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相手の立場にたって考える

言うのは簡単ですがやるのはなかなか難しい。でも、福祉の仕事をする上ではとても大切な言葉です。今日はそんな話を考えてみます。


相手とは

ここでの相手とは、障害福祉サービスの利用者の方のこと。その周りの親御さんや兄弟などの家族も含んでよいように思います。福祉の仕事をするとなると、相手の方の事情や今までのこと、障害特性のことなど、いろんなことを教えてもらう中で相手の立場を理解していく必要があります。

ただ、難しいのは、障害のことや生きづらさなどは個人特有のものでもあり、加えて、その方の周りにある環境との相互作用で起きていることもあって、一人ひとりが同じ経験をしているわけではないために「相手の立場」は個々それぞれに違いが多様にあるように思います。

たくさんの方とお会いする

企業の立場で考える、親の立場で考えるなど、相手を利用者の方以外に置き換えてみると、想像しやすいことはあるかもしれないです。ただ、福祉サービスの利用者の方の立場となると、想像しづらいことがあったり、初めてお聞きする話で教えてもらうことばかりな場面もあるかと思います。

そんな時、できるだけたくさんの利用者の方やご家族の方にお会いして、今までの話をたくさん聞かせてもらうことが支援者として一番の学びになるように思います。

前職の長野での9年間では、利用者の方の自宅へ家庭訪問に行かせてもらう機会がたくさんありました。長野名物の野沢菜をたくさん出してもらい、昔話から将来のことまで親御さんの話をたくさん聞かせてもらい、利用者の方一人ひとりの人生に触れる機会を得られたことは自分にとって何よりの学びでもあり、貴重な経験でもありました。

我が子を想う親の気持ち、これまでの苦労、これからの可能性など、親御さんの話からたくさんのことを感じ、たくさんの人との出会いは支援者としての感性や想像力を豊かにすると、今になって思います。

大阪に帰ってきてからも、親の会の元気な親御さんたちには飲み会の席も含めてたくさんの話を聞かせてもらい、我が子への想いを支援者に託す姿もまた、自分にとってはよい刺激になっています。

関心を寄せる

一人ひとりを深く知ることはアセスメントとして大事なことで、アセスメントがあるからこそ根拠ある支援、説明できる支援が成り立ちます。ただ、支援の質を保つためには、アセスメントの視点だけでは充分とは言えないのかもしれないです。

仕事柄、利用者の方の生育歴や日々の生活面、医療面などを基礎情報として教えていただいています。定期的に開催する個別支援計画のモニタリング会議(ケース会議)では、いただいた基礎情報を読み返すこともしていて、生育歴はよく見返しをさせてもらっています。

ご家族によっては、生育歴のシートにびっしりと書き込んでくださり、学齢期のことなど細かく教えてくださる方もおられます。その内容を見ていると、親御さんの愛情や葛藤、将来への不安、子どもに対する期待など、様々な想いが読み取れることもあります。

親御さんがどんな気持ちでおられるか、または利用者の方であるご本人はどんな気持ちなのかなど、相手の立場で考える前に「関心を寄せる」ことは大事な気がしています。

生育歴などの基礎情報にある文字での情報には、その方の様々な考えや想いもあるわけで、そこに関心を寄せて想像することで相手の立場にたって考えることが少しずつできるようになる気がしてます。

まずは知ること

理解するよりも、まずは「知ること」が大事なんでしょうか。最近は、そんなふうに思います。

それに、たくさんの方のことを知ることで、「理解」にも近づき、相手の立場にたって考えることもできるようになる気もしています。

とは言っても、普段の仕事でお会いする人は所属団体の事業内容で限りもあるかもなので、当事者の方のエピソードや講演会を聞いてみたり、書籍で学んだり、テレビや動画などで知るのもよさそうです。

相手の立場にたって考えるは奥が深いことでもありますが、忘れてはいけないテーマな気がして、日々の仕事で新たに学んだことがあったら、またこうやって書きながら整理してみたいと思います。

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