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岸田内閣改造を読む

昨夜テレビをつけていたら、臨時ニュースが何度も何度も流れてきました。東北地方の豪雨情報ではなく、第2次岸田内閣の閣僚内定者を報じるもの。ネット上では「ピンポン、ピンポンうるさい!」とすこぶる評判が悪かったようですが、私も「臨時ニュースで流すようなことだろうか?」と率直に感じたところです。

「末は博士か、大臣か」といわれていた時代もありましたので、当事者にとっては名誉なことなのでしょう。ただ単なる名誉職ではなく重責であることは言うまでもありません。だからこそ「誰がやるのか」ではなく、「その重責にあって、その人が何をやろうとしているのか」について、もっと注目すべきだと思います。第2次岸田内閣はわずか9カ月で幕を閉じることになりました。この間に「何がやれて、何が出来なかったのか」「何を引き継ぎ、引き継がれないことはあるのか」

私は個人的には内密出産制度の動向に注目しています。『こうのとりのゆりかご』開設から15年、基本的に「関与せず」を貫いてきた政府が、ここにきて「違法性はない」とし、ガイドラインの策定を明言されています。野田聖子内閣府特命担当大臣は来熊の際、「出自情報のバックアップ」を作りたいとも発言しています。今回の改造で厚生労働大臣も野田大臣も代わることに。よもや、反故にされることはないのでしょうが、十分に注視しておきたいと思っています。

私は大臣はもちろん、国会議員の経験はありませんが、地方議員と地方自治体の首長は務めた経験があります。総理大臣が指名する大臣と、選挙で選ばれる首長とでは、性格が異なりますが、いずれも議員に比べればかなりの権力を得ることになります。念願かなって(?)得た権力をどのように行使するのか、議員とは異なり注目度は格段に高まります。

ある人から薦められて、韓国ドラマ「サバイバー 60日間の大統領」を観ています。全16話で、まだ半分にも行き着いていませんが、はまってしまいました。国会議事堂が爆破され、大統領やほとんどの大臣が死んでしまうのですが、一人だけ生き延びた民間登用の学者出身大臣が、急きょ大統領代行を務めることに。爆破テロの解明を含めてあらゆる難局を乗り越えていく物語です。かなり現実離れしているようでもありますが、常に決断を求められる中、権力とはどういうものか、その使い方はどうあるべきなのか、単に善と悪に分けるのではなく、とてもリアルに描かれています。

国内の内閣改造に話を戻すと、皇居での認証式に臨んだあとには、官邸での写真撮影や記者会見が待っているのでしょう。さすがに以前のように、記者会見で事務方が用意した原稿を棒読みする新閣僚は少なくなってきたようですが、棒読みでないことは最低限のこととして、自らの言葉で何を語るのかにまずは注目です。そして得た権力をどう行使するのか、権力に向き合う姿勢、そのふるまいにも、私は注目しています。

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