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ワインに感じる自由とロマン

葉巻の吸い口をカットする瞬間からワクワクが止まりません。そして、じっくりと火をつけて「君はどんな香りかな?」と想像するのもたまりません。

2/3のタカーシーさんの日記より

これを読んだとき、私のワインに対する想いと同じだ!と思ってとても嬉しくなりました。

本格的にワインを飲み始めたのは4年前くらいからでしょうか。それまでは毎晩の晩酌は断然ビール派でした。
仕事終わりの一杯はグイッとのど越しよく、その日のストレスも身体の疲れも渇きも、全てを洗い流し、潤してくれるようなキンキンに冷えたビール。サイコーです。

それがこのnoteを始めてから、少しずつ趣味嗜好に変化が訪れました。
まず、noteを始めたきっかけからお話しましょうか。

13年前にTwitterを始めて数年が経った頃、フォローしていたイラストレーターさんの繋がりから林 伸次さんを知りました。
林さんが、以前cakesで掲載されていたコラム「ワイングラスの向こう側」を読むようになり、ワインに興味を持つようになりました。

林さんは奥渋谷でワインバーを経営されており、著書も数冊出されている作家さんです。cakesがなくなってからはnoteで記事を掲載されています。

リアルにバーでシェイカーを振りながらプライベートの時間に小説を書き、日記を綴るように軽やかに毎日noteを更新されている林さんの文章が面白くてファンになりました。私がnoteを「読む」から次第に「書く」に変わっていったのは林さんのコラムと小説の影響が非常に大きいです。

私が毎日飲めるワインなど、値段も種類もたかがしれていますが、それでも色々と試していくうちに、自分好みの味というのを定めていけるようになりました。

若い頃は甘くてフルーティなドイツの白ワインしか飲めなかったのですが、料理に合う甘味の少ないすっきりした白ワインの美味しさに気づいてからは、すっかり辛口派になりました。
その後、ワイン通の方達の話を聞いたり、ワインに関する専門書などを読むうちに、段々と赤ワイン派に移行していきました。

産地の違い、葡萄の種類、国や地域、気候や地盤の土によってもあらゆる味わいの違いがあり、同じ種類の葡萄でも国や地域や製造過程の違いによって全く違う仕上がりになる。こんなに奥深い飲み物があるんだという驚きとともに、私の持ち前の好奇心がワクワクと騒ぎ出しました。

タカーシーさんの葉巻と同じように、ワインにも一本一本違う香り、味わい、つまりは“個性”がある。
コルクを抜くたびに「初めまして。あなたはどんなコなのかしら?」というワクワクがあるんです。まるで新しいお友達に巡り合うような感覚。期待半分、怖さ半分。

ワインは飲んでみないとわからないギャンブルのようなところがあります。それは銘柄や値段にはあまり関係がないように思います。要するに自分の好みかどうか。人間と同じですね。見た目や肩書きでは判断できない個人の感覚の問題です。いくら有名な銘柄で値段のお高いものでも、それが自分の好みに合うとは限らない。

だからこそ、ワインは面白い。そしてロマンがあります。

自分の感性だけで判断できる良し悪し。それは誰にもジャッジされない自由な世界です。ただ自分が好きであればそれでいい。なんて自由。なんて幸せなことでしょう。


林さんのお店、奥渋谷にあるワインバー「Bar Bossa」に初めて訪れた日のことは鮮明に覚えています。先に林さんの著書を読んでいたので余計にドキドキワクワクでした。
その中の一つ、小説「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる」を持参して行きました。


林さんはとても紳士で気さくでお茶目で、思った通りの素敵な方でした。
持参した単行本にサインをくださり、とてもおいしいワインを勧めてくださいました。美味しかったなぁ、あのヴァランセのソーヴィニヨン ブラン。マスカットのような香りのすっきりとしたフルーティな白ワインで、私の好みにドンピシャでした。


あの時一緒に行った彼とは短い付き合いだったけど、今でも大好き。別れは突然でなんだか裏切られたような、煙に巻かれたような最後だったけど、何故だか憎めないんですよね。ほんと、いい男だったんです。性格は超シャイで、日中明るいうちは人前で腕も組ませてくれなかったんですけれど、硬派なところも私好みでしたね。年は10近く下だったけど、男気が強くてカッコよかったな。

今でもたまに思い出しては、あの頃は楽しかったなぁ、なんて思い出に耽ることもあります。いつもより飲みすぎてほろ酔いになるとね。えへへ。


あれ?今夜も少々飲みすぎたかな?なんでこんな話になったんでしょうね。
しかし一つ言えることは、同じワインでも一緒に飲む相手によって味わいが全く違う、ということです。
大好きなワインを楽しむためには、そのひとときを誰と味わうか、誰とともに過ごすかはとてもとても重要案件なのです。その味わいは面白いほど全く違ってくるのですから。

普段は毎晩の食事と共に一人で味わうワインですが、それはそれで大好きな時間です。なにものにも左右されることなく、純粋にそのワインの個性を私一人の自由な感じ方で味わえる。その時間があるからこそ、人と味わうワインの面白さ、美味しさに毎回新鮮な驚きと奥深さを享受できる。

ワインのない人生なんて。

今ではそう思います。その時々でいろんな感じ方で私にもたらしてくれる至福のひとときを、もう今更手放すことは難しいです。

これからも、ワインのある素敵は時間を、さまざまな人生の場面で、素敵な人たちと、そして一人でも、存分に味わい尽くしたいと思います。

さて、今夜も酔いが回ってきました。
そろそろこの辺に致しましょう。
それではまた。

あ、タカーシーさんのおすすめ本、「世界一簡単なフランス語の本」を読み始めました。タカーシーさんの簡単フランス語講座とともに、少しずつ楽しんでいきたいと思います!


*アーカイブは下のマガジンから読んでいただけます。よろしければどうぞ。


#交換日記 #ワイン #barbossa    #エッセイ 




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