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Salon de Verde パーソナルコーディネート お買い物同行/わたなべますみさん編

書くのを忘れていました。
それほどに、今回はあっという間に決まってしまって自分的には最短記録だったお仕事でした。苦労した印象がない分、忘れていたというわけです。ダメです。

普段の私の仕事でも時々、こういったケースがあります。
多分、かかった時間は5分ぐらい。
確信しかないので、私的には「これ以上のものはもう出ません」と思って、大満足でお腹いっぱい。そしてやり切った感で「もう何も必要ない。満たされました」となる現象。。。それほどにパーフェクトなコーディネートが最初に入ったお店でできてしまったのです。

しかし!
クライアントのわたなべますみちゃんもきっと私と同じ気持ちでいるだろうと思いきや、
「これはこれで頭に置いといて。他も見たい」
とおっしゃいました。まじか?これ以上のものがあると?

何軒か回って、結局最初のコーディネートをご購入されたのですが、購入後のお茶の時に「だってパーソナルコーディネートの時間枠まだあるのにもったいないやん?」とその時の心情を教えてくれました。確かに、それは言えてる。

私のパーソナルコーディネートお買い物同行の持ち時間は約2時間。たった5分で、しかも1軒目で決めてしまってはダメでしょ。他も一応見て回って確かめないと。

「でもでも、これ以上のものはないってば!」と、私は心の中で思いつつ、決めたコーディネートの商品が「他を回ってる間に売れなきゃいいがなぁ・・・」と少々心配になりました。
私には、あれ以上のコーディネートができそうにない気がしていました。どうしよう、あの中の一枚でも売れてしまったらあのコーディネートは完成しないのだが・・・。ますみちゃんのサイズ、一点しか無かったしなぁ。。。


買い物には“タイミング“ってものがあります。
普段、お店で接客していてよくあるパターンですが、お客さまが試着されて、とても似合っていて本人も大層気に入っている。なのにご購入に至らない。
「すごく欲しいけど・・・ちょっと考えてから出直してきます」
などとおっしゃる。

こういった場合、「あ、もう二度と来ないな」とわかります。
何故なら、何か理由があって買わない決断をしたのですから、もうその服を買うタイミングは失われたと言っていいのです。次に見つけた人の手に渡るのみ。
その理由は大抵の場合、お値段の問題であることが多いです。予算オーバーではいくら気に入っていても仕方がありません。でなければ購入に至っていたはず。そんなケースは山ほどあります。

しかし、今回は違います。
めちゃくちゃ似合っていて、しかもますみちゃんは値段はさほど気にしていないご様子です。しかし購入の決断はその時はしなかった。

「余り時間もったいないもん」という真っ当な理由で。致し方なし。こうなったら、答え合わせの旅に出るしかありません。先ほどのコーディネートが唯一無二であることを、他のお店を回ることで証明してみせるしかない。
でも、私の中ではすでに決まっているのです。さっきのあれ。あれしかないっしょ。だってだって、今回はとある「目的」があったからです。


今回の目的。
「ステージ衣装」

なんと、ますみちゃん、シンガーとして舞台に立つのです。
ボイトレに通っているますみちゃん、同じクラスにはプロのシンガーや俳優さん、声優さんなどたくさんいる中、ライヴ会場のステージで、しかもソロで、一人一曲、いわゆる発表会みたいなイベントに出演なさるという。

その話を聞いた時、鳥肌が立ちました。そして大きな課題に果敢に挑戦するますみちゃんに感動と共に大尊敬の念を抱きました。本当にこの人はいつも何かに挑戦している。。。

わたなべますみといえば「お料理の人」でしょ?違うんですか?
最近、「お箸で食べるスパイスごはん」というレシピ本を発表されたばかりです。
私も早速購入させていただきました。
まだの方はぜひ!敷居の低い、誰でも作れる、愛に溢れたエッセイ本のようなスパイス料理レシピ本です。読み応えたっぷり!写真も豊富でどれもこれも作りたくなってきます。

閑話休題。

今回のオーダーは、シンガーとして舞台に立つためのステージ衣装です。
そう聞いて私は「ここしかないでしょ!」と、あるブランドが頭に浮かびました。
そして、その店舗のある場所をいくつか思い浮かべ、その中でもかなりの商品数を確保する売り場面積を誇るこのSCをお買い物同行の場所に決めました。

実はこの日は本チャンのお買い物日ではありませんでした。いつもよりも少々ハードルが高い「ステージ衣装」という課題に、私は一抹の心配を抱いていたのです。(念のために言っておきますが、一抹の「不安」ではありません。私は自分の仕事に不安という文字はない。「心配」です。あくまでも)

普段に着る、あるいは仕事に、などという通常の服選びの場合はいくらでも見つける自信はありますが、ステージ衣装となると話が違います。まず、歌う曲のイメージに合ったもの、そしてますみちゃんに似合うもの、またステージ映えするもの、となれば、幾重にもハードルが重なります。

