株主熱想~Time Capsule Orchestra株主総会議事録~ vol.4

この記事は、茅原実里、CMB、そしてTime Capsule Orchestraを追いかけてきた4人のマニアが、それぞれのバックグラウンドから、茅原実里やCMBの思い出、Time Capsule Orchestraとその未来を語った会議を記録したものである。
会議は四時間に及び、書き起こし原稿は五万字を超える大作になった。話題も流れに流れ、迷走に迷走を繰り返しながらも、認識と結論は大筋で一致するに至った。
参加者全員が55000円のVIPチケットを購入していたことも判明したために、この会議体を「Time Capsule Orchestra株主総会」と呼ぶことになった。

「Time Capsule Orchestra」とは何であるべきなのか

SATOH:TCOと他のバンドの対バンも見てみたいです。「プログレアイドル」がいるんですよ。「XOXO Extreme」。ヴァイオリンもいて、楽曲の中にフランスのプログレバンド、MAGMAの公式カバーがある。

トツ:頭おかしい(笑)
SATOH:で、たまに別のバンドの生オケで歌ってるんです。そのバンドが「金属恵比須」。調べたら東京には「プログレの聖地」と呼ばれるライブハウスもあるらしく、こういうことをやってるプログレ人脈もあるんだと。その中で対バンをやって、いい感じにつなげてゆくのはどうかな、と。プログレ沼ってもともと狭くて深いので、そういうところを抱き込んでいく。コストを下げるのもいいんじゃないかな。XOXO Extreme、まだよく分からないけど、活動中だし一回見に行こうかな?と思ってるところ。
プログレってすさまじく深く人も少ないし、お金も儲からないし、どう考えても先に待つのは死しかない。だからこそマニアは熱狂的なんでしょうね。
Zoe.:個人的に、プログレとフュージョンの差は何だろうというのが最近のテーマで。それぞれ元々は、プログレはロックから派生してフュージョンはジャズから派生してるんだけど、最終的にここらへんで混ざる。
SATOH:やってることは同じなんですよね。
くの:ルーツがどっちにあるのか、程度の差。
トツ:体重がどっちに乗っけてるのかってくらい(笑)
Zoe.:最近は若手のフュージョンバンドなんか見てると、こいつら全員ロック出身だろうって思ったり、さっき話に出たDEZOLVEとか、メインでやってるのが山本真央樹さんでしょ。彼はどっちかというとロック出身じゃん。本当に何が違うんだろうと言われると……
そうだ、DEZOLVEと対バンやってもらおう(笑) 若手スタジオミュージシャンのフュージョンバンドと、おっさんたちのプログレバンド。すごく密度が濃くなるやつだよ。客がろくでもないやつしかいなさそう(笑)
くの:それは面白いかもしれない。
Zoe.:客は大変だぞー(笑)
SATOH:最近ジャズバーに行くことがあって、毎日ジャズの生ライブをやってるんですよね。ジャズは面白い。面白いんだけど、「ジャズって何?」と言われても答え出せないんですよ。あの音楽はジャズだけどこれはジャズじゃない、って定義を出せない。
Zoe.:誰も出せないよ。やってる人間も出せない。
SATOH:それでいいのね?
トツ:だと思いますよ。
SATOH:それなら、TCOもジャズなんじゃないかと。だから、実は「プログレ」という自己定義自体も微妙なんじゃないかという感じがする。プログレと定義しちゃうと、よりアカン感じがする。
Zoe.:曲の内容も完全プログレもあれば、他のジャンル寄りもある。
トツ:ハードロックもあるし、「Soldier Of The Queen」のような、ただのシックスティーンなバラードと言えばそれで終わりな曲もあるし。
SATOH:「Blue Life “Ocean”」(笑)
一同:(笑)
SATOH:あれはもうイージーリスニング。
Zoe.:そういう意味だと、あのイメージは完全にフュージョンだしね。みんなそれぞれ違うジャンルから来ているから、もうちょっと門戸が広くなってもいい感じだね。
SATOH:結論、そこかなと。
トツ:名乗り方については、須藤さんが元々の素養としてプログレがお好きでいらっしゃるのがあって、それで「プログレバンド」と名乗りたいのはあるのかどうか。
SATOH:欲、ですよね。それが大きくて、しがらみになってる感じがある。
トツ:だからこそやる意味があるというのなら難しいし、もともとハードロック的な、Deep Purpleのサウンドが好きなんだから……「ハードロック」って名乗った方が、客層がつかみやすかったりする。
くの:プログレだとちょっと狭くなるような。
SATOH:ちょっとどころじゃない(笑)
トツ:そもそもそのジャンルを聴いたことがない人もいますからね。
SATOH:そこを説明して時間をかけるくらいなら、もうちょっと簡単にしちゃう発想はあり。
くの:ジャンルを取っ払って「本気のおっさんバンド」にした方がまだまだ、とか。あえてジャンルを特定しない方が入りやすい人がどこかにいるかもしれない。ハードロックだと言われたらそこから入る人もいるだろうし、フュージョンですよと言われたらそうなるかもしれないし。
SATOH:なんだかそっちが正解な気がするな。
トツ:確かに。
Zoe.:言い方は難しいよね。
くの:まあでも、プログレをやりたいんだろうなって気もするし。
SATOH:したいこととできることの差はよく問題になるけど、今回は「どこがゴールなのか」、バンドを作って武道館といったゴールもあるけど、彼らはもう、達成しちゃってる感じがあって、どこへ行けばいいかが分からないかもしれない。
Zoe.:先がなくても、やろうと思えばやれる。
トツ:だからずっと延命を続ける……
Zoe.:それをやるには、須藤さんがもう一段肩の力を抜かなきゃいけないんだよ。馬場さんはそういう活動をずっとやってる人だから。数十席規模のライブバーで、仲のよいメンバーとずっとやる、みたいな。馬場さんが岩瀬さんとよくやってるやつ。ああいうタイプの活動は慣れてるんだけど、須藤さんは多分、やるならガッツリ作り込まないと気が済まないタイプだろうな。だけどそれやるとアホみたいに金がかかるし、手間もかかる。
SATOH:それに、斎藤さん自身はお金を稼げないと運営できない。そっちが大きい気がするんですよ。
トツ:だから、「このバンドでやり、それでお金を稼ぐ」というゴールがあるんだろうとしたら、間口を広げる方向に行かないと、どうしようもないんですよ。
Zoe.:稼ぐんだったら、もっと門戸を広げないとダメだよね。
トツ:あるいは、プログレと言ってるけど、「プログレの情操教育」をちゃんとしてくれるというか、こんなサウンドが聴けますよ、こんなかっこいい曲が聴けるんですよ、という情報がない。
SATOH:結局、音源を出したら分かる話ではある。
Zoe.:まず音源を出せと(笑) 今なら配信でもいいけどさ。
トツ:例えば、「宇宙かけ」みたいな感じで、斎藤さんがアニメの劇伴案件を取ってきて、TCOに全部担当してもらうとかするんですよ。そういうのができると「あの曲が聴ける」となるから、間口もメチャクチャ広がると思う。
SATOH:つまり、TCOはまだ始まってない
トツ:うん。
SATOH:そうか、始まってないんだ(笑)
トツ:さっきの話に戻りますけど、今だって人に薦める手段がないじゃないですか。
くの:そうなんですよ! そこが一番辛い。今はインスタに動画をアップし始めてくれているとはいえ、インスタで音楽を聴くわけじゃないから。音楽をなんとかして聴かせたいけど、プレイボタンしかない。

