ハッピーハロウィン
半年近く進めてきたプロジェクトが数日前にようやく一区切りし、助けてくれた方々にお礼行脚の日々を送っている。そうこうしている間に、今月も最終日を迎えてしまった。昼前にダラダラと起床して、何か食べようかと駅の方まで歩く。通りかかったパン屋を外から眺めていると、たまたま横にいた五歳くらいの女の子が僕の顔を見上げて手を振っている。僕は咄嗟に手を振り返したが、女の子は恐ろしいものでも見たかのように後退りしてお母さんの後ろに隠れてしまった。シャイな女の子だなぁ。パン屋のショーウィンドウに視線を戻すと、そこには帽子とマスクに顔を覆われ生気を失った目をした男がガラスに反射して写っていた。ハッピーハロウィン、ガール。
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2018~2022年までtumblrに掲載されていたアーカイブ記事と未公開記事をまとめたエッセイ集。
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