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娘と吃音の話②〜ことばの教室〜(子育て支援センター内)

前回、娘の吃音の始まりについて書きました。
今日はその続きとして、まず通い始めた「ことばの教室」について
お話したいと思います。

前回の記事はこちら↓


「ことばの教室」ってどんなところ?

「ことばの教室」とは言語に関する悩みを持つ子が、相談したり、必要な支援を受けることができる場所です。実施している場所としては

・小学校・中学校(無料 通級指導)
・市町村運営の子育て支援センター内(無料のことが多い)
・福祉サービス事業所内(受給者証や療育手帳が必要になることが多い)
・病院内(保険適応)
・言語聴覚士さんが運営する教室など(保険適応外)

などがあります。
(あくまで私の知っている範囲での話なので、それ以外でもあるかもしれません。)うちの娘は「場面緘黙&吃音」で通っていますが、その他にも例えば「サ行がうまく言えない(機能性構音障害)」など、お子さんによっていろいろな症状で通っている方がいるようです。

探し方

3歳児検診など、市の検診から紹介してもらえることもあるようですが、うちの場合は3歳児検診では紹介にまで至りませんでした。しかしその後娘の吃音はどんどんひどくなり、最終的には「難発(なんぱつ)」と呼ばれる最初の音が出せない状態になりました。顔を真っ赤にして言葉を言おうとしても出せない、なんとか出そうと手や足で勢いをつける「随伴行動」も見られるようになり、毎日毎日苦しむ娘の姿を見ていたら、このまま自然に任せていてはいけないんじゃないかと不安になってきました。

そこでまずは市の子育て相談に電話で相談してみました。娘の様子を伝えましたが、3歳児検診と同じく「とりあえず様子を見てまた困ったら連絡してください。」と言う返答でがっかりしたのを覚えています。その後、市内にあるいくつかの子ども発達支援グループに連絡をしてみました。しかしどこからも「基本はADHDの症状の子が通っている。吃音・場面緘黙の子は通っていない(それは何?って聞かれたところもありました涙)。家で会話も問題なくできていて発達に問題を感じないなら、そんなに心配する必要はないんじゃないか。お母さんの心配しすぎじゃないか。」というような返答をもらい、4件目の電話が終わる時には悲しくて一人で大泣きしてしまいました。やはり吃音ってまだまだ世間的には知られていない症状なんですね。

その後、インターネットで「吃音、自分の市の名前」で検索したところ、とあるお母さんが書いたブログを見つけました。そこには市の支援センター内の「ことばの教室」に通っているとの内容が!しかも調べたらそれは我が家の近く!急いで連絡してみたところ、本当にやっていました!!やった!!
内容としては、

・市が運営している子育て支援センター内の一室を使っている
・2週間に1回
・一対一(保護者同伴)
・無料
・担当は元教員など子どものことをよく知っている人だが、専門家ではない


というものでした。
「専門家ではない」というところに少しひっかかったのですが、この時は他にできることもなかったし、まずは一歩を踏み出してみようという気持ちで始めてみることにしました。

娘の変化

娘には、「ママと一緒に先生とお話をしたりゲームをして遊ぶ場所」と伝えて行きました。予想通り1回目は固まっていましたが、その時間はママを独り占めできること(いつもは下の子がいるので)、ゲームが楽しかったこと、とにかく先生が褒めてくれることが嬉しかったようで、「また行きたい!」と娘から言ってくれました。私としても「症状がどうなるかはわからないけど、一先ず娘が楽しんで通ってくれるならそれでいい。」という気持ちでした。家以外でもことばを発することができる場所を増やして行きたかったのです。その後約1年ほど通いましたが、嫌がることは一度もなく、最後まで楽しんで通うことができました。