Time Capsule Orchestra on Instagram: "Time Capsule Orchestra 1st ALBUM 「Premium Sound Capsule01」視聴動画 ♪M9「SOUND MAJESTY」 Time Capsule Orchestra 初となる待望のアルバム! 2022年9月3日・4日に河口湖円形ホールで開催された「Time Capsule Orchestra 1st Concert in 音楽熱想フェス」のライブ音源を収録した「Premium Sound Capsule01」、ライブ会場限定で好評発売中! 本アルバムはコレクターズアイテムとしても人気の「プレイボタン」仕様! デザインにもこだわったパッケージ、そして本体は必携の逸品。 目を瞑ればあの日の熱狂、感動が蘇ること間違いなし…! 本商品はライブ会場物販でのみ販売します。 今後も通販や配信等の予定はないため、ライブに参加し、名前の通り”プレミアム”な本商品を是非お手に取ってみてください。 1st Album「Premium Sound Capsule01」 【商品概要】 ■価格:7,000円(税込) ■品番:HTCP-00007 ■発売元/販売元:株式会社ハートカンパニー ■レーベル:Harmonic Force * * * * * 初のエレキ編成ライブ ⚡️“ELEKI de BURN”🔥 2023年6月17日(土)開催決定! <公演概要> ■日程:2023年6月17日(土) 「TALK de BURN」(昼公演トークライブ) 開場 15:00/開演 15:30 「ELEKI de BURN」(本公演) 開場 17:00/開演 17:30 ■出演:Time Capsule Orchestra (Keyboard:須藤賢一、Percussion:岩田ガンタ康彦、 Guitar:馬場一人、Bass:岩切信一郎) ■会場:横浜みなとみらいブロンテ 〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい5丁目3−1 2F フィルミ ■チケット種別・価格 ◆VIPチケット:55,000円(税込 ※入場時、別途1ドリンク代600円(税込)  特典① お客様ご希望の名前を入れたメンバーサイン入りTシャツ  特典② お客様ご希望の名前を入れたメンバーサイン入りトートバッグ  特典③ メンバーとの5ショット写真  特典④ 当日の現地リハーサルへご招待  特典⑤ 当日昼に行われるTALK de BURNへご招待  特典⑥ 公演終了後の”会場打ち上げ”にご招待  特典⑦ 公演エンドロールへのお名前掲載  特典⑧ VIP専用エリアに椅子をご用意   ※VIP専用エリアとは →会場後方の一段高くなっているエリア(ステップフロア)。 ◆グッズ付きチケット:19,800円(税込) ※入場時、別途1ドリンク代600円(税込)   特典① Tシャツ   特典② トートバッグ ◆一般チケット:9,900円(税込) ※入場時、別途1ドリンク代600円(税込) ◆TALK de BURNチケット:後日発表 ライブ・バンドの最新情報は Twitter・TCO公式HPにて。 [Time Capsule Orchestra]🔍検索 今後も視聴動画たくさんアップします✨ その他情報、オフショット、演奏動画は @timecapsuleorchestra を フォローして要チェック! #TimeCapsuleOrchestra #TCO熱想人 #ELEKIdeBURN #須藤賢一 #岩田ガンタ康彦 #馬場一人 #岩切信一郎 #音楽 #バンド #プログレ #アコースティック #ProgressiveRock #Acoustic #Rock #Japanese #music #band #album #視聴動画" Time Capsule Orchestra (@timecapsuleorchestra) on Instagram o www.instagram.com


