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飲食店を追い込むコロナのボディブロー

熊本市中心部の繁華街で、焼き鳥屋を一人で切り盛りしている同級生に最近の状況を聞いてみると、「全くダメよ」と即座に返ってきました。コロナに関しては、これまでの6回の波がボディーブローのように効いていて、『第7波』に持ち堪えることができるのか、短い言葉にもそんな不安感が伝わってきました。

そういえば、数日前の夜、今年6月にオープンしたばかりの『熊本屋台村』の前を通ると、お客さんはほんの数名程度、広い座席も空席がかなり目立っていました。オープン直後は連日長蛇の列で、予約を入れようにも「数時間待ちです」と言われ、何度か諦めたのが嘘のようです。入ってみようかと思ったものの、空いている屋台村も居心地が悪そうで、そのまま通り過ぎることにしました。

第7波に関しては、7月29日のnote「医療現場からのS・O・S」にも書いたように、「社会経済活動の維持」を優先するあまり、行動制限を求めるような政府からの発言は抑えられてきました。それでも、医療現場からは厳しい声が上がり、公共交通機関や郵便局などの社会インフラは閉鎖や縮小を余儀なくされる始末。結果的には、国が方針を打ち出さずとも、自主規制せざるを得ない現状を生み出しています。

今回は法的な裏付けがないだけに、飲食店の立場からすれば、これまでのような協力金が望めるものでもなく、先ほどの同級生のように、どこの店もかなり厳しい状況を迎えています。地元の商工会議所が県内の飲食業・宿泊業に実施したアンケート調査でも、「84%が経営に影響が出ている」と、そのことが裏付けられていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/094c9ef146ab9dc21146a43f34e22dc13304cfbc

また、コロナに関しては、2類相当から5類への分類の変更だけでなく、医療機関や保健所の負担を減らすことを目的に、感染者数の全数把握も、第7波収束後には見直す方針が打ち出されました。日々の感染者数に一喜一憂していても仕方のないことで、心理的な要因が行動抑制に繋がっている面も否めないことから、見直しもわからないでもないのですが、不安要素を取り除かないことには、期待されるほどの効果が上がらないのは言うまでもありません。日々の感染者数は知らなくても、信頼のもととなるデータ管理と分析・評価、そして定期的なわかりやすい情報開示については、これまで以上に求めたいものです。

そうすれば、私自身や焼き鳥の大将の抱える不安も、少しは和らぐのかもしれません。同級生のことが気になりつつ、今夜も我が家で晩酌程度にしておきます。

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