【通勤電車の詩】コーヒーを一気飲み
ぼくが通勤に使っている電車は、特急に乗るのに別料金がいる。
だから滅多に乗ることはない。
特急は全席指定でシートはリクライニング。
そんな電車を毎日通勤で使えるなんて夢のような話だ。
ある朝、ホームに並んでいると特急電車が颯爽と入ってきて停車した。
羨ましいわけじゃないけど、目の前にいるから中の乗客を見てしまう。
一人のサラリーマン風の男性がペットボトルのコーヒーを飲もうとしていた。
そしてフタを開けるや否や、そのコーヒーを一気飲みしてしまった。
「え、えっー」と心の中で叫ぶぼく。
その特急が次の駅に着くまで、まだまだ時間がある。それなのに・・・。
ぼくならきっと時間をかけてちびちび飲むだろう。
しかし時間の楽しみ方は人それぞれだ。
正解というものはない。
その人はコーヒーを一気飲みした爽快感に浸りながら、次の駅まで特急電車という特別な空間の中で、快適な時間を楽しむのだろう。
その方が豪快で贅沢な時間の使い方かもしれない。
今度ぼくもやってみよう。
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。