トツ:インスタに関しても、ターゲット層合ってる? って思います。
SATOH:そうそうそうそう!
くの:私がTwitterで「インスタとかに上げて欲しい」って言っちゃったけど、それは私がバンドの情報をインスタから得ているというだけで、バンドの音源とかはインスタから出すより、YouTubeの方がいいと思う。
SATOH:前に音楽熱想で菊田さんが言ってたけど、カバーをYouTubeに投げていい。すべて海外から引っ張ってくるのが一番正解。
トツ:いや、そうそうそう、本当に。
SATOH:海外は日本と違ってマニアが多いし、ある程度わずかの配信で認知は稼げるし、認知稼ぎで配信という道もあるし、日本のファンはどうせ海外で売れないと注目しないから。
Zoe.:普段組んでるピアニストがやってるジャズバンドがあるんだけど、それが「Just the Two of Us」やって、去年の暮れに上げた動画が、今30万再生近く。

海外でメジャーの曲を一曲上げるだけで、素人に毛が生えた連中がやってるだけでも再生数が稼げるんだから、TCOがやったら間違いなく……
くの:YouTubeに上げて欲しいな。
Zoe.:そこでセッションのド定番曲をやる。
トツ:せっかくガンタさんがスタジオ持ってるんだから、そこに全員集めて、あそこにある機材だけでできる簡単なセットで何曲か、よくあるやつを撮ってポンポンって上げて、さあ見てください! ……って、最初のアプローチが足りないですよね。
Zoe.:過去にやったことの延長に置くのもいいけど、それによって外から入ってくる人が見られるものを出せ、と。あそこに集まるのは、ふるいにふるいを重ねて残った人間しか来ないようになってるから。
SATOH:狂信者しかいない(笑)
Zoe.:今だってTCOというバンドの情報にアクセスしているのは、茅原実里という大きなふるいを通して、そこから何層にも渡ってふるわれ、最終的に本人の活動休止に至るまでをくぐりぬけて、しかも斎藤さんがランティスからいなくなってメジャー流通から外れる、という状況の中で残った人間しかないわけだから、この層の言うことばかり聴いていても、絶対大きくならない。
SATOH:だから我々の金で広げるんですよ。だから我々は55000円を払ってるんです(笑)
トツ:そう、そう。今いる人たちでなんとか支えてもらおう、ってやってるんだから。
くの:今まではアコースティックしかやってないけど、ELEKI de BURNをやると、フルセットの映像素材が手に入るわけじゃないですか。そうしたら、それを素材にYouTubeに上げてくれることもできる……?
SATOH:ライブは次の宣材を作るタイミングなんです。それを理解していれば大丈夫。
くの:その後ですよね。YouTubeにいっぱい上げてくれると嬉しいなあって。
SATOH:しっかり固定カメラを数台配置して、ライン録りして、ちゃんとPVが作れるくらいの環境でないといけない。そこが理解されているかが心配ではある。
Zoe.:ちゃんと、外から人が入るモノを作ってもらわないと話が広がらない。
くの:支えきるにも限界があるから。
SATOH:この延長で聞きますけど、Time Capsule Orchestraのプレイボタンは聴きましたか?
Zoe.:そもそも買ってないな(笑)
くの:保存用と普段用途で買ったんですけど、二つ買ってまだ未開封ですね。
SATOH:私もこないだ開けて聴いてみたんですけど、なんか、マイク一本で録ってる感じがすごくするんですよね。
Zoe.:あそこの環境でしょ? マイキングしないし。
SATOH:割とマイクは立ってたはずなんですけど。
トツ:エンジニアの淺野さんがちゃんと頑張ってるから、バランスはしっかりしてるんだけど、被りが多くて限界はあるな、って思った。
SATOH:なんとなく聴いていて思ったのが、マイク一本で、それがピアノ側に寄ってる感じがしたんです。(プレイボタン標準の)イコライザーがすごい調子悪い気がする。ベースがめっちゃぼやけてるんですよね。
Zoe.:ピアノという楽器はアホみたいに音がでかいので、ベースにもピアノの低音域が被る。どうにもなんないんですよアレは。全体にわたってドンと鳴っちゃうから。
トツ:あの部屋の中で音も回ってるし、すごく使いにくいと思う。
SATOH:会場が悪い?
Zoe.:みんなで音楽を楽しみましょう、って主旨からしたら正しいんだよ。ただRecする場所ではない。
SATOH:かつ、あの媒体の組み合わせ。
トツ:プレイボタン、あれは流行ってるんですか?
Zoe.:たまにやってるところもあるけど、そこにフルアルバムを突っ込むって発想にはならない。
