見出し画像

ゲームの音楽に惚れた作品の話:4作品目 東方憑依華

どうも、S(h)inと申します。

 この記事は、私が「音楽に惚れ込んでから買ったゲーム」について話していくものです。合間が空きましたが、4作品目は「東方憑依華 〜 Antinomy of Common Flowers.」です。

1.作品の概要

 「音楽の良いゲーム作品シリーズ」は数多く存在しますが、「同人ゲーム」というくくりの中では一番有名なものは「東方Project」だと思われます。「東方Project」は同人サークル「上海アリス幻樂団」が制作した弾幕STGに端を発する作品群です。

 今回紹介する「東方憑依華」はその第15.5弾に位置付けられた作品で、「黄昏フロンティア」との共同で制作された「ジャンル:弾幕アクション」のPCゲームとなります。私が購入したのはCD-ROMのものでしたが、現在はSteamでのDL販売もあるみたいです。

2.購入までの流れ

 私は大分昔から東方Projectのファンでして、いくつかの弾幕STG作品に触っていた経験があります。ただSTG自体はかなり苦手で、まともにEDを見れたのは「永夜抄」の難易度Easyのみという悲惨な戦績を誇ります。残念ながら東方ProjectをきっかけにSTGへの苦手意識が付いたところはあります。

 ですが、音楽への興味はとても強く、毎作品発売されるごとに「どんな曲があるのかなぁ」とか「どういう展開で使われるのかなぁ」など調べつつ、プレイ動画を羨望の目で眺めるようなことをしています。

 そして次第に「そろそろ自分で原作をプレイしながら曲を聴きたいなぁ」という思いが募っていきました。そんなタイミングで発表されたのが「東方憑依華」でした。

 ここで私は考えました。「弾幕STGは無理だったけど、弾幕アクションならどうにかストーリークリアまで行けるか…?」と。しかし、アクションゲームも得意ではないのでクリアまで行ける確証はありません。

 ですが、その時の私は何か勢いづいていました。結果、私はいつものように音楽を聴くためにゲームを買ってしまったのです。

3.弾幕アクションとは

 で、さっきから名前が出てる「弾幕アクション」とは何か、ということですが、早い話が格闘ゲームです。

 わざわざ「弾幕アクション」と呼称しているだけあって、「射撃」がバリエーション豊富で戦術の肝になっています。ただダッシュ移動などで発動する「グレイズ」状態は射撃で張られる弾幕を簡単に回避することができます。しかし、グレイズ中でも「打撃」は命中するため、この要素が3すくみのように働き、戦いを盛り上げてくれます。

Noteの資料用スライド

大体こんな認識ですが、対戦ガチ勢の人に怒られないといいな…

4.実際のプレイ内容

 こうやってシステムの説明をすると難しいように感じますが、今回の私の目的は「音楽を聴くこと」。即ち、本作品のストーリーモードクリアなのですが、これには難しいテクニックは要りません!

 ストーリーモードでは、コンビを組んだおなじみのキャラクターたちの行動を追いつつ、先々で起きる別のコンビとの戦闘に勝利することが目標となります。

東方憑依華 ~ Antinomy of Common Flowers. Ver1.10d 2020_05_10 23_33_21

「霊夢と歌仙」のコンビから始まり、さまざまな登場人物を操る

 そんな戦闘にて戦う相手はストーリーによって少々変わりますが、難易度Normalならまあまあ無防備な戦い方をしてきます。そのため、「敵の射撃にだけ気を付けてグレイズで避けつつ、スキを見つけては打撃連打」で大抵何とかなります。

 また、相手の体力が減るとスペルカードを使用して弾幕をスーパーアーマー状態で撃ち続けてきます。ですが、相手が弱点をさらしたタイミングで攻撃を入れるとアーマーを破壊して大打撃を与えることが可能になっているため、チャンスを待って行動をしていればいつでも勝機があります。

 これが分かってからは割とサクサク進めることができ、無事ストーリー完走に至りました。いやー、よかったよかった。

5.プレイ感想

 一通りストーリーモードをクリアした感想ですが、とても満足できたゲームと言えます。よかった点を2つに分けて説明したいと思います。

5.1.斬新なストーリー展開

 本作はキャラクターがタッグを組んで戦闘を行いますが、これは弾幕アクションシリーズの中でも初の試みです。操作するキャラクターを入れ替えながら戦うのはとても新鮮味があります。

