものだ。

次の「日曜美術館」も楽しみだ。
そしてやっぱり、「松林図屏風」の右側の松は、ステージで踊るアイドルグループ「松林ズ」に見えてしまうのだ笑。

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↑ 写真は東京国立博物館からお借りしました。

記事に関係する「びじゅチューン!」作品
おりがみのよりとも」「通勤フロム山水長巻」「アイネクライネ唐獅子ムジーク」「洛中洛外シスターズ」「風神雷神図屏風デート」「紅白梅図屏風グラフ」「ザパーンドプーンLOVE
その他の「びじゅチューン!」の作品

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