SATOH:予想なんですけど、CDで売ると3000円とか価格が(心理的に)決まっちゃうから嫌なのかなと。そのラインに載せたくないのかな、って感じが。
くの:相場が決まりすぎてるから、みたいな。
SATOH:5000円に盛ってもいいと思うけど、CD一枚で5000円となると嫌がるかなって。
トツ:プレイボタンって7000円くらい? Blu-rayの値段と変わらないですよね。
Zoe.:数を作れないってのはあるだろうけどね。
SATOH:プレスするくらいならCD-Rで5000円で売ってくれ、って。
Zoe.:いいから配信で……(笑)
トツ:ほんと、普通に配信でいいと思う。
Zoe.:配信販売で……
SATOH:配信には会社の大きさとか、制約があるのかな?
Zoe.:ハートカンパニー、小さい会社でやる意味がいまこそ出るところだろう、と。
SATOH:レコード会社に協力して制作するビジネスで、自社でCD出すと、競合になっちゃってまずいのかなあ。
ずっと思ってたんですけど、斎藤さんにはプロレスマニア的な「メジャー志向」があると思っていて、何でもちゃんとする、CDも業者でちゃんとプレスしたがる。CD-Rでいいじゃないか、インディーズレベルでいいじゃないかって思うんですよ。
トツ:インディーズでいいし、個人でできる配信プラットフォームもいっぱいあるから。CDにしなきゃいけないというか、物理媒体にしなきゃいけない発想もやめてくれないかな?
Zoe.:そもそも客層や将来の見込み客、海外まで広げた方が絶対面白いってことを考えたら、配信しない理由がないよね?
SATOH:やっちゃダメ、みたいな条件が業界の中であるとしか思えない。
Zoe.:斎藤さんの中であるんだろうな。
くの:ポリシーとか、そういう感じがするんですよね。あと、日本人だとどうしても、CDとか物理媒体を売ることをメインに考えている。長くやっていた人だから、余計にそうなっちゃった。CD買うのは日本人くらいって言われてるし。
SATOH:音楽じゃないんですよ、前提が。
Zoe.:その層は、海外ではレコード買ってるからね。
くの:いっそレコード出して欲しいな。
SATOH:まあ高いけどね(笑) 
Zoe.:レコードを出してる人はみんな配信出してるから。聴きたい奴は配信で買ってもらって、コレクターならCDよりレコードだ。CDは劣化するけど、レコードは真面目に保管すれば長持ちする。
SATOH:確かにプログレはレコードだわ……
トツ:いろいろやるのはいいけど、特典でいろいろやりすぎじゃないですか。打ち上げに行けるとか含めて。そのうちクラウドファンディングがやりたくなったとき使えそうなネタが減ってるんじゃないかと。そもそもクラウドファンディングでやれないのかなと思ってて、レコーディングの見学に行けるとか、そういうのを喜ぶ人はメチャクチャいるじゃん。他の界隈であったけど、「パラデータ(楽器別に切り出したオーディオデータ)もらえます」とかだと、演奏する側からするとマイナス1欲しいし。
Zoe.:こないだ言ったけど、譜面くれ、だよ(笑)
トツ:譜面欲しい人はメチャクチャいるんだから、そういうのを提供してくれるパックで、5万円とか10万円とか出すかもしれないし、プラス、レコードとかだったら普通に買うじゃない。そのレコードプレス代はファンも払うでしょう。
Zoe.:レコードはそんな真面目に聞かないよ(笑)
今回話して思ったけど、今回のパッケージに打ち上げ回があるから、下手するとこのトーク、ノーカット版をあの場でさせられる(笑)
くの:嫌だ(笑)
トツ:それは思ってる! 斎藤さんが絡みに来て、「どうしたらいいと思う?」って言われる気がする。
Zoe.:今回の値段を出せる人に話聞きたいんだろうなって感じはある。
SATOH:でも、結局、そこに聞いても広がらないんですよね。
トツ:ただ、そこにいる人たちの「こうなって欲しい」が聞きたいんだと思う。
Zoe.:ビジネスの話としては、金を出せる人間の話を聞くのは間違いではない。
SATOH:だけど純粋なファンと音楽に片足突っ込んでた人たちの意見は絶対違うから(笑) ファンの方の意見を聞いていると……
くの:株主みたいなところがありますからね。
Zoe.:斎藤さん、下手するとこのメンツが来るのを予想してるでしょ? だって捕捉されてるから(笑)
トツ:前回のタウンニュースホールのインタビューで、「あ、いつもの方」って(笑)
SATOH:ここまで突っ込んで話してるのは想定外だと思うんだけど。
Zoe.:まあある程度のところまでは読んでるだろうなって気はするし。
SATOH:今回分かったのは、プログレって考えは一回置いてもいいかな、というのはいい気づきだと思います。……って言ったらケニーに怒られそうですが(笑)
