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サイト運営初心者向けウェブ解析のススメ〜GoogleAnalytics設定/よく使う機能3選(実例つき)〜

■はじめに

こんにちは。株式会社ゆめみでWebディレクターをしているhondaといいます。GoogleAnalyticsを日々使っていて、やはり、どの案件でもとりあえず入れて終わりということが多くなりがちだなぁと感じる今日このごろ。

ある程度大きな会社になるとWeb専任で運営することになると思いますが、そうではない会社が大半ではないでしょうか。

サイトを作るのは制作会社、とりあえずGA入れておきます、となる場合が多いと思いますが、そこで止まっていては非常にもったいないと常々感じています。

サイト(メディア)はコストではない。すべての会社にとって武器となることが未だに理解してもらえないことが本当に多く、サイトを運営することがどれほど利益をもたらすかということに気づけてもらえたらとGAの入門的なものを記事化をしてみました。

今回細かい設定は説明しませんが、これからお話することを押さえておけば、「ただGAを入れた」で終わらない最初の一歩になるかなと思います。


■基本の設定まずはやってみよう


1.何人来たかをわかるようにする

最初の第一歩です。まずはGoogleAnalytics(GA)を入れます。

Googleアカウント作ってGAのタグを発行。それをサイト上のコードにちょこっと入れるだけ。
殆どのサイトはここまでやっているはず。そしてここで止まっているところが多いです。


2.どんな検索で来たかをわかるようにする

□サーチコンソールを入れましょう

みなさんサイトへ来る時ってどこから来ますか?SNSに貼ってあったリンク?広告から?

一番多いのはGoogleで検索
して入ってくるです。

ここを把握することはとっても重要です。
サーチコンソールはgoogle検索でどのようなワードで流入したかがわかります。

それだけではないんです。googleの検索結果詳細までわかってしまうんです。
どのキーワードで何番目にサイトが掲載されているかまでわかってしまいます。

ほとんどの場合、企業名やサービス名が一番多いキーワードになります。
それ以外のワードでどんな検索キーワードでユーザーはアクセスしてきているんでしょう?それがわかるだけでも大収穫ですが、更に一歩進むと、

「あれ?そういえばあのキーワードで全然ユーザー来てない。うちの企業・サービスだったらこのワードで検索する人結構いそうなのに?なんで載ってないの?」

といった事にも気づくかもしれません。

こういう検索キーワードでうちがヒットすれば、一気に問い合わせ・受注が増えるかも!!
そんな発見までたどり着くにはまずサーチコンソールを入れるということをお忘れなく。

□サイトマップを登録しよう

Googleの検索結果に表示されるページってすごいなって思いませんか?

検索してほとんど3つ目までのサイトで、希望の情報が載っているサイトにヒットすることがほとんどですよね。

この検索結果ってどうやって決めているか知っていますか?

実はgoogleはクローラーというものを使ってどんなサイト/ページがあるのかを常に巡回して検索をブラッシュアップさせています。
サーチコンソールに自身のサイト情報を登録すると、グーグルがどんなページがあるかしっかり読み取ってくれます。

あなたのサイトも公開したあと必ずgoogleが巡回しに来て、

「ふむふむ、こういうサイトね。この検索ワードだったら3番目に表示させよう※イメージです」

といった作業を繰り返し行っています。

サイトマップ登録、これをやれば本来Googleが検索に表示させてくれたはずのページがしっかり表示されるようになります。

つまり、検索からの流入が増えます。

全部のURLがつながっているなら全然いいんですけど、よくわからん!という場合は設定しておくと良いでしょう。
とりあえず、制作会社にお願いしちゃいましょう。

3.サイトの行動ゴールを設定する

サイトを作ったからにはなにかしらの目的がありますよね?

ものを売るサイトだったら、購入がゴール。会社のHPだったら、お問い合わせだったり、求人の申し込みだったりがゴール。ただただ認知を上げたかったら滞在時間だったり、単純にPV(ページビュー)数っていうこともあるかもしれません。

これらをしっかりと数字として把握できるようにしておきましょう。
サイトのゴール、GAではCV(コンバージョン)を登録することになります

一番よくあるものは問合わせ完了/登録完了ページなどの目標URL設定。
対象ページが読み込まれたらCVとします。

その他にも滞在時間、セッションあたりのページビュー数 、イベントといったゴール設定があります。

自分のサイトに来て、どうなってもらったら目的が達成できるのか考えて設定してみてください。


そしてここでもう一つ重要で殆どの場合やっていないのが目標値の設定です。

ものを買う場合は売上がそのまま設定できますが、それ以外はどう登録していいんだろう?
値段なんてつけられない!となることが多いですが、私個人のおすすめとしてはテキトーでいいのでとりあえず値段設定しちゃおうです。

問い合わせした顧客が○%成約して、だいたい案件の平均取引金額がいくらだから。。。って急に計算しろといっても殆どの場合その手前で挫折します。

それはおいおいでよいです。
ここでは金額を仮でもいいから設定することが重要です。



■データを見ていく。

さぁ、ここまでずっと設定ばっかりでしたが、やっとデータ見ていきます。
正直GAの画面っていっぱいあって何がなんだかわからないですよね。

私も機能を100%隅々まで把握しているわけではありません。(ぶっちゃけ機能が多彩すぎる、追加も多すぎて、相当なマニアじゃないとわからない)
そんな程度で大丈夫なので、まずはよくあるパターンで画面を見ていく感じで十分です

もし、自分のメディアなんてまだ持ってないよーって方はデモアカウントが便利ですので、利用してみてください。

デモアカウントはGoogle ブランドの商品を販売する e コマースサイトのデータが誰でも利用可能になっています。
しかも実際の利用者データが使われています。

今回はデモアカウントのデータを利用しつつ機能紹介していこうと思います。

実際にGAの画面表示できましたか?

