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子どもを親が育てるは当たり前か~生まれてくる子どもの権利

『命のバトン』ってご存知ですか?

愛知県の児童相談所では、以前から『赤ちゃん養子縁組』に取り組んでこられ、『命のバトン』と呼ばれていました。そのことを題材にしたドラマが昨夜BSで放送されていたのです。

https://www.nhk.jp/p/inochinobaton/ts/X8MJM8WKQ9/

「『赤ちゃん養子縁組』って何?」「そもそも養子縁組って?」「里親・里子とはどう違うの?」「『こうのとりのゆりかご』とは関係があるの?」色んな疑問が湧いてきませんか?

『赤ちゃん養子縁組』とは、赤ちゃんが生まれる前から、養子縁組を前提として、赤ちゃんを生む女性とその子を我が子として育てたい親との間をつなぐ取り組みです。『赤ちゃんの命』を『バトン』に例えて、大切につないでいくことを意味します。

「子どもを親が育てるのは当たり前でしょう」

この言葉は今でも鮮明に記憶に残っています。匿名で赤ちゃんを預けることのできる『こうのとりのゆりかご』の設置を許可するかどうか、熊本市長として難しい判断を迫られていた時に、当時の政府の要職者から発せられた言葉です。その言葉に頷く人が少なくないのが、この問題の難しさだと、ずっと感じてきました。

「命を『バトン』扱いするな」そんな批判の声も聞こえてきそうです。

乳幼児の死亡率が世界最低レベルを誇る日本でも、親など大人の手によって生まれてすぐに命を絶たれたり、虐待によって亡くなる例は少なくありません。また、実親の死亡だけでなく、病気や障がい、虐待等、何らかの理由で親もとで育てられない子どもたちは、2016年1月現在で約4万6千人です。そんな子どもたちは施設や里親、養子縁組など、新たな環境のもとで育つことになります。

先ほどの発言に同調する人は、それらの現実から目を逸らしているとしか思えません。1億人超の人口のうちの4万6千人は一部であり、身の回りにそんな人はいないのかもしれません。ですが、それら一人ひとりにはかけがえのない命が宿っていることに思いを巡らせ、命が守られ、健やかな成長が育まれるその子の権利を守るためにも、『バトン』の受け渡しにもっと多くの人が関わるべきなのです。

社会を構成する私たちにとって、決して他人事で済まされる問題ではなく、社会全体で子どもを育む『社会的養護』とはそういうことだと、昨夜のドラマは教えてくれました。

皆さんはどのように受けとめられますか?

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