Zoe.:しょんぼりしそう(笑)
トツ:でも、そういう意味で行くと、今回のキービジュアルも往年のハードロック・ヘビーメタル系のロゴになりましたけど、本当はあんな風にしないで、「ELEKI de BURN」なんてコミカルなタイトルを付けたんだからそっち側に寄せた方がよかったのかもしれない。あのロゴを見ると絶対行きにくいですよね(笑)
SATOH:あれ、すごくプロレスっぽいんですよ。大日本プロレスっぽい(笑)
Zoe.:ぱっと見AC/DCっぽい。
SATOH:Time Capsule Orchestraのロゴ、80年代スラッシュっぽくて、あっちでいいじゃんって思ってますけど(笑)。
トツ:そもそもさっきの話しに戻ると、CDの媒体が云々と言いましたけど、今回のライブやることで、リハーサルも含めて音源とかを撮る機会ができて、YouTubeに上げるのはいいんですけど、我々が今回のライブに向けて予習するための媒体が存在しないんですよね。この前のもアコースティックやんけ、って話で。あの難解な曲を予習なしで振りに行けと?
SATOH:一発勝負に特化するなら、たとえばELPの「展覧会の絵」みたいにライブアルバムとして作ってくれて、ライブアルバムとして作る前提でライブバンドとしてやるんだったら、それはそれでいいと思うけど、ライブバンドでもないし、曲を作る感じでもないし、よくわからないのが現状。結局、方針、ポリシーが分からない。言ってることはプログレだと言うけど、それ以外は何も分からないから答えが出ない。
Zoe.:結局どこに向かってる?
SATOH:低予算と割り切るといろいろできると思うけど、割り切ると斎藤さんのメジャーっぽさがない。
トツ:斎藤さんのメジャーっぽさと、須藤さんのやりたいスタイルに合わなくなってくる……
SATOH:できることと、したいことが、三分裂している。ケニーと、斎藤さんと、お金。
トツ:お金の心配がなくなったら何をやりたいんですかね? どういう形にしたいんですかね?
SATOH:心配がなかったら、音源作ったりするのかな? 音源を作って、CDを作るかライブをやる。ただライブをやるためにはファンが必要。ファンを作るためには宣伝と音源が必要。あとはライブ。小さなライブですね。小さなライブから大きなライブに持っていくのが基本ですよね。で、宣伝活動とは何かというと、チラシから始まり、ラジオとか、雑誌とか、YouTube。YouTubeには音源が要る。結局音源が必要ということになる。
Zoe.:音源か、映像か、ちゃんとしたものを撮れと。
トツ:たとえば今、文化放送、A&G系のところにライブやるって告知をするとしたら、その時に流せる音源は……タウンニュースホールのライブ?
SATOH:(ランティスの茅原実里担当)鈴木めぐみさんからもらったRe:Contact公演のメドレーか、アコースティックしか使える音源がないんですよね。そう考えると、今の音源でやると壁があるし、かつ「アニソン業界」であってアニメ業界じゃないのと、楽曲もアニメじゃない。そのルートが使えないとなると、コミュニティFMか、マニアックな雑誌か、タワレコとかディスクユニオン。
トツ:そっち側に寄った方がいいんじゃないですかね? タワレコの小さな棚に載せてもらった方が。
Zoe.:客層考えると、もうラジオでもねーなって感じが。ラジオを流している層にはヒットしそうなジャンルではない。
SATOH:そうなるとタワレコとかディスクユニオン。
くの:ディスクユニオン。
Zoe.:それと、それこそYouTube。あのメンツだったらさ、一回リハやって一曲詰めます、ってやったら、ちゃんとYouTubeの動画に撮れるものができるじゃん。
SATOH:一時間練習して一発録りとか。企画モノでいいんじゃない。
Zoe.:一発で一曲録るにしたって、普段のスタジオで一回ツルッてやるものを一曲に集中すれば、ちゃんと録れるモノができるはずだから。
トツ:あのメンバーなら、やってくれるはずです。
SATOH:我々で企画書作ったらいいんじゃないですか(笑)
トツ:YouTubeのプロデュースとかやらせて欲しいね。
くの:ありだと思いますよ。我々株主なので(笑)
Zoe.:YouTube、とりあえず三曲くらい、日本と海外それぞれのフュージョン・プログレ、そのあたりのいわゆるインストモノを、みんながこの曲なら分かるド定番曲、TCOになってから作った曲、このバンドの看板にしたいって曲を……メドレーでもいいけど、最初にやるなら一曲作った方が見栄えがいいかな。それと古くからのファンをちゃんと引き戻すためのCMB時代の曲、三曲くらい動画に作ってドンって出すだけでも人の集まり方が違うんじゃないかな。