 ですが、ストーリーモードにおいては「2対2のキャラクターの掛け合いが見ることができる」という別の魅力を生み出しています。今までのゲームや書籍での会話が少ないキャラクター同士の意外なやり取りが聞けることもあったりします。

東方憑依華 ~ Antinomy of Common Flowers. Ver1.10d 2020_05_10 23_34_14

驚かされた妹紅の「鈴仙ちゃん」呼びシーン

 また、それぞれのタッグごとの話もキャラクターらしさが出て良い内容なのですが、全体を通して見ると「霊夢と紫が黒幕への対抗策を少しずつ探っている」という流れが分かる構造になっていてストーリーの構築の上手さにとても関心させられました。

 注意点をあげるとすれば、本作の前の作品に当たる「東方深秘録」についての知識がある程度必要になるかな、といったところです。プレイ経験必須ではないですが、やっていればより楽しめるのかなとも思います。

5.2.豪華な音楽

 ストーリーもよかったのですが、やっぱりそれを通じて聴く音楽はもっとよかった!

 本作の特徴の一つとして、各キャラクターのテーマ曲ごとに有名な作曲者を迎えてアレンジを担当してもらっている点が挙げられます。特にそれぞれのアレンジャーの楽曲に個性が際立ってるところが面白いんです。

 岸田教団の岸田さんによる『ハルトマンの妖怪少女』はギターが目立って格好良かったですし、ビートまりおさんがアレンジした『狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon』はまりおさんらしいノリノリの仕上がりになっていて勝手に頭が動いてしまいます。

 特に気に入ったのはA-OneのELEMENTASさんの『夜が降りてくる ~ Evening Star』のアレンジで、原曲のピアノの良さは残しつつアップテンポに仕上げてあるのがかなり好みです。

 また、弾幕アクションでおなじみのあきやまうにさんの楽曲も新曲も多く聴くことができます。「東方緋想天」の『地の色は黄色』のセルフアレンジである『地の色は黄色 ~ Primrose』は原曲よりもやや軽快になりながらも力強いメロディがそのまま活きているという素晴らしい曲なので必聴です。

 そして、なんといっても原作者ZUNさんのオリジナル曲がとても良かったです!やはりストーリーの担当者でもあるために、展開に合った楽曲を作るのがとても上手いですねぇ。

 ラスボスと対峙する際に流れる楽曲『今宵は飄逸なエゴイスト(Live ver) ~ Egoistic Flowers.』は作中設定で音楽ユニット「プリズムリバーウィズH」のライブ曲ということになっています。そのため、ユニットのキャラクターを意識したようなパートがあったり、1ループ分が終わると歓声が響くなど細かい仕掛けが多いです。これらの音楽的演出とストーリー展開が合わさることで、ラスボスとの決戦に大きな盛り上がりを与えるのです。

 そして東方作品と言えばミュージックルームが必ずありますね。コレ、ゲーム音楽好きとしてはたまらない配慮です。おかげでいつでもストーリーに思いをはせながら音楽を聴くことができます。

6.まとめ

 今回は「東方憑依華」についてのお話となりましたが、期待していた音楽面はもちろん、ストーリーの出来の方に大分惹かれた感じでした。ですが、そんなストーリーを盛り上げる音楽もまた良曲揃いで楽しかったです。

 ただ、今回の私のプレイは「ストーリーモードのクリア」のみというなかなか邪道な遊び方です。私自身が対戦系のゲームが不得手なため、残念ながらオンライン対戦などには手が回りませんでした。

 対戦自体の楽しさは正直「東方のキャラクターがわちゃわちゃ動かせる」程度の浅い喜びで終わってしまった私ですが、おそらく格ゲーに慣れている方なら独特の駆け引きなどが感じ取れたりするんだろうなぁとも思います。

 しかし、個人的には「ストーリーを楽しむため」の購入もありなんじゃないかなぁと思える内容であったことは確かです。ですので、東方Projectに興味のある方は気軽に手を取っていただけたらと思います。そして、戦闘の方が面白く感じれたならば、純粋な勝負の世界に出てみるのも面白いかもしれません。

 といったところで今回の「ゲームの音楽に惚れた作品の話」はおしまいです。また気が向いたら別のゲームのお話をいたしたいと思います、その時にお会いしましょう。ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?