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クロワッサンパクパク中に現れた不審者

こんにちは。

今日は昔出会った不審者の話です。

私の住んでる場所はそこそこ田舎で、学校からは不審者情報と熊目撃情報がまあまあ届く。高校のころ、熊ではない方に遭遇した。


その日はテストで学校は昼に終わり、まっすぐ家に帰ろうと駅に来ていた。しかし田舎なのでこの時間帯の電車は1時間に1本しかなく、お腹が空いてしょうがないのでなけなしのお小遣いで駅内にあるパン屋さんでクロワッサンを買った。

駅のベンチに座り、クロワッサンを頬張った。出来立てでまじ上手い。致命的なのは私が飲み物を持っていなかったので喉がカラカラになるぐらいである。

その時、隣に座った人がいた。私は一瞥もせずクロワッサンを食べ続け、スマホを見ていた。

「あのー」

女性の声が横から聞こえ、私はようやく顔を上げてその人を目にした。

服装とかはよく覚えてないが、普通な感じだったと思う。顔は30から40のしょぼくれたおばさんだった。

私はまず脳内で知り合いかどうか検索した。違う。知らないおばさんが話しかけてきている?少し身構えておばさんの次の言葉を待った。

おばさんは真っすぐ私の目を見て話しだした。

「私、今、お腹が空いてるの。でもお金がないの。もしあなたが、100円をくれたらそこのコンビニでおにぎりが買えるんだけど…。」

話を飲み込むのに数秒を要した。話を聞いている間も最後のクロワッサンを食べている口は動き続けていた。

制服を着た学生に金の無心?しかも100円でセブンイレブンのおにぎりは買えなくない?

困惑する中、頭は「100円が欲しい」というおばさんの要望への答えを出す。もちろんあげたくない。というかあげられないことに気付いた。さっきクロワッサンを買ったとき、私の手持ちは500円ほど。そしてクロワッサン5個入りの値段は420円ほどだったのだ。

あるだけ使うタイプだったのが幸いした。私はクロワッサンを飲み込み、おばさんに返答した。

「すいません!さっきそこのクロワッサン買うのに全部使い切っちゃって、今手持ちがないです!」

おばさんを追い払うための嘘ではない、真実の言葉だった。

おばさんは「そう…」と言って立ち上がり、どこかに行ってしまった。

心臓がバクバクしていたことに遅れて気付いた。


▶なぜおばさんは話しかけてきたのか。

考えられる理由
①クロワッサンを食べてたからだと思う。駅内のパン屋で買ったのが丸わかりなので財布は確実に持ってると判断されたのかも。

②私はかなり小柄でおとなしい顔立ちなので見知らぬおばちゃんとおばあちゃんに話しかけられることは普段からある。制服なので年下なのがハッキリしておりハードルが低かったと思う。


▶セブンイレブンのコンビニで100円以内で変えるおにぎりはあったのか。

調べてみたが、セブンイレブンイベント「おにぎり100円セール期間」中だったのかもしれない。ただこの100円は税を抜いた値なので、本当に100円で食べられるおにぎりは物価が上がる前のあの時もなかった気がする。

まあおにぎりは口実で、ほんとはいろんな人から少額を貰って別のことをしようとしていた可能性もある。


突然金をせびられたこと以外は何もない不審者だったが、普通に怖かった。渡してしまうと顔を覚えられて何度も金をせびられそうで嫌だなあとも思った。人間の形で鳩みたいなことをしないで欲しい。

みんなも駅内でクロワッサンを食べるときは気を付けよう!終わり!


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