まずはじめに、、、
一番最初に表示されるホーム画面はないものと考えましょう

あの表示は色々載っているのですが、量が多すぎて、よくわからない上、詳細を確認しようとすると結局詳細画面に行くことになり、惑わされます。

それでは早速よく使うページ3選を見ていきましょう

■よく見るページ3選


1.ユーザー>概要

まず一つ目はユーザー概要です。
このページは主要な指標をざっと見ることができるページになります。

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どのくらいのユーザーがいて、平均何回アクセスしてくれていて、1回でどの程度の時間利用してくれているのか。。
みたいな全体的なユーザー像の把握/利用状況の把握ができます。


2.行動>サイトコンテンツ

2つ目はサイトコンテンツです。実際には2ページ紹介するのですが、2つとも重要で一番見るページかもしれないので、要チェックです。


 ・ランディングページ

ランディングページとはユーザーがあなたのサイトにアクセスしてきたときに最初に開いたページのことです。

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ここは非常に重要なページです。あまり用語解説はしないようにしているんですが、「直帰率」という言葉をここで説明したいと思います。

「直帰率」
最初に開いたページでなにも行動を起こさずページを閉じてしまった割合。

いやいや、そんなページ見てすぐ閉じるなんてうちのサイトに限ってそんなに多くないよ。と思われる方も多いかもしれません。

みなさんが検索して、何かしらのサイトを開いたときにそこから先のページをクリックしたり、サイトの中を見てみることってどれくらいありますか?

よくよく考えてみると、ほとんどそのページで事足りて、戻るボタン押してしまうってこと多くないでしょうか。

サンプルサイトでは30%ほどの直帰率になっていますが、サイトによって開きがあり、70%というサイトもザラです

これだけの割合で、多くの人が1ページ目で利用をやめているなんて、、って思いますよね。だからこそ、ランディングページで問題点を見つけて、そこを改善していくことでどんどんサイト全体がよくなっていくんです。

こう見ていくとどれだけランディングページが重要かっていうことが伝われば幸いです。

使い方として、ページのデータを例に取ってみます。

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上から3つ目「/google+redesign/shop+by+brand/youtube」というページを見てみるとアクセスはそこそこあるのに、直帰率は57%と他のページに比べて少し高めです。新規セッション率が88%と新しいユーザーが多く、セッション時間も1:30と短めですね。

ここはもしかするとページに何かしらの問題があって直帰してしまう可能性が高くなっているかもしれません。

ではさらにこのページをもう少し調べてみよう。。。

といった感じです。

このあとはページを実際にみたり、流入経路を見たり、要因を色々調べていくことになります。


 ・すべてのページ

そして、ページ関連でもう一つ「すべてのページ」を見ていきましょう。
このページでは全ページの情報をまるっとみることができます。

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ランディングページは入り口のみに絞って見ていましたが、今度は入り口関係なく見られたページすべてを確認していきます。
ページごとどのくらい見られていて、平均何分くらいそのページに滞在していてということがわかります。

そして、ここで一つ「ページの価値」という情報について注目してみましょう。

GA設定の説明のときにゴール目標の話をしたこと覚えていますか?
目標値の設定を必ずやっておきましょうとお伝えしました。それがここで生きてきます。

「ページの価値」というものはCVの貢献度を金額で表した数値になります。
目標が問い合わせだった場合、サイトにアクセスして、問い合わせ完了までに通ってきたページすべてに価値が追加されます。

また、用語の解説になってしまいましたが、、じゃあこの数字どう使うの?となりますよね。

また、サンプルを例にとって説明していきます。

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ページの一番右側にページの価値が表示されています。
そこを見ていくとふむふむ、3/basket.htmlは0.8ドルと高めだけど、カート画面だから当たり前ですね。

ずっと下に行くと、お、/asearch.htmlというページが1.1ドルと更に高めだということに気づきました。
このページは検索結果画面ですね。

つまり、ページビューが多く(利用が多い)、かつ購入に繋がりやすいページは検索結果画面、つまり検索行為がこのサイトで購入に結びつきやすい行動と言えそうですね。

では、検索につなげるために、サイトの構成を少し変更して検索に誘導しやすくするにはどうしよう。。。。

といった感じです。

実際には検索自体が購買目的にした行為なんだからそりゃCVしやすいよね。など指摘はあると思いますが、ここで大事なのはページの価値を使うことで、ぱっと見てもわからなかったCVという最終目標に影響の高いページを発見できるようになったことです。各ページを活かすことに繋げられるきっかけになるということです。

