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【同族企業#1】同族企業とは?日本企業の事例


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はじめに

創業者やその一族が関係している所謂「同族企業」と聞くと、どのようなイメージを持つでしょうか?「創業者あるいは創業家出身者が強力なリーダーシップで会社を引っ張っていきそう」というポジティブなイメージもあれば、「ワンマン経営が行きすぎてコーポレート・ガバナンス*1が効かなそう」とか「事業承継*2や相続で揉めそう」といったネガティブなイメージもあるかもしれません。あるいは、「そもそも同族企業って何?例えばどの企業?」といった基本的な疑問を持つ読者もいることでしょう。

経営学においても、同族企業の企業形態や経営パフォーマンス、事業継承といったテーマは継続的に研究されています。例えば「一般企業と比較した同族企業の経営パフォーマンス」「同族企業は3代で廃れる(いわゆる "長者三代")」などの話を聞いたことがある読者の方もいらっしゃるかもしれません。学術研究としてはもちろんのこと、後述するように日本には同族企業が多いことから、個人投資家の方が株式投資をする上でもこれらの企業は非常に興味深いテーマのひとつだと思います。

そこで、この記事が好評であれば、今後「同族企業」をテーマに記事をシリーズ化していきます。ROAやROEがどうのこうのという「投資」という側面だけではなく、「経営学」という体系化された内容も含めて書きたいと思っておりますので、関心がある方はスキマークにてお知らせください。

この記事はひとまず「導入編」です。最初から理論的な話をつらつらと書いてもあまり面白くないかな…ということで「同族企業って例えばどの企業?」という分かりやすい視点で書きました。


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