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Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

このマガジンは、最近読んで面白かった本をピックアップ。
本から学んだことを障害福祉に置き換えながらご紹介していきます。

今回のおすすめ本は、
【Think CIVILITY(シンク シビリティ) 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である】

ちょっぴり分厚い本なので、読むには気合が必要な本です。
でも、役立つことはたくさん書いてあったので、ご紹介します。


無礼さと礼節さ

(本書より)
無礼さ、礼節さは、人から非常に早く広がっていくもの。
無礼さは広がることでコストを伴い、礼節さは広がることで利益をもたらす。

無礼とは、怒鳴る、叱るなどのいわゆる「パワハラ」だけではなく、無礼さに関わる言葉も同じようです。
例えば、邪魔をする、妨げる、うるさがる、割り込む、不愉快な顔をする、などなど。

特に、本書では無礼な人がもたらすコストについて、多くを取り上げられていて、

・「無礼な人は同僚の健康を害する」
・「無礼な人はまわりの思考能力を下げる」
・「無礼な人はまわりを攻撃的にする」

など、コスト(無駄な費用)を伴うことの重大さ、周りに与える悪影響の大きさは、思っている以上に大きな被害があるようです。

たしかに、相手に不愉快な顔をされたり、ちょっとしたいやがらせや自分の意見を否定されるだけでも、とても嫌な気分になるし、やる気が下がる経験は誰でもあるように思います。

それに、「もし、自分が無礼な言動をしていたら…」と考えると、本書を読んでいて少し心配になりました。

(本書より)
ある言動が無礼かどうかは、相手がどう感じたかで決まる。相手がその扱いをどう感じたかが重要。

つまり、自分が大丈夫と思っていても、いつの間にか相手を傷つけ、無礼な人と思われていることは意外と多いかもしれないってこと。
気をつけないといけないですね。

無意識の偏見

さて、本書の中で一番印象的だったのは、「無意識の偏見」。
簡単に言うと、他人への態度を偏見に基づいて決めてしまうというもの。
それが無意識に行われてるのだから、恐ろしい話です。

(本書より)
誰もが無意識の偏見を持っている。それが思考や他人との関わり方に影響を与える。自分にどのような偏見があり、それが他人との関係にどう影響しているかをよく考える必要がある。

ぼくも、
思い当たることはいろいろある気がします。

自分の先入観で相手の意見や人柄を無意識のうちに決め込んでしまい、ちょっとした一言で相手を傷つけてしまったこともあります…。

後々考えると、自分勝手に思い込みすぎていたこと、相手を尊重できていなかったことに気づくこともありました。
無意識の偏見がいつの間にか相手に伝わり、不快な思いをさせてしまったんだと思います。

本書では、「無意識の偏見を知る」「他者を尊重する難しさ」は、トレーニングしていくことで身につくとされていて、Googleが社内研修として「偏見克服プログラム」実施していると紹介していました。

(本書より)
「まずは、否定をなくす」
グーグルの社員に尋ねると、「無意識の偏見?そんなものあるわけがない。あり得ない」といった答えが返ってくることが多かった。
偏見の存在を最初から否定してしまう人が少なくないのだ。

多様性を重んじるGoogleは、「無意識の偏見にどれほどの力があるか」を真剣に考えたからこそ、今のGoogleがあるんですね。

だれにでも、

・無意識の偏見は存在する。
・誤った先入観持ってしまう。

これに対して、自分はどのように向き合い、克服していくかが大切だと学びました。

ぼくも、すぐには克服できないですが、無意識の偏見にちゃんと向き合い、自分なりに日々意識していきたいです。

礼儀正しさとはなにか

本書では、
「礼節がもたらす5つのメリット」
「礼節を高めるメソッド」
「礼節ある人が身につける3つの原則」
など、礼儀正しさについて具体的なことが多く書かれていました。

特に、礼節ある人が身につける3つの原則」では、

・「礼節ある人は笑顔を絶やさない」
・「礼節ある人は相手を尊重する」
・「礼節ある人は人の話に耳を傾ける」

と、基本的なことが当たり前のように書かれています。

礼儀正しさとは、3つの原則を忠実に守り、いつも自然に実行できる状態のことを言うのかもしれませんね。

(本書より)
基礎をしっかりと固めれば、することすべてのレベルがアップするはずだ。
────マイケル・ジョーダン

本書では、マイケルジョーダンの礼節も取り上げられていて、些細なふるまいの大切さや暖かい態度の重要さを説明しています。

読み進める中で難しさも感じましたが、3つの原則を正しく実践できれば、最高の成果が出ること明らかなようです。

障害福祉と礼節さ

さいごは、これについてです。

障害のある人が生活する地域社会は、差別や偏見がないとは言えないように思います。
会社で働いたり、買い物行ったり、遊びに行く中で、周囲の目が気になることは昔も今もそんなに大きくは変わらないのかもしれません。
それは、「無意識の偏見」なのかもしれないし、「無礼な態度」と思えることもあると思います。

多数派である障害のない人ひとり一人が、無意識の偏見に向き合ったり、礼節な態度を重んじることで、障害のある人の地域生活はより良くなるのでしょうか?
本書を読んでいて、そんなことを思うことも多かったです。

本書のおわりには、
「自分はどういう人間になりたいか」と、ありました。

礼節は人生に良い影響を与えると信じ、職場や家族、自分の周りの人に感謝の気持ちを忘れないこと、笑顔を忘れないことで礼節ある人になれるのだと思いました。

礼節ある社会が障害のある人にとって住みやすい社会なのかもしれないし、そうであってほしい。
まずは、自分自身が礼節ある人間にならないといけないですね。

そんなことを思った、一冊でした。

 


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