5.「幸せの王子」と自己犠牲依存症
「幸せの王子」はギャンブル依存症。というより「幸せの王子症候群」だ。
自分の不幸は
誰かの幸せ
幸せの王子は一番ちかくで、つくしてくれるツバメの存在を忘れている。死に至らしめ自分もまた心臓が破裂するほどの 後悔の中、燃やされてしまう。これはもう王子は「自己犠牲依存症」だ。王子は施しすることで、周りを幸せにしている。ギャンブル依存症は自分への犠牲と浪費だ「幸せの王子症候群」またはギャンブル依存は「幸せの推しかつ王子」なのだ。
(まあそこまでいうのはどうかともおうこともあるがあえてそういうことですすめる
私はこの物語は好きだ。
依存症は悪ではなく、病気ではない。
ツバメと銅像
むかしフランスのある地方に「幸福な王子」と呼ばれる美しい王子がいました。
ところが突然王子は亡くなってしまい、かなしみの中、国民は王子の金の銅像を町にたてました。
ある日エジプトへ渡る途中だったツバメは、その王子の像にとまっていると、王子はつばめに話しかけました。
「ああ、疲れた。少し休もう。エジプトまでもう少し頑張らなきゃ」
「ツバメくん、ツバメくん。お願いがあるんだけど。」
「え、誰かな、ああ。これは王子様ではないですか。お願いとはなんですか?」と、王子の銅像が話しかけていることに気がつきました。
「つばめくん。ほらそこに熱で苦しんでいる男の子がいるだろう。家が貧しくて薬も買うことができないんだ。僕はここで見ているだけしか出来ないけど、どうか僕の剣についているルビーを彼に渡してほしいんだ。」
「そうなのか。わかった。ルビーをもっていってあげるよ」
ツバメは王子の腰の剣のルビーをはずして、熱で苦しんでいる男の子のまくらもとに置きました。
「つらいだろうけど、がんばってね」
ツバメはつばさで、男の子をそっとあおいで帰ってきました。
次に王子の眼の宝石を抜くようにつばめに頼み、一つは貧乏な作曲家へ渡しました。
「サファイヤだ!これで食べ物が買えるぞ」 貧乏な作曲家はとても喜びました。
もう一つの宝石は、こごえるマッチ売りの少女へわたされました。
「まあこれは宝石だわ。これでお父さんにぶたれずにすむわ」
マッチ売りの少女はとても喜びました。しかし銅像の王子は両目を失いました。
秋が深まってもつばめは王子といっしょでした。
「王子さま、僕はもう旅に出ません。ずっと、おそばにいます。そして、王子さまの目の代わりをします」
「ツバメくん。ありがとう」
それからツバメは町中を飛び回り、貧しい人たちの暮らしを見ては王子に話して聞かせました。
「まだまだ飢えた子どもがたくさんいるこんどは私の体の金箔をはがして配りなさい」 つばめは王子の言うとおり体から金箔をはがし、貧しい人々に配りました。そしてとうとううす汚れた灰色の王子になってしまいました。
冬が訪れ雪が降り出し、寒さに弱いつばめは、王子に別れを告げると足元に 落ちて力つきました。その悲しみから王子の心臓もはじけてしまいました。
「こんな汚い銅像はとっとととりのぞけ!」
大臣は代わりに自分の銅像を作らせることにして、王子の鉛の心臓はつばめとともにごみ捨て場に捨てられました。
そのころ、天使がこの町へやってきました。
『あの町でもっとも尊いものを2つ持ってきなさい』
神様にそういわれていた天使たちはごみ捨て場から”王子の心臓”と”つばめ”を持ち天に向かいました。
ふたりは天国で「永遠の命」をさずかり天国の門を守りながら幸福に暮らしました 。
王子の割れた心臓とツバメの死骸
ツバメの最後
ツバメは自分が行くのはエジプトではない、死の家だと答えた。 死は眠りの兄弟ですよねと言ったツバメは、王子のくちびるにキスをして、王子の足元で息を引き取った。 その瞬間、王子の像の中で、何かが砕ける音がした。 鉛の心臓が割れたような音だった
渡り鳥のツバメは季節の変化に間に合わなくなって、渡りの時をのがしてしまいましたので、王子の足もとに落ちて死んでしまいました。王子の行動と王子に尽くすツバメ。ツバメの死を知って破れる心臓それを拾いにくる天使。美しいドラマです。