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習作1(その10):強制労働

短文を書きました。小説の一項になるにはどうすればよいかアドバイスをください。

強制労働

「その高いラーメンって、1杯2万円のラーメンですか?」
「うちは、時価だから、3万円の日もあれば、2万円の日もある。」
「どんなに高くたって1杯2万円はないでしょ。
「それはあんたがそう思っているだけのこと。」
「それなら、1杯2万円しますよとか、時価で高いですよってメニューかお品書きかに書いておくでしょ」
「書いてありますよ。あなたが見ていないかっただけです。」
「あの警察官もぐるだな。」
「よくお世話になっているだけです。」
「あの人、言ってたでしょ、うちのラーメンは高いから食べたことないって。うちは値引きはしないので、誰にもただで食べさせたりはしないんです。」
「よけい、意味がわからん。」
「いいじゃないですか、外に出してあげたんですから。」
「何人も、無銭飲食の濡れ衣で捕まえて、外に出しているのか。」
「そんな面倒なことはしたくないですが、無銭飲食の方が後を絶たないもので。」
「そんなことをして楽しいのか?」
「良い素材を使って、良いラーメンを提供することは楽しいことですよ。」
「高い寿司だって、あるが、払える人しか行かないようになっている。誰でも入れる店で1杯2万円のラーメンはおかしい。」
「では、あなたも2万円のラーメンを食べることができる身分になってみたらどうですか?」
「できるくらいならやっている。」
ご希望に添えないメールが心をよぎった。
「この畑で働きませんか?ラーメンを食べられるくらい稼げますよ。」
こいつら、こうやって、労働力を確保しているのか?
新手の強制労働じゃないか?
「冗談じゃない」
「では、留置所に戻りますか?」
「ちょうど日も暮れそうになって来ました。」
人の弱みにつけこみやがって。
結局、私は、この畑で働くことになった。
農業なんかやったことないのに。
畑はあたり一面だそうだ。
寝泊りできる空き家になっている農家もあるそうだ。
手回しのよいことだ。

読んでいただけると嬉しいです。日本が元気になる記事を書いていきます。