【複製】マギロギの蔵書について考える会2

本noteは「著:河嶋陶一朗/冒険企画局、新紀元社」が権利を有する『魔道書大戦RPG マギカロギア』の蔵書に触れるnoteです。

事の起こりは初回のnoteを参照ください。

乱数でやったらいきなり苦手な、というか使ったことのない蔵書が来て困惑しています。
ということでマギロギ蔵書考察会第二回目は召喚魔法の中でも癖が強めな蔵書である【複製】について考えていきます。
これ持ってきた人……少なくとも私の周りの卓ではみたことない……。



【複製】について

【複製】
分類:汎用・召喚魔法
効果:敵の使っている元型と同じ元型を召喚できる。

メリット

・相手が成長させた元型を使っている場合、その成長ごと複製できる。
 →おそらく【女王召喚】などで強化されている元型を選んだ場合はその強化ごと持ってこられる。はず。
  →ただし解釈や裁定がものすごく分かれると思います。各GMさんたちに確認をしてください。
・場合にもよるが相手の魔法に抵抗しやすい象徴の元型を召喚できる可能性がある。
・相手の召喚魔法への圧をかけられる。

デメリット

・相手に依存する蔵書なので刺さらない時は刺さらない。召喚魔法を持っていない場合など。
・特技が事前にわかるとは言え可変のため発動が安定しない。
・先攻の場合1ラウンド目に使うことができない。


詳細な話

大判からある、確か新書版時代からあるややピーキーな性能を持つ召喚魔法。
「複製」とはいえ「自分の呪圏に召喚する」ので召喚魔法なのは理にかなっているのですが、名前の響き的には呪文でもよかったような気がします。だからなんだという話ではありませんが。

まず印象的なのは「同じ元型を召喚できる」という記述。
マギカロギアにおいての「同じ」をどこまでと定義するかにもよりますが、私はこれ「そっくりそのまま」かなと思います。
この記述が「同じ象徴で同じカテゴリの元型を召喚できる」という記述であれば複製元と「同じ象徴」の「同じカテゴリの元型」を召喚するのだろうなあとは思うのですが、「同じ元型」って書いちゃってるので……。

なのでメリットのところに「相手が成長させた元型を使っている場合、その成長ごと複製できる」と書きました。
が、これは本当に自己解釈に則っているのでできれば採用前にGMに相談してください。お願いします本当に。
ただ、この解釈を採用しないとちょっとコストと召喚難易度と内容が比例しないのではないでしょうか、とは考えちゃいます(この解釈じゃないといけない! という話ではありません。あしからずご了承ください)。

まずコスト。……初回であんまり触れないとは書きましたが、【複製】を語る上では大事になってくると思うので触れます。
【複製】を使用するには目標となる元型のレベルと同じ数の消費が必要になります。精霊等なら1点、騎士等なら2点といった形ですね。
これ、そのまま【◯◯召喚】を行う時と同じコストです。まあそこだけなら良いですよね。普通ですもんね。

次に使用特技。
この魔法も【緊急召喚】と同じく指定特技が「可変」です。ただ、こちらの可変は完全ランダムではなくて、その複製元となる元型の象徴になるという意味での「可変」です。
なので事前に「この象徴なら目標値は7だからいけそう!(期待値なんていけるわけないでしょフラグか?)」「この象徴は11だから無理だな……」と使用を吟味できます。
もちろんこれが所持特技でドンピシャなら迷うこと無く使っていけばいいのですが、そうではないことも多々あります。特技は6✕11=66個あり、こちらが持てる特技は5つなのでドンピシャになる確率としては5/66。目標値7(期待値)までを許容範囲と捉えるならば確率はあがりますが、目標値7でコスト2を払って例えば騎士チャレンジをするか……となるとちょっとウーンとなります。自前の騎士を持ってきているなら尚更ですね。
そしてその許容範囲は使用コストが重くなればなるほど狭まっていく……のではないでしょうか。魔神召喚しようとしてコストいっぱい払って失敗したら目も当てられない。

そしてこれらの壁を乗り越えて召喚できる元型が「複製元」の「強化」などがなくなっている場合。
ちょっとそれは、あんまりじゃないかなあ!? と思います。あくまで筆者はですが。
ただでさえ「召喚は1ラウンドに1度(【祖霊】などの例外を除く)」という制約があり(これは呪文も同様)、所持できる蔵書の枠にも限りがあり、その中で使用する【複製】にコストの重さや不安定さという不安要素があり……と、結構な壁があります。
それらを乗り越えて成功させたひと・ものにはそれくらいのご褒美があってもいいのではなかろうか。

概要的にも(これもあんまり触れるべきではないのですが)、召喚される元型は本来の元型として「自分の内よりいずる存在」ではなく「敵の元型の複製」とされています。
だったらもう……ネ……。相手の元型をそのまままるっと複製しちゃってもいいのではないでしょうか。
ただ、複製された時点でのステータスから変わることはないと思います(ブロック持ちのダメージは別です)。例えば【複製】の対象となる複製元の魔剣にあとから【衝動】で追加ダメージが増やされたりしたとしても、【複製】された側の追加ダメージが増えたりすることはないでしょう。それはもはや同位体みたいになっちゃうので多分そういうのではない。


ただしこの解釈を採用するとそれはそれで困ったことが起こります。
PCがガッチガチに元型を成長させて強化してきた元型を【複製】する禁書や書籍卿が現れることです。

書籍卿には「無限の魔素」ルールが適用され、【複製】の課題の一つであるコスト面の問題が解消されます。
発動の不安定さという問題は依然としてありますが、コスト面の問題が解消されるだけでかなり使いやすくなります。