SATOH:クラシックなら権利的にも心配ないし、本人の曲なら大丈夫だし、やりゃあいいって話ですね。
くの:ハートカンパニーのアカウントで出すよりも、Time Capsule OrchestraでYouTubeアカウントを作って欲しい。
トツ:そうそうそう。
Zoe.:100%そう。
くの:その方が混ざらなくてアピールしやすい気がする。
トツ:動画編集やるから(笑) 動画編集もミックスもやるから!
SATOH:乗っ取りに来た(笑)
くの:細かい雑務、お手伝いできるならやって欲しい案件があったら……
SATOH:Time Capsule Orchestra株主会が(笑)
トツ:このくらいのモノなら全然やるのにって(笑)
SATOH:思ったんですけど、斎藤さんって、音楽マニア的な視点は弱いのかもしれません。
くの:音楽嫌いじゃないだろうけど、ルーツがそっち寄りではない。
SATOH:ブルーハーツの人ですからね。ジャンルをよく知っているという意味では、ケニーとかに考えてもらった方がちゃんとしているかも?
トツ:ケニーはケニーでネット露出とかの知識が乏しすぎるので……
くの:その辺は馬場さんや岩切さんの方が流れが分かってると思うんですよ。須藤さんにSNSは期待しないんで。
トツ:始めて数日で三日坊主に(笑)
Zoe.:みんな想定したとおりだけど。業界に激震走ったけど、やっぱりそうだったな(笑)
くの:今までゼロだったことを思えば大きな一歩ですよ(笑)
トツ:すごい供給が来る(笑)
くの:斎藤さんもやや古いタイプの人だと思うので。私は、言ってくれればなんかやるんで、データとかサンプル、こういう事例があります的な事例紹介だったらできるし、雑務もやるし、ダイレクトメールを折って封筒に入れるとか……
トツ:本当に雑務(笑)
SATOH:どインディー団体化してますね(笑)
トツ:やれることはいくらでもあると思うから。
SATOH:その辺に戻ってくるんだよな。実は、このTime Capsule Orchestraってバンドの持って行き方がよく分かってない説。
Zoe.:そもそも、客が誰かも分かっていないんじゃないか?
SATOH:勢いで作った感じがある。
トツ:まあ、そうですよね。茅原実里の活動がいったん活動休止して、そこから、何か活動を続けていってファンとの接点を残しておこうというのと、音楽熱想フェスとかをやって河口湖との接点を残しておこう的なものが同時に走って、今手頃でやれるじゃんってTCOでライブを始めて。
SATOH:一応固定ファンはいるから……いわば居抜きですよね。
Zoe.:言ってしまえば、音楽熱想フェスがあったから、とりあえずそこにぶつけました感は大分ある。だからこそあの希望人数、ファンが100人ぐらい残ってる、というところから始めた感はあるよね。
SATOH:正直なところ、タウンニュースホール公演の観客数が少なくて寂しかったです。アイマスやラブライブ!と競合して、しかも神奈川の隅っことはいえ、あれが現状の実力なんですよね。ファンであるほど、客観的な数字を見逃してしまいそうですが、集客が成り立たないと音楽も成り立たないですから。ブロンテも、実はとてもヤバいんじゃないか。
トツ:だと思ってます。
SATOH:ブロンテも150人入りますか? 半分入りますか? ってところだと思う。 ぶっちゃけそこで終わる可能性もなくはないし、斎藤さんがそう煽ってるし……
トツ:やりたいから煽ってるってことはありそうですね。
SATOH:だけどこのまま行きかねない。どこからもテコ入れできずにこのまま行くと、100人くらいになって終わる。一番ダサいパターンだし、どうしようもない。かといって、どういう方法を考えるか、今やろうとすると、絶対に無理があるし、せめてこの機会を次のPVのために使ってくれと思ってるけど、次があるかもわからない。手詰まり。正直6月はどうしようもない気がする。でも、そこで録音と映像をやってくれて、「21世紀のスキッツォイド・マン」を配信に出してくれたらバズれるんじゃないか(笑)
トツ:本気でそうだと思います。
SATOH:キング・クリムゾンはマニアがいるし、そういう風にやってくれれば……
トツ:本気でやるならこれでアプローチして欲しいですね。発想的には、チャンババが思いつくことが一番正解に近いんじゃないかなって思います。
くの:あー、確かに確かに。
トツ:それこそ、馬場ちゃん界隈の人で、タメシビキの人……アニソン界隈でギター弾いてる人のYouTubeチャンネルで、7万登録近く、すごい再生数を稼いでいる人がいる。山口和也さんっていうんですが、音楽マニアが好きなことをうまくやってる感じがあって。