期間を変えることで、キャンペーンページなど限定的なページの価値なども測ることができますので、うまく使っていきたい機能ですね。

3.集客>すべてのトラフィック>参照元/メディア

3つ目はサイトにアクセスするときにどういったメディアから入ってきたかを確認できる「集客」です。

ポイントはメディアごとで、直帰率が違ったり、滞在時間、コンバージョン率が違うことです。
※参照元/メディアについては記事参照

これは各メディアでどうみなさんのサイトが表示され誘導されてサイトにアクセスしたかの違いが顕著に出てきます。

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例えば「mail.googleplex.com / referral(おそらく社員向けサイト)」を見てみますと、直帰率は非常に低い14%、平均セッション時間も6分と平均の4分より2分も多い、ここから流入する場合はしっかりサイトをまわってコンテンツを見てくれる場合が多そうですね。

他に「Partners/affiliate(おそらくアフィリエイト記事)」を見てみると、直帰率は62%だし、平均セッション時間も1分と非常に短い。

記事自体からの流入は一定あるものの、記事での紹介の仕方が悪いのか、ランディングページ自体が記事とマッチしていない、またはランディングページ自体がそこで完結するようなページなのかもしれないですね。。実際にランディングページは何なんだろう?調べてみるましょうか。。。。

といった感じです。

ページから改善点を探していく場合もありますが、このようにどこからきたかによって、改善点を探っていく場合もあります。

まずはこれら3つのページの見方だけ抑えておけばきっと、どこに問題点があるんだろう?この数字他のところと随分差があるな。という違和感が生まれると思います。

そこから、なんでだろう?なぜ?という気持ちが膨らんでいけばまずはOK

気になったらあとはGAで「なぜ?」を解決する手段を本やネットで調べていけば、答えにたどり着けるはずです。
(私も毎回のように、やり方を調べ、「なぜ?」を解決しています。調べることはほぼ必須かもしれないですね)


■GAでデータを見ていく上での心構え

そして、ここで一番重要なことをお伝えします。

「「データは必ず比較して見ろ!」」

「よく見るページトップ3」でさんざん比較しながら解説していましたが、再度ここで念押ししておきます。

例えばみなさんが管理しているサイトで先月は1万ユーザーが流入しました!
としたときにこれは果たしていい数字でしょうか?悪い数字でしょうか?
1万という数字だけではなにもわからないというのが現実です。
そこで何かと比較するのです。

その前の月は5千ユーザーだった→2倍に増えている。いい数字だ!要因は??
前年同月は2万ユーザーだった→昨年に比べ2分の1になった。昨年と比べるとなにが悪いの?

いいのか悪いのか、その結果は何が要因なのか。
そこまでわかって始めて次のステップに進めます。


もう少し具体的な話で見ていきましょう。
流入分析を例にしてみます。

GAを眺めていたある日、昨日の流入が普段の3倍に増えている事に気づきました。

「なんなんだこのアクセス数は??」

そこでどのページがアクセスの入口になっているかランディングページを見てみました。

「お、このランディングページ急に上位に来ているな。なんでだ?」

影響が顕著に出ているランディングページが見つかったので流入で分解してみました

「Twitterからすごいアクセスしてきている!なんのツイートなんだ??」

結果としてはTwitterで何かしらのツイートがバズったのではというところまで、GAの情報でたどり着けました。

検索で入ったのか・広告で来たのか、はたまたSNSでリンクはられたのか。
上位にいる、数字が高いということだけでは、それがなんでかわかりません。

思考としては
・昨日のアクセス普段の3倍きてる!(日付で比較
・このページの数字が高いからこれだろう!(ページで比較
・SNSからむっちゃきてる!(流入経路で比較

といった感じです。


分解して横で比較することで原因がわかるし、原因がわかったらそれが勝ちパターンになる可能性もありますね。
SNSの影響高いならSNSもっとやっていこうみたいな。

データの見方は色々ありますが、基本的には比較することで影響度を見ていけます
数字の異常(いいほうも、悪い方も)がわかったところから改善の糸口を発見した!ということが本当に多いです。

■まとめ

今回はGAをとりあえず導入してみたというウェブ担当者が、一歩だけ前にすすめるような記事を目指して書いてみました。
みなさんが「とにかく一度GAを見てみよう!」という行動に移ればこの記事の目標は達成です。

本当に触りの部分ですので、この記事を読んで実際にGAをみてみるもよいですし、もっとGAを使った解析について知りたいという場合には、ぜひ解析関連の書籍を一冊手にとってみることをオススメします。

初心者向けの書籍は、GAを扱う前にやるべきことなども知ることができますので、サイト運営を担当していく上でGAのテクニックだけじゃない知識も身についていきますよ。

初心者向けの書籍については過去レビュー記事書いています→

サイトを立ち上げた、ただ管理任されているというだけではもったいないです。
サイトをコストで終わらせるではなく、武器として使っていけるように、ぜひ、みんなで最初の第一歩を踏み出しましょう!!



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