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今こそOneShotを遊んでみないか?【未プレイ向け】

 世の中には星の数ほどゲームがありますが、名作のゲームほど「ネタバレ注意」と言われます。今回ご紹介したいゲーム『OneShot』もそのひとつ…

まえおき

 タイトル通り「未プレイの方に興味を持っていただく」ことを目的とした記事ですので、致命的なネタバレは無いよう心掛けて執筆しております。

 ただ、紹介の都合上、いくつかゲームの特徴的な話をしたり、スクリーンショットの使用をしたりしています。もし「全部を自分の目で見て楽しみたい!」という方がいらっしゃれば、ブラウザバックを推奨します。





『OneShot』とは

 本作は海外制作のインディーズゲームで、2Dのマップ探索をメインとした「パズルアドベンチャー」。太陽が失われたことにより滅びを待つだけの世界を救うため、主人公のニコが旅をする物語です。

 この作品、発売開始からある程度の時間がたっておりますが、今でも語られる名作として人気があります。経歴は大体こんな感じ。

  • 2014年
    RPGツクール2003で制作された原点となる作品が公開

  • 2016年
    リメイクしたものをSteamで配信

  • 2017年
    追加シナリオ「Solstice」が配信
    日本語のローカライズ追加

  • 2022年
    コンシューマ版となる「World Machine Edition」が配信

 現在では移植が進んで様々な媒体で遊べるようになりました。なぜここまで多くの人を魅了したのか、その要因について私が思った点を中心にご紹介させていただきます。


おすすめしたい魅力

主人公のニコ

 本作の目玉は主人公のニコ。これは間違いありません。どこかネコっぽい見た目をした子供のキャラクターで、かわいらしい見た目と純粋な心を持つ子です。一人称は「ミー」。

 ゲームのプレイヤーである私たちは当然このニコを操作して物語を進行します。しかし、ニコには特別な存在なようでプレイヤーに話しかけることができます。

プレイヤーと会話するニコのワンシーン
この「Administrator」の部分があなたの名前となる

 ニコは探索中に見聞きするものについてプレイヤーに聞かれていることを前提で確認・説明しますし、何か困りごとがあれば意見を求めたりします。つまり、ゲームの画面を隔てた二人旅を行くことになるのです。

 旅の途中で、他のキャラクターに対するニコの感情をくみ取ったり、ふとしたきっかけから語ってくれる思い出に相槌を打ったりと交流を繰り返していくのが本作の醍醐味。それを通じてニコのことが少しずつ好きになっていくこと間違いなしです。

時折出てくる選択肢で指示を与えることもできますが
無茶ぶりは程々にしてあげましょうね

旅する世界

 そんなニコとの冒険の舞台となる「崩壊を続ける世界」の雰囲気がとてもよく出来ています。冒頭に言及した通り、この世界には太陽がなくなってしまっています。そのため、画面は少し暗めで人々の悲壮感を表すようです。逆に、僅かな希望を思わせるような微かな光も点在しています。

壊れたロボットやボロボロの線路など
ここは一体どんな場所なのか?

 主人公のニコは世界を救うため、この暗がりに光をもたらさなくてはいけません。ですが、すでに崩壊の進行はひどく、様々な壊れた建物や砕けた大地なども散見されます。そのためポストアポカリプス…とはちょっと違うのですが、雰囲気としてはそちらに近いような景色を堪能できます。

 また、これらの情景にマッチしたBGMも必聴です。世界の悲しさ・寂しさを表すような落ち着いた曲から、ちょっとした人の温もりを感じる優しい音色の曲などが、ゲームのプレイを妨げない程度に流れます。バックグラウンドミュージック(BGM)としての完成度が高いってことです。

登場人物

 本作では一般的な「人間」の見た目なキャラもいますが、ロボットとか鳥人とか特徴的なビジュアルのキャラが多いです。特に異形頭のキャラが刺さる人にはすごく刺さりそうな気がします。

