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【ありふれた日常】流れる雲を眺めながら

小学生の頃だろうか。
自分の部屋の窓から雲を眺めていた。

次々に流れてくる雲を見て、この雲はカブトムシ、あの雲は馬、その次の雲は飛行機・・・、それぞれ似た形を連想した。
1時間でも2時間でも雲を眺め続けていた。

あれから50年が経っただろうか。
1時間も雲を眺めていた記憶は全くない。

1日が目まぐるしく過ぎていく。
雲を眺めている時間も精神的余裕もない。

生きているうちにいろんな荷物を背負ってきた。
背負うことは歩き続けること。
立ち止まることなんて許されない。

小学生の時は何も背負ってなかった。
だから立ち止まって一息つきながら歩いていた。
時間もゆっくり流れていた。

あと数年もしたら、荷物を降ろすことができそうだ。
そうしたらぼくらまた雲を眺めているのだろうか。

「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。