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明日生きるための一曲 1/14 大槻ケンヂと絶望少女達 / 林檎もぎれビーム

絶望先生のオープニングテーマ。タイトルでネタ曲と決めつけてはいけません。

何かが好きで好きでたまらない人の、好きすぎるゆえの葛藤みたいなものを、アニメのオープニングにしちゃったところがチャレンジングだし、感動的ですらあります。

君が思うそのままのこと 歌う誰か見つけても
すぐに恋に落ちてはダメさ
「お仕事でやってるだけかもよ」

ただこの曲に対するそんな思いすら「お仕事でやってるだけかもよ」という言葉で揺さぶられてしまうのも構造的に面白いです。しかもそれを声優に歌わせるのは…笑

これは大衆音楽に顕著に現れる特徴だと思うんですが、作り手側はわりとドライにというか、仕事として楽曲を作ってる方が多いと思うんですよね。これは曲を大量生産しなければならない厳しいアーティスト側の環境だと思うのですが。しかし、ただ受けとる側の私たちはそれに大いに感情を揺さぶられたり、時には人生まで変えられてしまう力があります。

そんな作り手側と受けとる側の落差に気づいたとき、本当に好きだと思っていたコンテンツが、急に自分とは無関係な、無機質なものなんじゃないかと、「絶望」感を味わうかも知れません。

だけど 想い 止められぬなら
信じ 叫べ 合言葉

「好き」って言葉、感情ってなかなか言語化するのが難しいですが、だからこそ非論理的に、自分の理性でコントロール出来ない快感を得られる手段なんじゃないかなと思ったりします。

極論言っちゃえば人生に意味は特にないわけで、いい学校に行き、お金を稼ぎ、家族を養い、幸せな人生を歩んだところで、だからなんなんだっていうニヒリズムっぽいところに行き着いちゃうと思うんですね。

だから私は、好きなことを、無条件な喜びを与えてくれるものだけ信じたいと常日頃から思っていて、この曲はそんな思いを代弁してくれている気がするのです。(お仕事でやってるだけかもよ)

「でもそれでも好きね 合言葉を言って」

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