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チヤホヤされるということ

夫の母(92)が 癌になりました。本人の希望で、年齢も年齢なので積極的な治療はしません。在宅で(なんと、ひとり暮らしです)このまま過ごして病気が進行して1人で暮らせなくなったら緩和ケア病棟への入院を希望しています。長く一人暮らししていたので 子供達との同居など考えられないと言います。現在は訪問診療と訪問看護を週4日受け、子供達や友人が変わるがわるやって来ます。外には出ませんが、家の中では わりと元気に日々を過ごしております。介護保険の申請もして、いざとなったら緩和ケア病棟に入院するために、継続的に病院の面談を受けています。本人は外出しないので私が代わりに受診しています。

義母の人生の中で こんなふうに周囲の みんなからチヤホヤされたのは久しぶりのようです。「病は気から」とは よく言ったもので病気がわかった時期こそ、少し落ち込んで体調も悪くなっていました。  しかし 1か月ほど経って 開き直ってからは とても元気に過ごしております。みんなのチヤホヤが効いてきたのです。食欲も戻り日々笑顔で、みんなに感謝の気持ちを振りまいています。今までも特に悪い人ではなかったと思いますが なんせ、ものすごく健康だったため、歩くのは早いし、階段も普通に上がるし、同年代の人と動きが違うため、まわりの体調や足の悪い人たちになんで?とは思っても、動けない気持ちに思いを馳せる事はできなかったそうです。病気になって やっと気持ちがわかった、と言ってました。

まあそれはさておき チヤホヤ、というのは人に生きる希望を与えますね。義母を見て あらためて人を気にかける事の大切さを感じます。病気がわかる前、90になった頃から夫に 年齢的に いつ死ぬかわからない義母に「夫自身が後悔しないために」会える時は会っておくように、と伝えてありました。共感した夫は月に一回ほど義母のところへ顔を出すようになっていました。病気がわかってから回数がさらに増えて 親子としての終末期を過ごしています。疎遠だった娘も会いに来て世話を焼いてくれるようです。近所の友人たちも ずいぶん気遣ってくれています。そして みんなが気にかける事で うれしくてどんどん元気になり性格までよくなるのです。

みんなが もっと身内や、近所のお年寄りを気にかけるだけで みんな笑顔の平和な世の中になるような気がします。

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