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勝手に10選〜イカした 女性ボーカル 洋楽編(後篇)

(前記)
それでは、後半に張り切って移る


・Perfect
1998年にフェアーグランドアトラクションのシングルとして発表され、キャリア唯一のアルバム"The First of a Million Kisses"にも収録されている。

フェアーグランドアトラクションはエディ・リーダーをボーカルとして結成されたバンドである。
そのサウンドは、アコースティックな楽器しか使用しない、アコースティック・ポップ、アコースティック・ロックなのだ。
その斬新かつ、ノスタルジックな演奏が魅力的であるが、このアルバムを1枚発表した後に解散してしまう。

この曲はデビューシングルで英国1位を記録した。
軽やかな、明るく耳に心地よいオケに、エディ・リーダーの少しハスキーで美しいボーカルが見事に調和した名曲だ。

・I Feel the Earth Move
1971年に発表されたキャロル・キングのシングルでアルバム"Tapestry"にも収録された。

キャロル・キングは、実に興味深い経歴を持つ。
幼少時から卓越的な音楽のセンスを身につけ、高校時代はポール・サイモンとデモテープを作ったり、ニール・セダカの”Oh!Carol"の”Carol”はキャロル・キングであったり、また1958年にデビューするも振るわず、他のアーティストへの楽曲提供に精を出し、後にビートルズがカバーする”Chains"や、リトル・エヴァの”The Loco-motion"など、後世に残る名曲を生み出している。
その間、自身のキャリアとしては、4枚ほどシングルを出したものの、いずれも鳴かず飛ばずであった。

そして、1970年に”Writer"で満を辞してソロデビューを果たす。
翌1971年に発表したアルバム”Tapestry”の大ヒットにより、自身のキャリアを見事に確立したのだ。

曲は、そのアルバム”Tapestry”にも収録されている。
実に自身のキーボードに合わせて、重厚感に溢れるR&Bも彷彿させるオケに、いささかスケールの大きすぎるラブソングが見事にハマるのだ。
少し籠って、少しハスキーなボーカルが実に調和している。
すんごいカッコいいですよ、この曲。

・All I Wanna Do
1993年に発表されたシェリル・クロウのデビューアルバム”Tuesday Night Music Club"にも収録されていおり、1994年にシングルカットされた曲だ。

シェリル・クロウは元々音楽教師であったが、同時にコマーシャルのテーマなどを提供していた。1986年にカリフォルニアに移住し本格的に音楽活動を開始する。
その翌年にはマイケル・ジャクソンのツアーのバックコーラスや、スティービー・ワンダーのコーラスなどを務めた。

1992年にアルバムデビューの予定であったが、なんの理由かレコード会社が発売を無期延期してしまう。
そして、翌1993年に満を辞してこのアルバム”Tuesday Night Music Club"にてデビューを果たすも、最初はセールスが伸び悩んだが、翌年にこの”All I Wanna Do”が大ブレイクし、アルバムのセールスも伸びることになる。

曲であるが、実に軽快なファンクなギターのカッティングと共に始まり、カントリー、ファンク、ロックが融合した重厚感も持ちながら実に軽やかな演奏となる。
シンプルなドラム、ベース、ギターにラップスティールギターが実に心地よい。
少し低めで、艶やかなシェリル・クロウの声、歌い回しが実に見事に演奏に調和しているのだ。

・Be My Baby
1992年にフランス出身のヴァネッサ・パラディによるサードアルバム"Vanessa Paradis"に収録された曲だ。

当時、恋仲も噂されたレニー・クラヴィッツがトータルプロデュースを手掛けている。
俳優でもあるが、1987年にシングル"Joe Le Taxi"にてデビューし、母国フランスで大ヒットしている。

曲であるが、主にストリングスを用いて、ドラムが主軸を担い、軽やかで爽快なポップロックとなっている。
ヴァネッサ・パラディのボーカルが実にキュートだ。幼っぽくも美しい艶やかなボーカルとオケが見事に融合して、実に気持ちの良い名曲となっている。

・Sk8er Boi
2002年にカナダ出身の歌手アヴリル・ラヴィーンのアルバム"Let Go"から、2枚目のシングルとして発表された曲だ。

アヴリル・ラヴィーンは12歳の頃からギターを弾き始め、14歳にてオーディションに合格し、カナダのアーティストのサポートメンバーなどを経験し、満を持してこのアルバムでデビューするも、当時なんと17歳である。

曲であるが、もちろん作詞作曲なアヴリル・ラヴィーンによる。
疾走感溢れる重厚感を持ちながらも軽やかさも持ち合わせている。
アヴリル・ラヴィーンの少し幼げで透き通っているのに、艶まで感じるボーカルが実に素晴らしい。

特筆したいのは歌詞だ。幼い少女と幼いスケーターの恋物語を三人称で描き、やがてどうなるか。
筆者はこの歌詞に良い意味で大変驚いた。
物語性、後半明かされる真実、まるで映画だ。興味のある方は是非訳される事をおすすめする。

(後記)
実に素晴らしいボーカリスト達を、その歌声にフィーチャーしてチョイスをしてみたが、それぞれのボーカリストの比較でもあり、何故にこの歌声に惹かれるのかを言葉、文章にするのが難儀であった。
しかし、この先も自身が女性シンガーのボーカルに相対して行く上で、大変貴重な時間だった。

読んでくださった方々へ
ありがとうございました。

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