春の日のアイスアメリカーノ(SUGAのお誕生日に)

BTSのSUGA、ミンユンギさん、お誕生日おめでとうございます。

私の住んでいる街は、今日は変わりやすい天気だ。
ばらけた雲越しに見える空は、春らしくぼんやりとした薄青をしている。そうかと思えば、不意に天気雨が降る。
少しだけ肌寒いけど、週末には桜が咲くかもしれない。風はすでに春のにおいで、降る日差しは暖かい。

昼休み、SUGAが好きだというアイスアメリカーノを買って飲んでみた。エスプレッソコーヒーを水で割って作るそれは、ハンドドリップのホットコーヒーばかり飲む私からすると慣れない味だ。

アイスティーのような透明感のある見た目。割に苦味が強く、けれど後味は軽やか。
慣れないけれど、不思議と好ましく思う。

BTSのSUGAその人も、キャッチーで多くの人が好む曲を作りながら、ラップにはびっくりするほど強いメッセージを乗せる人。
私の思うSUGAは、アイスアメリカーノの不思議な味と少し似ている。

SUGAは私の知っているアイドルやラッパー、そのどれでもあるようで、またどれとも違う。
アイドルで、ラッパーで、作曲家で、ハードなダンスもそつなくこなし、無気力なようでバラエティ映えして、無愛想かと思えば思いやりのある人で。
彼を指す全ての肩書きや特徴が、全て彼自身のようで、そうでない気もする。
掴めないのに、とても魅力的な人。

同時に、理由のない安心感のある人。多分この人は、どれだけ自分を表す肩書きが増えても、できるだけ長く「BTSのSUGA」でいてくれる気がする。
その安心感は、ちょうどこんな3月の春の日に似ている。どれだけ空気が肌寒くても日差しは暖かくて、きっとこれから、どんどん暖かくなって春になる。

冷たい空気、暖かい日差し、未だ慣れない不思議な味わいのアイスアメリカーノを飲みながら思う。

少しだけ離れた場所にいる、私がまだ全然知らない28歳のSUGAへ。どうかこの一年、できるだけ幸福でありますように。ゆっくりでいいので、手術した肩が無事回復しますように。


来年の今頃、暖かい日差しのもと、あなたのことを今よりももう少し知って、もっと好きでいれますように。

ユンギさん、お誕生日おめでとうございます。

2021.03.09