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6月16日はお月見の日!?

6月16日は和菓子の日。その存在が少しずつ知られてきているのか、今年はテレビでもいくつもの番組が取り上げていました。

もともと和菓子の日、というのは昔あった「嘉祥の日」のリメイク版のようなもの。「嘉祥」とはそもそも元号のこと。(令和とか平成とかと一緒!)

「嘉祥の日」は6月16日に16の数にちなんだ菓子、餅をお供えして、無病息災を祈りながら元号を改めたことにちなんでいます。(平成から令和になるときに「これからの令和をみんなが健康で無事に暮らせますように!」と願う時にお菓子をお供えした、というイメージ)

江戸時代は徳川将軍が大広間に用意したお菓子を大名1人ずつに配っていたそうです。そしてそのせいで筋肉痛になってた、なんて逸話もあります。そんなわけで明治時代までは続いていたものの、ぱったりと途切れてしまった「嘉祥の日」をもう一回やろう!ってなったのが、1979年のこと。全国和菓子協会によって復活しました。

そんな和菓子の日なんですが、和菓子を食べるだけでなく他にも儀式があったそう。というのも、こんな時期にお月見をしていたらしいのです。

江戸時代、男女に共通して行われたのが"袖留(そでとめ)"という儀式。今でいう成人式です。宮中では宮中に16歳になった女子がいる年だけ、月見を行いました。「御月見御用」と呼ばれています。

この時代、女の子の成人は12~16歳で行われており、おそらくこの「嘉祥の日」の16という数字にちなんでいるんではないでしょうか。大きなお饅頭に穴を開け、その穴から月を覗き見る、といったお月見だったそう。想像するとちょっと楽しそうですよね。

旬を感じられるのは和菓子の魅力の一つですが、旬でなくても思いを馳せることができるのもまた和菓子の魅力だなと思います。

■参考文献
松平春嶽と月見饅頭/とらや
https://www.toraya-group.co.jp/toraya/bunko/historical-personage/160/
和宮と月見饅/とらや
https://www.toraya-group.co.jp/toraya/bunko/historical-personage/017/
成人の儀式 第三章 庶民の成人/国立国会図書館
https://www.ndl.go.jp/kaleido/entry/31/3.html

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