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習作1(その1):日が沈む

短文を書きました。小説の一項になるにはどうすればよいかアドバイスをください。

日が沈む

霞が関から神楽坂に向かう道中には最高裁判所、国立劇場、英国大使館が並ぶ。そのまま進むと道は靖国神社に突き当たる。靖国から武道館を右手に見て早田通りに入る。秋の午後は冷え込みが早い。お堀端では汗ばんで、上着を脱いだが、もう一度羽織りたくなる。小一時間歩いて飯田橋の手前。立て替えられた巨大なビルの前で腰を下ろした。飯田橋まで道は下り、日も暮れる。太陽がビルの間に吸い込まれそうだ。
 
約束の時間までまだ間がある。上着を着ても少し寒いが、どこかの店に入る気がおきない。今は500円を使うのに気が引ける。
 
通りをテイクアウトのコーヒーカップを手にした大学生が通りすぎる。自分は学生より窮しているのか。
 
寒さのなか、ビルの前の石のベンチには50歳代に見える男が一人、二人、三人。500円を惜しむ同士かもしれない。
 
飯田橋も中華の激戦区だ。餃子の有名店、餃子の店「おけ以」、「大勝軒」飯田橋店、「中華そば青葉」が3軒軒を並べる。角には家系ラーメン。駅に近いところには、濃厚鶏白湯らーめん「麺屋一楽」。以前なら約束までの時間、どれかを食べたことだろう。今は寒くても入らない。








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