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響けユーフォニアム3第9話 感想&考察

響け!ユーフォニアム3の第9話が個人的に素晴らしかったので私が感じた感想と考察を書いていきます。

もちろんネタバレを含みますので、見ていない方はご注意を。

前回の8話でもかなりギスギスしていましたが、8話とは比べ物にならないぐらいギスギスした回でしたね。このギスギスが響けユーフォニアムの真骨頂でもあるんですけど、流石に見ていて胃が痛い。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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滝先生がコンクールメンバー以外は、席を外すようにとかなり残酷な言葉を放つ。府大会から関西大会のメンバー入れ替えは3人程度だった。久美子は奏を心配そうな顔で声をかける。奏は「練習後にでもお話しさせてください」と部屋から立ち去る。BGMと奏の後ろ姿も相まってつらいシーンでした。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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橋本先生が「今年は無茶苦茶ピリピリしている」と指摘。渾身のギャグをかまして生徒全員を元気づけようとしたが、どんずべり。個人的には、新山先生にドン引きされているのが好きでした。

橋本先生恒例の「音を楽しむと書いて音楽」の説明を滝先生が変わりに説明する。橋本先生が「本当にわかってる?」と滝先生に投げかけた。
これは、滝先生に「編成が変わることで生徒たちも楽しんで演奏をするのは難しい、本当に生徒たちが音楽を楽しめる環境?」ということを橋本先生は間接的に伝えたかったと感じています。ここら辺は、滝先生が指導者としてまだまだ未熟であることを表現したいいシーンだと感じました。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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練習後に真由が「ソリを変わろうか」と久美子に話しかける。そしたら、すごく怖い「どうしたの~?」と笑顔で返事をする。まるで、ヒステリックになる一歩手前の包丁で刺してくるヤンデレのような優しくもあり、怖い声質であった。いつものようにギスギスを会話を行った後、久美子は本当に気にしていないからとその場から無理やり立ち去った。

久美子がどこにもやるせない心情も理解できて、真由のソリを吹きたくない気持ちどちら目線でもつらいシーンでしたね。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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部屋の戻る最中に奏に話しかけられる。奏にこんなスピードで歩いていたら、(楽器が)危ないと指摘される。これは、久美子が表面的に感情を表していないが、久美子自身のどこにもやるせない怒りを表しているのではないかと感じています。奏を慰めるのを忘れていたのも、自分のことで精一杯であることを表現していると推察します。

奏の「なぐさめて」というあざとさ全開の後輩ムーブに久美子は「めんどくさ」と失言する。(失言王としての風格を取り戻す)3年生編に入ってから全く失言していなかったのは久美子が部長としての責任感を持っていたからだと思っています。この奏との会話は久美子として奏に接していたからでた失言だと推察しました。このシーンで意外と久美子の一番の理解者は奏ではないかと感じました。

奏は久美子に滝先生についての不満をぶつけた。今年に入ってから優柔不断すぎると。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』

久美子と奏のやり取りで、奏は自分が落ちることを予測していたと発言。後藤先輩が抜けた穴は大きいことはわかっていた。個人的には、後藤先輩が再評価されていてとても嬉しかった。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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花火のシーン。奏が落ちるのはあり得ないと滝先生の愚痴を言っている3人組を呼び出して説教。流石に小さな愚痴レベルを呼び出して注意するのはかわいそうだと感じました。と同時に麗奈の滝先生猛進度合いも感じられたシーンでした。私は麗奈の考え方について、強豪校にとってはとても合理的で正しい考え方だと考えていますが、麗奈の注意の仕方では暫定的な解決でしかないので根本的に解決させるためには、滝先生がオーディションの選考基準を明確にし、生徒に伝える義務があると感じました。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024

選考結果について不満をもつ秀一がかわいすぎましたね。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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パーリー会議(パートリーダー会議)で麗奈が「オーディションに落ちてやる気がない子はやらなくていい」と発言。淡々と努力し続けられる麗奈であるからこその発言でとてもよかったと思います。その発言でパーリー会議はどんどん重苦しくなっていく。久美子が場を収める時の無理やり作った笑顔がつらすぎる。

そして、パーリー会議が終わった後も幹部同士で意見が食い違う。麗奈は「おととしや昨年度は結局全国金賞取れなかったんだから、やり方を変えないといけない」秀一は「こんなに部員たちを締め付けるのは良くない」という考え方だ。

イメージ的には、麗奈は実力が高く近寄りがたい存在「高嶺の花」だが、秀一は、フレンドリーに接している分ちょっとなめられていて、相談しやすい人柄だと私は感じている。なので麗奈には、1年生や2年生の今まで溜まっている滝先生や麗奈への不満がサリーや秀一で止まっていることを気づいていない。だけど、オーディーション行ったことで不満が表面化されたことで、オーディションのことだけで滝先生に不満を持っている人が多い風に映ったのだと考察しました。

麗奈に「久美子はどう思うの?」と投げかけられたときに、久美子は「麗奈の言うとおりだと思うよ」と答えた。麗奈は傷ついた表情を見せ、その場から立ち去る。友達が傷つかないように安全な方を選んだのだと、麗奈には解ってしまうのだろう。もしくは、中学生の時の久美子と今の周りに合わせている久美子を重ねてみてしまったのであろうか。


©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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緑輝は、「部内が荒れている一番の原因は滝先生。真由と久美子はほぼ実力は同じ」という意見。久美子の実力が100で真由の実力が101ならば、部内が収まる実力が100の久美子をとるべきだと考え方。
緑輝は、周りが客観的に見えている子なので下級生が不満がたまっている重大さに気づいており、そういった意見になっているかもしれません。(求を世話してただけはある)
逆に葉月は、「シンプルに実力で選ばれていると思っていた。だから昨年も納得できた、今年目指して頑張れた」と意見している。1年、2年オーディションに落ち続けてきたからこその葉月のすごく重い発言。男らしくかっこいい言葉だと思いました。
まさかここ2人でも意見が分かれるとは思ってもいませんでした。

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会2024
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宇治川のシーン。麗奈はもう一回「滝先生の判断はどう思う」と久美子に話しかける。久美子は「滝先生の方針は理解できないっていう人に蓋を重ね猛進しろは無理がある」と語る。ついに、麗奈の前で久美子の本音を明かす。
今まで、麗奈の様子を伺って意見を合わせてきた久美子の成長を感じた瞬間でした。

「自分の努力不足を棚に上げて、思い通りにいかないってそんな言い訳か文句が大半」と語っている。麗奈ほどストイックで真っすぐ努力できる人であれば、逃げ道を自分で塞いでいるが、ほとんどの人は無意識に苦しくなった時に逃げる逃げ道を作っているのかもしれない。麗奈が”特別”になるために努力してきた努力量と麗奈の心の強さが垣間見えたよいシーンだと感じました。

去り際に「部長失格ね」と吐き捨てて、久美子と別れる。その言葉で、久美子が傷づいたことを久美子の瞳が揺れ、小さく息を吸う表現で表している演出。京アニの天才的な演出だと感じました。

久美子は泣きじゃくるわけでもなく、「ここでお別れじゃないだけましか」と思いながら呆然と家に帰るっていうのが響けユーフォニアムらしい表現だと感じました。本当に悲しいときは、涙が出ないのかもしれない。


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