一押しの時計頭、ウォッチャーさんです

 そんな人々ですが、崩壊する世界の中で千差万別な考えを持っています。ニコに希望を抱く人、諦めて終末を待つ人、明日を考えることで精いっぱいな人、世界の状況に関わらず日常を繰り返す人。救うべき世界に住まう人との交流と助け合いからニコは歩みを進めていきます。

関わった人の多くはニコの背中を押してくれます

特殊な謎解き

 ゲームジャンルにある通り、ゲームで進行するためにはパズルを解く必要があります。パズルは探索によるアイテム・情報集めと、問題に対するひらめきを要する感じのものがメインです。

 が、それに加えて本作では「いくら探索しても解決できないパズル」が出てきます。それを解くためにはニコのいる世界ではなく、「ゲームの外」に目を向けなくてはいけません。これが本作の特徴的なシステムであり、ネタバレが危険な要素の1つと言えます。

このゲームの肝となるギミック


遊ぶ前のアドバイス

・プレイ時間目安
 私のプレイではクリアまで6.8時間でした。他の方の意見を見る限り、8~10時間くらいが目安でしょうか。パズルの進行次第で多少の時間の前後があるかも。

・ゲームハードの話
 本作は演出が「PCで遊ぶことで真価を発揮する」ものがあり、Steam版を遊ぶことがオススメされています。筆者もそちらをプレイしましたが「これはPCじゃなきゃできないだろうな」とは思いました。
 ただ、現在はSwitch・Xbox・Playstationで遊ぶことができる「World Machine Edition」が配信されており、Steam版にないキャラ設定資料やサウンドテスト機能などの追加要素が存在します。そのため、どちらが良いとは一様に言い切れない関係にあります。

・PCで遊ぶときの注意
 プレイヤーである「あなた」の名前はゲーム開始時にPCのユーザーネームから決定されます。ただし、進行時に1度だけ変更が可能です。もし、ゲームの初見プレイを配信しようと思った方は、そこに本名が入っていると個人情報の暴露大会が始まってしまうので気を付けてください。

・謎に詰まったら
 本作の謎解きのクリアに必要だなと思ったのは「調べられる場所を全て見る」こと、「詰まったら既に訪れた場所も再訪問してみる」こと、あとは「貰ったヒントの意味を聞き直す」ことも有効だったりします。
 
それでも分からなかったら、ネットに答えを探しに行ってもいいと思います。そんなことでゲームを止めてしまうことの方が勿体ないので。

・何度か話を聞いてみよう
 この世界のキャラクターは思ったより色々な反応を返してくれます。そういうのを楽しみたい人は、会話内容が変わらなくなるまで同じ人に何回か話しかけてみると楽しいかもしれません。

・「一度きり」の選択
 本作のタイトル『OneShot』は一度きりを意味します。それを表すかの如く、ゲーム内でプレイヤーは「一度きりの選択」を迫られます。そこでの選択は大きな意味を持ちますが、選択した後も決して諦めないで欲しいのです。足掻いてみてください。これが精いっぱいのエールです。


おわりに

 私が本作を触ったのは2022年のコンシューマ移植の話がきっかけでした。「移植されるほどのインディーズゲームにハズレはない」という打算で購入に至ったのですが、おかげで良い体験ができました。

 ただ、本作には派手なアクション要素や、アツく盛り上がる展開などはありませんでした。ただ世界をニコと共に旅するだけなのです。他の人の感想を借りれば「本作のプレイは小説を読む行為に近い」と言えます。このことが合わない人もいるだろうなぁとは思いました。

 それでも、このゲームに興味を持った方は是非とも遊んでみてください。名作に触れるのに「遅い」ということはありません。

 以上です。ご拝読ありがとうございました。


リンク

・Steamストアページ

・My Nintendo Store

・Playstation Store

・Xbox


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