「さらばゴキブリ」
彼の失敗は半畳の押し入れに逃げ込んだことだ。せっかく私の一撃を交わして、チョロちょろと逃げマワつた末に、逃げ場所のないところへ、いってしまった。いつたいどこからやってきたのかわからんが、押し入れの物を、全て出して、1番下の敷板を剥がすと奴は、いた。目を持たない彼が、どうやって私の殺意を、察するのかわからないがさっきから、逃げ回っているのだ。もしかしたら彼はその触覚で光を感知しているのかもしれない。真っ黒い体は、あぶらぎつているように、黒光りしている。彼は光の中では目立つのだ何処にいてもすぐに見つかってしまう。だが暗闇こそ彼を守ってくれる揺籠なのだろう。
ゴキブリシュツシュが、二発目の噴射で、不発になった事は、彼に有利だったに違いない。出口を底板で塞いで、テッシュでの、確保に作戦を変更する為にテッシュを取りに行っている間に、隠れた彼は、閉じ込めた底板の隅から逃走を図り、なんと風呂場へ逃げ込んだ。私は一瞬怯んだのだ。その隙に彼は半畳から二畳半もある風呂場へ逃走することに成功したのだ。私は絶望した。もはや取り逃したことは、明白だ。電気を消してしばらく自由にした。彼は勝利を確信したに違いない。だが彼は油断したのだ逃げおおせたと思つたのが、油断して時間差で新聞紙を折ったハリセンを用意して再び攻撃を開始。彼は一撃で倒されトイレに流された。アバヨ、ゴキブリお前は俺の前に現れてはいけなかったのだ。
たとえ人間であろうと相手がゴキブリや害虫と思えるになら殺すことができる。それが犯罪者の心理である。
「さらばゴキブリ」は犯罪心理に陥らないという決意の呪文である。
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