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高配当株・連続増配株への投資家思考

<読了目安時間:20分>

配当金 —— 投資した企業から定期的に得られる配当金は、個人投資家にとって言わばお小遣いとも言える存在であり、株主優待制度と共に株式投資の魅力を表すひとつの側面と言えるでしょう。高配当株や連続増配株といったテーマ株が注目をされているのは今に始まったことではありませんが、とりわけここ最近は "累進配当(数年にわたり配当を前の期と同等もしくは増額するという配当方針)" というキーワードと共に注目度がなおさら高くなっているように感じています。

しかし、闇雲に高配当株を買うだけでは資産を殖やすことはおろか、思わぬリスクを抱えることになりますし、何となくで連続増配株を買ってしまっては期待したようなペースで配当が増えない、あるいは最悪の場合には次の年に減配という憂き目にあう可能性も否定できません。
そもそも、高配当連続増配全く別の性質であることも頭に入れておかなければならないでしょう。連続増配を続けているAppleやMicrosoftは明らかに高配当ではないですからね。

「結局、インデックスファンドを買っておけばいいのでは?」という見方もありますが、「個別株に投資したい!」という思いも否定されるものではありません。そこで今回、私自身の投資経験や経営学の知識を踏まえて、高配当株・連続増配株への投資における基本的な考え方をご紹介していきます。

なお、記事内では具体例として特定の企業を挙げますが、それはあくまで皆さんの理解を促進させるための題材であり、「この銘柄を買えばOK!」ということではありません(そもそも有料記事でそのような記事は書けませんので)。むしろ、この記事で紹介する考え方は、個々の銘柄を推奨するよりもはるかに応用の利くものですので是非最後までご覧ください。

なお、別の記事として「企業の株主還元方針・配当方針の見方」に関する解説記事を書く予定です。近日中にアップしますので、メンバーシップにご登録の上お待ちください。



✅ 高配当は不人気の証?高配当株の大前提

そもそも "高配当" とは市場平均よりも配当利回りが高い銘柄のことですが、絶対的な基準は特にありません。ただ、この記事を書いている時点での東証プライム市場の予想配当利回りが2%前半であることを考えれば、少なくとも3%以上、できれば4%以上が高配当という言葉に期待する水準でしょう。

配当利回りが市場平均よりも(だいぶ)高い水準にあるということは、得られるであろう配当金に対して株価があまり上がっていない状態を示します。

将来的に会社が成長すると市場が考えれば、本来は株価がドンドン上がっていくため配当利回りは下がる傾向にあるはずです。しかし、高配当株は配当利回りが高い水準にある(もっと言えば高い水準で "放置されている")ということは、他の銘柄と比較してその会社の成長を市場があまり期待していないことになります。

この "会社の成長を市場があまり期待していない" という事実は、高配当株への投資家思考として最も重要なことです。それはなぜでしょうか?

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