お金をかけずにやるなら、須藤さんが今持ってる機材について解説するとかでもいいんですよ。
くの:須藤さんひとりだと喋らないから、インタビュアーが欲しいですね。
トツ:それは斎藤さんが行ってやればいいんですよ。
Zoe.:その手のお金かけない系は「えんちゃんねる」ってシリーズがあるから、あれをこのメンバーでやれるなら大分面白いんじゃないかな。

SATOH:音楽でやろうとか、今までの方法でやろうという風に、低予算でやろうとするから空回るのかな。
トツ:個人なら低予算でできることでも、その額で企業に依頼するとクオリティが担保できないこともあります。同じことをやるだけでも大変でしょうね。
SATOH:身の丈に合ってない?
くの:会社である以上付き合いもあるだろうけど。本当にバンドの公式Youtubeチャンネルが欲しくて。いっそチャンババ熱想とか釣り風景をYouTubeに上げてくれるだけでもワンチャンあり。まあ音楽がいいけど……
Zoe.:それが最低限だよね。今までのふるいを通り抜けてきたファン以外の人を、外側から連れてこなきゃいけないわけだから。今斎藤さんがやってるのは、ふるいから振り落とされた人をもう一回連れてくることばかりやってて。
トツ:一度ふるい落とされた人は、たぶん茅原さんが戻ってこない限り、なかなか難しいでしょうね。
SATOH:もはや、もう戻っても来ないでしょう。諦めていいんじゃないですか?
Zoe.:その層はないものと思った方がいい。むしろ、他の層を拾ってこないといけないんじゃないか。
SATOH:我々が分かることがなぜ分からないんだろう、みたいな話になりますけど……
トツ:分かってるけど、希望的観測というか……
Zoe.:そこを認めるといろいろなものが崩れてゆくのかなと。
トツ:こういう風にやってるんだというのが瓦解する可能性があるから。
SATOH:確かにビジネスとして成り立つテンプレには沿ってないから。でも、テンプレに乗ってたらプログレなんてできるはずはないでしょ(笑)
一同:(笑)
トツ:それもそうなんですよ。そういう音楽じゃない。
SATOH:プログレって、音楽があってから始まるから。
トツ:プログレッシブの部分を忘れてるんですよ(笑)

