#13 若さを失ったとき、ひとは身だしなみを気にするようになる、みたいなはなし

 ずいぶん前に1000円カットに通っているというはなしをしたような気がする。だいぶ前だったと思うし、もしかするとそんな記事は存在しない可能性もあるので探してリンクをはるのはやめておく。めんどうだし。
 昔からそうなのだが、髪の毛が太く直毛な上に頭頂部は薄く側頭部が濃いので横にボリュームが出るわりに頭頂部が薄くなっていて、20代前半からすでに頭頂部で地肌が見え始めていて将来を悲観したものだった。とはいえ別にどうでもいいなと思っていたし、正直なところ1000円カットだって捨てたものではなく、それなりにいい感じに整えてもらえるので満足していた。
 ところが、ふとしたきっかけで男性用のサロンに行ってみたら、髪質や体質、きっかけなどをヒアリングしてもらって、適切なカットだけでなくシェービングもしてもらい、スタイルが決まりにくいから一部にパーマをかけてみましょうと勧められてやってみたところ、髪のボリュームが抑えられたうえに頭頂部の薄さが気にならなくなった。心なしか白髪もすいてくれているようで、ハムちゃんが言うには「白髪がだいぶ目立たなくなっている」とのことであった。しかもドライヤーが楽で朝も髪が広がったりせず、雨の日でもきのこ頭にならないところがとてもよく、なんとなく通気性もよくなった気がする。今まで床屋で払ったことのない金額(一応桁は同じだった)を払ったが、そりゃ払うよな、と思った。それでもハムちゃんの美容院の代金といい勝負というか、多分年間の総額ではまだまだぼくの方が安いようである。髪も長い分ケアも大変なのだろう。

 20代、大学を卒業したころは特にヘアスタイルを意識したことがなく、そもそも髪質が髪質なところもあり何をやっても一緒だろうと思い結構ほっといていたし、髪も含めてなかなか身だしなみにお金をかけてこなかった。いまだに服のほとんどはユニクロかGUで買っている。そもそも、お金をかけて見た目を変えることにあまり価値があるとは思えなかった。

 しかし、30を過ぎ、ある程度世の中に慣れ親しんでくると、自分の見た目にどこか「ほころび」が見えることがある。ぼくはそこまで不安に思ったことはないが、人によっては不安になるだろうし、としをとればとるほど不安を覚えるものなのかもしれない。そして、その「ほころび」というのは身だしなみを整えることでなんとなく解消されていくように見えるので、ひとはとしをとればとるほど、むしろ身だしなみに気を遣うようになるのかもしれない。

 結構普遍的なネタでネットの中でも定期的に話題に上がる「妙齢の人間が年齢不相応な身だしなみをした結果長年の縁が切れる」みたいなものを読んで、そんなことを考えた。

おすしを~~~~~よこせ!!!!!!!!おすしをよこせ!!!!!!!よこせ~~~~~~!!!!!!!おすしを~~~~~~~~~!!!!!!!!!!よこせ~~~~!