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【通勤電車の詩】扉が閉まるの早いよ

ぼくの会社の最寄駅に着く電車は、なぜか扉が開いている時間が短い。
決して乗客が少ないわけではない。
むしろ多い方だ。
なのに扉が開いたと思ったらあっという間に閉まる。
どの程度かと言うと、2階の改札から近づいてくる電車が見えて、1階のホームへとエスカレーターを駆け降りたら、目の前で扉が閉められる。

20年もこの電車を使っていると、今では最適なタイミングがわかっている。
2階のホームへ上る階段の途中で電車が見えたら走る。
それ以降に電車が見えたら諦める。

ある日のこと、何を思ったのか階段の途中から電車が見えたので走ってみた。
50代後半、持てる力を振り絞って全力疾走。

改札まで階段を駆け上がった。
まだ降車して2階の改札に上がってくる乗客の群れが見えない。
これなら間に合う、行けるぞ!
これまでの常識を鍛えた体で覆してやる!

でもやっぱり間に合わなかった。



▼「通勤電車の詩」はこんなふうに生まれました▼




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昭真(shoshin)
「通勤電車の詩」を読んでいただきありがとうございます。 サラリーマンの作家活動を応援していただけたらうれしいです。夢に一歩でも近づけるように頑張りたいです。よろしくお願いします。