株主の叫び

SATOH:やばいです。あと15分です(笑)
くの:書き起こしが全然できそうにないやつですね。
SATOH:書いちゃいけないことが多すぎるの(笑)
Zoe.:逆に書き起こしの手間は省けるかもね。ここからここまで書き起こさないやつ、って飛ばしてもいい。
SATOH:本当はTCOのブロンテに向けて、音楽的に深掘りした記事で盛り上げていけたらいいなと思ったけど……
Zoe.:TCOの宣伝にはならなそうだね。
くの:全然初心者向けじゃないですね
SATOH:超上級者向け。
トツ:宣伝にするなら何をすればいいんですかね?
くの:この曲がいいとか、ここが見どころって話をすればいいと思うんですけど……
SATOH:これもう一回やる?(笑)
Zoe.:結局問題は、「これがよかった」の半分以上、音源がないことなんだよ。
SATOH:それを考えると、宣伝しようとすること自体が無理。
Zoe.:我々に宣伝をさせろと(笑)
トツ:ホントにそう。音源がないのが問題で、CDがあれば、このCDから曲が出るはずだから、このライブでこの曲があるから聴きに来てねと言えるはずなんだけど、「この曲いいよ」と薦めたところで、それがライブで聴けない可能性が高い。
SATOH:「ちゃんと音を録音してくれ!」 「YouTubeに配信してくれ!」という、このふたつ(笑)
Zoe.:まず新規の人間が入ってくる環境を作ろう。
SATOH:それか、ライブバンドとしてやっていってくれと。
くの:ライブバンドとしてやるにしても、動画は上げて欲しいわけですよ。
Zoe.:ライブバンドとしてやるなら、なおさら、動画をダイジェストとして上げるだけでいいんだよ。
SATOH:そもそもインスタで上げていいなら、YouTubeで上げていいんじゃ?
くの:そうそうそう。
トツ:YouTubeに上げるべきものが上がってない。
SATOH:気の抜ける結論になりましたね。
Zoe.:今回のチケット設定で一番謎なのは真ん中(グッズ付きチケット)だけどね。真ん中が本当に「誰が買うの?」ゾーンなんだけど。
SATOH:普通のチケットに、Tシャツとトートバッグで10000円プラス。原価が分かるだけに、計算できちゃうんですよ。ここだけ明らかに高い。あと、ファンがいたときに買える記念グッズがガチャしかない。Tシャツくらい売ってくれよって話に。
トツ:ほんとそれなんですよ。もっと言うと、VIPチケットで55000円出してますけど、もう一個Tシャツ欲しいんですよ。
Zoe.:普段使い用に。
トツ:そのためにもう一枚チケットを買うのが正しいのかな? って思って、やめたんですよ、一応(笑)
SATOH:二万円のTシャツ(笑)
Zoe.:サイン入っちゃったら明らかに使いづらいからね。
くの:着てくれとは言ってたけど、サイン入ってないやつを着たいですね……
Zoe.:トートバッグはそんなに洗濯しないから、まだサインが入っても使えるけど、Tシャツは洗濯するんだよ!
トツ:使わないやつを額に入れて置いておきたいんですよ。
SATOH:サインも、せめて防水でやってくれ、と。
Zoe.:もうちょっといろいろ考えてくれ(笑)
SATOH:株主がお手伝いしますから!!!!(笑)

あとがき

現実は厳しい。しかし、できることはまだまだある。
今も世界中で星の数ほどバンドが生まれ、その多くは瞬くように消えてゆく。離合集散の果てに原型を無くすバンドもまた数知れず、分裂、訴訟も日常茶飯事である。
Time Capsule Orchestraがどの道を行くかは、まだ分からない。間違いないのは、最後に音楽だけが残ることだ。

私たちは2023年を生き、Time Capsule Orchestraという一つのバンドとともに人生を過ごした。各々の感じたことを記録したいがために、会議を開き、記事にした。そして、「もしも自分なら、こういうことをしたい」「音楽マニアに届くには、こういうことをしたらどうだろう」というそれぞれの考えを持ち寄り、明らかにした。
聖飢魔IIのデビューアルバムに対する「BURRN!」誌の0点クロスレビューのように、書かれたものは時を経て記録になり、伝説になる。Time Capsule Orchestraとは何だったのか、ということを、公式以外の誰かが記録にしなければ、記憶の隅に忘れ去られてしまう。そのために、こうして記事にした。

音楽が続くことを、心より願う。

おわりに

トークの主題となったプログレッシブロックバンド、Time Capsule Orchestraの初エレキ編成ライブ、その名も「ELEKI de BURN」が6月17日に開催される。同日昼にはトークイベント「TALK de BURN」も行われる。
VIPチケット・グッズ付きチケットとも販売終了しているが、一般チケットは5月13日から先着順で購入できる。
2023年は「太陽と戦慄」「恐怖の頭脳改革」など、数々のプログレ名盤が50周年を迎える年だが、そんな中で、こんな時代に、新たなプログレバンドが生まれてしまったのだ。マニアには、ちょっと覗きに来てほしい。