そうなるとどうなるか。

PC「魔王を成長させて追加ダメージ5にしたから召喚する! 魔力は事故ってて5しかない!」
書籍卿「ほなそれ【複製】するね」
PC「( ˙д˙ )1点でも通ったら死ぬが」

みたいなことが起こりかねないのです。これは極論でめちゃくちゃなレアケースだと思いますが、無くはないと思います。
いや、書籍卿のステータスは基本的に開示されている状態で魔法戦を行うと思うので(そうじゃない場合もめちゃくちゃあります)、そうなったとしたらその成長させた元型を召喚しなければよいのですが。

そういう意味でメリットみっつめに書いた「相手の召喚に圧をかけられる」、という面はありますよね。
成長させた魔剣なんかがいると一方的に蹂躙されかねないですし、ギリギリの魔法戦を楽しみたいPCさんたち相手には良い魔法なのかもしれません。一方的に叩きのめしたいPCさんたちにはちょっと面倒かもしれませんが。

ところでここまで書いてて思ったのですが、この蔵書もしかしてエネミー側が持つことを想定されている……?
お前あれか? 【剥離】みたいな「なんでお前汎用魔法やねん」枠か?(筆者は【剥離】のことを汎用魔法ではなくエネミー魔法だと思って生きている人種です)

いやそんなことはないと思うんですけど、あったとしてもその目論見は10%くらいだと思うんですけども。
現状PCが使うよりもNPCが使ったほうが強い蔵書になっている……可能性は……なきにしも……?

上述した「成長させた元型〜」の件なんかも、継続PCがいるセッションでNPCが持つ、とかのほうが刺さります。
というかPCは絶対召喚魔法を持ってるので(【緊急召喚】とあとひとつ)、特技的に使いにくいことはあっても腐ることはありません。
対してPCが持っても「NPCがそんなに召喚魔法持ってなくて使い道がない!」なんてことは往々にして起こり得ます。

書籍卿PC制作ルールも制定されましたし、蒐集日記下の環境であればまた違ってくるのでしょうか。
悲しいかな筆者はまだ蒐集日記環境でのセッションを体験できておりませんので詳しいことは語れません。魔法医者やりたーい。

そしてここまで触れてなかったメリットのふたつめ、「場合にもよるが相手の魔法に抵抗しやすいことがある」なのですが(順番前後してすみません)、これはわりかし大きいのかなと思ったりもします。
具体的には【竜巻】だよお前!!!(突然キレる)

詳しくはいつもどおりその回で話しますが、【竜巻】はダメージを受ける元型であれば抵抗判定が発生します。
召喚魔法を持っており尚且つ【竜巻】を持ってるキャラクターの召喚する元型は、高確率で《嵐》かその近辺です。わざわざ抵抗しにくい象徴をもたせるわけないですからね。

相手が【竜巻】と《嵐》の騎士や魔王を持ってる……召喚はしたいけどこっちの火力になる元型は【竜巻】の抵抗がしにくい……。
なんて状況があれば、向こうの元型を【複製】することの意味が大きくなります。こっちも火力や耐久力を得る事ができますし、向こうがそれを嫌がって召喚を破棄するかもしれない。

もちろん【竜巻】だけではなくて、相手が元型を目標に攻撃できる蔵書を持っていて、尚且つその蔵書と相手の持つ元型の象徴がその蔵書の特技と近い場合は選択肢となり得ます。目標値にもよりますが。

やはりデメリットとしては何度も言っているように目標値が安定しないこと、
そして相手に依存する蔵書ゆえに相手次第では意味がなくなる可能性があること、
先攻1ラウンド目では使いみちがないことがあげられます。

これら解決策は一応存在し、
ひとつめの目標値に関しては【緊急召喚】の回で語ったように固定値をもらったり特技位置を調整したりするのが良いと思います。
みっつめの先攻1ラウンド目に関してはPCなら【緊急召喚】やほかの召喚魔法を使えば召喚権を無駄にすることはありません。NPCならば先攻魔法戦をするようなNPCに持たせなきゃ腐ることも減るでしょう。あるいは先攻魔法戦をするNPCには緊急召喚やほかの召喚を持たせれば解決です。

ふたつめの相手依存に関しては……もうそういう魔法だと割り切るしかありません。
受動的な魔法というのは【複製】に限らずそういうものです。極端な話、超有能蔵書である【回復】もダメージを受けなければ腐る魔法です。極論なのでこんな事滅多にありませんが。
そうなった場合は潔く諦めるか、【落書】等で消費しましょう。……禁書魔法? そうですね……。

やっぱりこの魔法、NPCのほうが上手く使えるんじゃないか……?


終わりに

【複製】は本当にめちゃくちゃ難しい気がしますが、多分使いこなせたら楽しいのだろうなあというのが今回の所感です。
どうこうしたらうまく使えそうだなというのはこうやって真面目に考察しなかったら出てこなかったでしょうし、一生使わなかったかもしれない。
とりあえず今度書くシナリオには搭載を検討してみようかな~なんて思いました。

もっとうまい使い方あるんだけどぉ!? という方は本当に教えて下さい。お礼にGMやるくらいならできます。というかそれくらいしかできません。

では本日はこのあたりで。
よきセッションの一助となれば幸いです。


ライセンス表記

(C)冒険企画局/新紀元社/河嶋陶一朗 「魔道書大戦RPGマギカロギア」


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