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年間1,000時間プログラミングしていたエンジニアが業務ハックを担当して気づいたこと

みなさんは業務ハックエンジニアという職種をご存知ですか?最近ではDXという言葉が流行っていたり、xOpsという言葉もあります。それらを担当する職種です。この記事では、プログラムを学び始めて17年目、バックエンドエンジニアとして働き始めて9年目のエンジニアが、業務ハックを担当して一切プログラミングをすることなく1年を終えて、気づいたことをまとめました。

この記事は GYOMUハック/業務ハック Advent Calendar の20日目の記事です。
Text by 浦野昌平 ( @s_runoa ) / 業務ハックエンジニア

業務ハックエンジニアは他のエンジニアとここが違う

まず業務ハックエンジニアとは何を担当するのでしょうか。プロダクト開発では、バックエンドエンジニアは自分でプログラムを書くことでプロダクトを改善します。バックエンドの処理をFirebaseで作ったり、Unityをベースにゲームを作ったりすることはありますが、まったくプログラミングすることなしにプロダクトを作ることはできません。私自身、バックエンドエンジニアを担当していたときはPerl, PHP, Rubyなど様々なプログラミング言語を使ってAPIやAdminの開発をしていました。

一方、業務ハックでは、SaaSを導入することで業務を改善します。顧客に新しい価値を提供するバックエンドエンジニアと違い、運用を改善するには自分で作らなくてもいいというのが、業務ハックを始めて最初の気付きでした。

自分で作る場合はまず最低限の機能を整えて、そのあと少しずつ整えていく必要がありますが、SaaSの場合は最初から最大限の機能が揃っています。その分お金をかける必要はありますが、エンジニアが工数かけて開発・保守する必要がなくなるため、年間数千万のコスト削減になっていると言っても過言ではありません。最低限な機能で間に合ってるときはSpreadsheetで十分ですが、複雑なことをするならSaaSの導入がお勧めです。

業務ハックに求められるスキルは非常に幅広い

これだけだとエンジニアのシステム設計と開発が、SaaSの調査と導入に変わっただけに見えるかもしれません。しかしここの工数が小さくなった分、業務改善前後の必要なスキルが増えているというのが1年間担当してみた印象です。

まず前提として必要になる各種SaaSの知識、改善対象の業務に関するドメイン知識、そして現状の業務への理解が必要です。更にプロジェクトが始まるとSaaSの導入だけでなくプロジェクトのマネジメント、新しい業務設計もやりますし、導入が完了したらその業務を現場の運用チームに浸透させるのも業務ハックエンジニアの役割です。プロダクト開発ではそれぞれ別のメンバーが担当しますが、業務ハックではそれを一人で担当することもあります。様々な分野に関するスキルが、広く浅く必要になります。

幅広いスキルが必要になる分、様々なバックグラウンドを持つ人が活躍しやすいのも業務ハックの面白いところです。

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世の中のSaaSは想像以上に充実している

これらのスキルの中で一番大事なのは、そもそもの仕事道具にもなるSaaSに関する知識です。社内で必要な業務の種類はそこまで多くありませんが、世の中には非常に多くのSaaSがあります。「SaaS カオスマップ」を調べてみると、改めてその豊富さが分かりますね。一つの領域にも複数のツールがあり、それぞれのツールにいろんな特徴があります。このような項目で他のツールと差別化をしています。

・ツールの目的、解決したい課題
・できること / できないこと
・料金プラン

特に大事なのはツールの目的や解決したい課題です。できることが一見同じでも、ツールの目的が違うと細かい使い勝手に違いがあったり、新しく開発される機能が違ったりします。ここを間違えると導入したことで逆に業務が滞るなんてこともあり得るため要注意です。業務ハック担当者はこれらの特徴を把握し、自社に合ったものを選択する必要があります。

業務をハックしてみたい方へ

いかがでしたでしょうか。この記事を読んで少しでも業務ハックに興味を持ってもらえたら幸いです。プログラミングスキルを極めるだけではなく、業務に関する幅広いスキルを活用したいエンジニアの方、普段働きながら効率化を考えるのが好きな方はぜひチャレンジしてみてください。私と同様にバックエンドエンジニアのバックグラウンドをお持ちの方はシステム設計の経験を、ドメイン知識をお持ちの方は業務知識を活かせるためお勧めです。

弊社のアドベントカレンダーではこんな記事も書いているので更に興味がある方は読んでみてください。


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