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国葬の是非を問う

“安倍晋三元首相の国葬”が物議を醸しています。地元紙には国葬の賛否を問うアンケート調査の結果が掲載されていました。国レベルの話題を地元紙でここまで取り上げるのは珍しいことと感じ、とても興味深く読みました。
その一部を紹介すると

【全体】賛成orどちらかといえば賛成42.9%、反対orどちらかといえば反対49.6%
以下は同様に
【男】賛成46.7%、反対48.0%
【女】賛成40.5%、反対50.4%
【20代以下】賛成59.4%反対36.5%
【30代】賛成51.4%反対39.4%
【40代】賛成46.8%反対45.9%
【50代】賛成39.8%反対52.5%
【60代】賛成30.6%反対60.4%
【70代以上】賛成36.8%反対56.4%

以上から、全体では反対が賛成をやや上回り、性別では女性の方が反対の割合が高く、年齢ではおおよそ高齢になるほど反対の割合が高くなることがわかります。このアンケート結果は、おそらく当時の安倍内閣の支持傾向とあまり変わらないのではないかと感じました。

そして、あらためてこの結果を見て、国葬を決めた岸田現首相の責任は重いのではないかと感じたところです。7月9日付のnoteにも書いたように、安倍元首相は好き嫌いのはっきりと分かれる政治家だったと思います。歴代最長の首相であり、政策の是非は抜きにして、色んなことを実行に移した政治家です。

その方の見送り方として、国葬や国民葬、共同葬、お別れの会など、考えられる中であえて国葬を選んだことで、亡くなった後までも賛否の分かれるような結果を招いた責任は決して軽くない。国葬を選んだ理由として、「外国の要人の参列が多数見込まれること」が挙げられていましたが、海外を気にするあまり、再び国民の分断を招いたとするならば、本末転倒と言わざるを得ません。国葬とした理由を、ある政治評論家が「保守層を食い止めるため」とするコメントを紹介されていましたが、もしそれが本当のところであれば、全くの論外です。

見送りたい人が静かに見送ることのできる環境をつくる、そのことを基本に考えれば、おそらく別の選択肢になったのではないでしょうか。

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