見出し画像

光速差でしか運動の相対速度は解らない

計測を知っている人なら当たり前かと思うけど、どうも数学だけで相対性理論を勉強した方は、これが分からないようなので、少し解説します。

1,電磁気学の「自由空間の光速は一定である」
The speed of light in free space is constant

2,特殊相対論の「光速度不変の原理」
Principle of invariant speed of light

1のconstantと、2のinvariantは違う。
1の一定と言う意味は、同じ自由空間の光速は一定のスピードということを言っている。 いろいろな光速があって違えば屈折してしまう。
2の不変は、相対時間の進み方と同期して、不変値=299,792,458 m/s、という意味。
だから、この変わらない不変値を定義値にして観測者の基準にしようっていうことだ。 これは各慣性系で測れば、「光速度不変の原理」がいう光源の速度によらず、不変であり、一定という意味。
しかしながら系間の光速は、相対時間の進み方が違うので不変と一定に縛られないというか、むしろそういう不変系を光速差(相対速度)により不変な系が生成(スケーリング)されている。

不変な観測系の光速度c² = 一定な対象系の光速w² ± 系間の相対運動v²

一定な対象系の光速w² = 不変な観測系の光速度c² + 系間の相対運動v²

この不変な光速度c、すなわち今の観測者の固有時に足す相対運動v₊(後退速度)は無限に足せる?

スケールファクター γ₊ = 1/√(1+v₊²/c²) = c/√(c²+v₊²) = c/w₊.

アインシュタインの相対論のーの系間の相対運動v₋(前進速度)しか使ってないローレンツ対称性は、無駄な制約を産んでるし、対象との相対速度があらかじめ解っている訳ではないので絶対静止座標系でない場合、光速度だけでは運動の相対速度は測れない

ローレンツファクター γ₋ = 1/√(1-v₋²/c²) = c/√(c²-v₋²).

絶対静止基準の場合、

±相対運動² = 対象の運動速度² ー 観測者の運動速度².

光速度基準の場合、

±相対運動² = 対象の波動速度² ー 観測者の波動速度²(光速度).

量子論的に言えば決まった大きさはないから、語弊のある言い方だけど移動しなくても、宇宙時間が減速するだけで個々のスケールが、観測可能な宇宙に対して相対的に小さくなって、相対運動することになる。

超光速であっても観測可能であるかぎり、運動の相対速度が分かる。だから相対速度ありきは逆である。

たとえば、ボールの速度を測るスピードガンは、ガンの時計と音波や光波の進み方や波長の変化からボールの運動速度を測る?

以上、絶対静止基準でない光速度基準の場合、「光速差(波動速度の差)でしか運動の相対速度は解らない」という話でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?