辞めることにした理由

年度が変わるタイミングで、継続希望かどうか確認があります。娘は年長さんに上がるタイミングで辞めることにしました。
主な理由は3つありました。

・娘の症状に変化がみられない
・先生の声掛けにモヤモヤすることが多々ある
・担当の先生が退職される

まず1つ目。吃音症状には波があるので、出ない日と出る日の差はもちろんあるのですが、ここに通い始めてから感じた変化というものが特にありませんでした。それが2つ目の理由にもなるのですが、母である私は変化を感じていないにもかかわらず、担当の先生は、「ご挨拶もしっかりできるし、きれいに字も書けるし、もう何も問題ないですね。」と娘を褒め称えてばかりで、吃音や場面緘黙に対するFBは何もありません。「お母さんが心配してる吃音も全然ないですよね。」と言われましたが、その日そこに行くまでの車の中でも何度も出ていました。先生の前で出ないのは最低限の会話しかせず、極端に口数が少なかったためです。でもそれを伝えても先生にはピンと来ないようでした。さらに、私は吃音を治すために通っているのではなく、その症状を持ちながらも保育園生活や小学校生活ができる限り快適に過ごせるようにどんな支援が必要なのかを相談して考えていきたかったのですが、先生からの声掛けは、「これだけいろんなことができれば大丈夫だよー。もうみんなと同じように上手に喋れるようになるからねー。」という、吃音症状が治るのが良いという考えのものでした。家では吃音が出るのは悪いことではないと話していたので、先生からの声掛けに娘はキョトンとしていました。そして3つ目。私がモヤモヤしている時期に、ちょうど担当の先生がご退職されることとなりました。来年度からは新しい先生。もしかしたら私のモヤモヤは解決されるかもしれない。でももっとひどくなるかもしれない。夫とも相談して、最初に引っかかった「専門家ではない。」という部分は変わらないから、キリも良いしもう辞めようという結論に至りました。

私が感じたメリット・デメリット

約1年通って私が感じたメリットは、

・無料
・職員の方々が皆さん優しい
・娘と二人の時間を大切にできた

ということです。やはり無料というのはありがたいです。さらに子育て支援センター内だったため、帰りに支援センターで遊ぶこともでき、施設の方も皆さん子どもに優しいので、娘は2週間に一回のこの日をとても楽しみにしていました。そしてこの日だけは、保育園を早退して、下の子のお迎えまで娘と二人きりだったので、私も娘に向き合える時間としてとても大切に思っていました。

一方デメリットもあります。

・先生が専門家ではないので、相談ができない
・2週間に1度なので効果を感じにくい

先生は一緒に文章を読む練習をしたり、知育玩具を使って集中力を高める訓練をしたりと、我が子が楽しめる活動をいろいろと考えて実践してくださいました。それは本当に感謝しているのですが、吃音と場面緘黙の症状が現状どんな様子で、ここではどのようにアプローチしていて、今後このようなプランを考えているというような具体的なFBは一切なく、私はそこが不安になってしまいました。先生ばかりが「もう大丈夫!これだけお勉強ができれば小学校も大丈夫!」と言っていて、「私が心配してるのはそこじゃない!」と心が離れていってしまったのが自分でもよくわかりました。

まとめ

今でもそこに通っていた一年は楽しかった思い出として、娘とも時々話をします。娘をいつも大切にしてくださった先生には感謝の気持ちでいっぱいです。最終日には娘と一緒に写真も撮っていただき、娘も楽しく終わることができました。

「家と保育園以外でも、娘が発話できる場所を作る」という目的としては、とても良い場所だったと思います。それが達成できたので、私は次のステップに進みたくなり、そこに専門性を求めるようになったために辞めることを決意しました。そもそも無料でやっていただいてるので、そこまで求めるのは高望みなのかもしれません。

次回は、この次に通い始めた「病院内のことばの教室(保険適用)」についてお話ししたいと思います。そこでは言語聴覚士さんに一対一で支援を受けることができました。しかし、いろいろと理由があり、3ヶ月で辞めてしまいました。なぜそんな短期間で辞めてしまったのか、詳しくお話ししていきたいと思います。

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