見つからない場合、場所を変え、日にちを改める可能性もある。なので買い物のイメージを高める目的もあり、ますみちゃんとお買い物本チャン前に少し話し込みをしたいと思い、ランチに誘ったのですが、もしかしたらそのまま下見を兼ねて買い物に流れ込んだほうがいいかもしれないと思っていました。その時の雰囲気と、もし見つかった場合はそのタイミングを逃したくない。それほど今回の買い物はある意味「狭き門」だったと言えます。

だがしかし。
そのランチの後、下見気分でそのブランドに行ってみたら、秒で見つかってしまった、というわけです。
私的にはめちゃくちゃ達成感です。本当に、こんなにドンピシャで、イメージ通りのコーディネートができるなんて、なんてラッキーなんだ!です。

しかししかし、2時間という自らがセッティングした枠ゆえ、他も回ることになってしまいました。いえ、その方がクライアントにとっては圧倒的に正当であり正解です。時間いっぱい、他の提案と色々見比べて、あぁやっぱり最初のあれがいいですねと納得していただくことで初めて私の仕事が評価されるわけですから。
いざゆかん。

で、どうなったかというと。
ま、想定内です。やはりどれもこれも「フツーだよね」と。仕方がありません。普通の服を普通に買うために服屋というのはあるのでした。

素敵なお洋服は他の店でもたくさんありました。でも、“ステージ衣装“となるとインパクトに欠ける。そして“映え“がない。それでなダメなんです!今回はステージで歌うますみちゃんを圧倒的に輝かせるという使命が私にはあるのですから。

何軒か回って、ますみちゃんがお化粧室に行かれました。私はその間も何か目ぼしいものはないかと他の店を見て回ります。しかし見れば見るほど、私は先程のコーディネートがやはり一番良かったと確信めいた気持ちが強くなっていきます。どうかどうか、売れていませんようにと祈るばかり。

なかなかますみちゃんが戻ってきません。広いSC内は日曜日ということもあってたくさんの人で賑わっていました。きっとお化粧室も人が並んでいて、思った以上に時間がかかっているのでしょう。

私は腹を決めました。ますみちゃんが戻ってきたら、
「やはりさっきのが一番いいと思う。ここは迅速にあのコーディネートを確保した方がいいのではないでしょうか」
と、ご提案しようと思いました。

ようやくますみちゃんが戻ってきました。すると開口一番、私にこう言いました。
「待ち時間の間にさっきのコーディネートのサイトを見てきたんだけど、ネットにないのよ。あれ、今日買うわ!そして予定していた日に再度パーソナルコーディネート頼んでいい?その日にもしももっといいのがあったらそれはそれで買うし、でもやっぱりさっきのあれは今日確保しておきたい!」

おおお!!!何という決断。何という太っ腹!!!

しかし、私はその必要は無いと申し上げました。
なぜなら、最初から私の中では決まっていたからです。あれ以外に考えられないと。

一発目のショップで5分で決めたコーディネートはこちらです。

アースカラーでまとめたナチュラルかつ大胆なコーディネート。ますみちゃんの持つ独自のおおらかさやダイナミックな存在感が映える着こなしを実現。どや!


最初に目をつけたのは柄のパンツでした。この色、柄の大きさ、インパクト大です。このパンツを中心に、ゴールド糸と黒のストライプのニットタンクトップ、上から羽織るカーキの麻のワンピース、シルバーの大ぶり二連ネックレス、甲にゴールドの飾りが付いた黒のフラットサンダルを合わせました。

ますみちゃんの大胆でおおらかなイメージがこのパンツを中心にした少々難易度の高い“映え“コーディネートとリンクしました。今すぐマイクを持たせたい堂々たる着こなし。さすがです。

これ以上のものが見つかるとは到底思えません。
店に戻った時、売れてなくて良かったです!

実は店に戻った時、売り場にはありませんでした。まさか売れちゃった?スタッフさんに聞いたけれど見つからず。それでも諦めきれず、試着後に売り場に戻される前に一旦集めておくラックの中から執念で探し出した時は本当に安堵しました。

買い物はタイミングです。この日に、ますみちゃんがこの決断をしてくれていなかったら、二度と手にはできなかったものたち。
最強のコーディネートで思いっきり自信を持って、ステージに上がってください!
健闘を祈ります。

〈今回のお仕事内容と料金〉
*内容 パーソナルコーディネートお買い物同行
*場所 ラゾーナ川崎プラザ ZARA
*時間 約2時間
*料金 15,000円

*パーソナルコーディネートのご相談、お問い合わせはXのDMまたはこの記事のコメント欄でお待ちしております。
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*この記事内容及び画像はクライアントの許可を得ています。

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