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窮地の「柯P」

台湾社会が騒然となっています。
8月31日、最大野党・国民党に次ぐ勢力の野党・民衆党の柯文哲(か・ぶんてつ)党首が逮捕されたのです。

気さくな人柄と、ときには物議を醸す率直な物言いで知られる柯文哲氏。民進党と国民党の2大政党制の間に割って入る第3勢力・民衆党を率いて台湾政界で存在感を拡大させていました。しかし、今回の逮捕で彼の政治生命は急な終わりを迎えるかもしれません。
(冒頭の写真はhttps://japan.focustaiwan.tw/society/202408300006から)


キャスティングボートを握ったが

逮捕容疑の掘り下げに入る前に、そもそも民衆党ってどういう政党だったかな…と思われる方もいるでしょう。

今年1月に台湾で総統選と同時に行なわれた立法委員(国会議員)選で、民衆党が8議席を獲得したことの意味合いを日本の第一線研究者たちが分析した記事を書いたことがありますので、よければご参照ください。

「たかが8議席、されど8議席」。民衆党は台湾の中央政治において大きな存在となったのです。

「P」と「白」

ただ、民衆党は「民進党も国民党も好きになれない」という人たちの不満を柯文哲氏が持ち前の強いキャラクターですくい上げて成長した党。「中国に対する路線云々よりも生活重視」というスタンスが若者たちに歓迎されましたが、それは裏返すと組織として確固たる政治路線はないことを意味しています。「柯文哲個人商店」という色合いが濃いのです。

柯文哲氏は支持者たちから「柯P」とか「KP」と親しみを込めて呼ばれます。このPはProfessor(教授)のPです。
彼はもともと臓器移植などを手がける外科医で、台湾大学医学部の教授という経歴です。一方で支持者たちと踊ったり日本のアニメ「NARUTO」のコスプレ姿を披露するなど、フレンドリーな言動も人気につながってきました。

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